私は、アーセナルにオーバメヤンは必要ないと思っています。
「世界トップクラスのストライカーを獲得できるチャンスがあるのだから、獲得しようと頑張るのは当然でしょ」
みたいなことを言うアーセナルファンが多く、そういう考え方も分からなくはありません。
もしオーバメヤンではなく、レヴァンドフスキであれば、私も獲得に賛成します。
ただ、オーバメヤンはどうでしょうか?

私が獲得すべきでないと思う理由は、2つあります。

1つ目の理由は、オーバメヤンが問題児だからです。
ドルトムントからオーバメヤンを獲得できる可能性が出てきているのは、ひとえにオーバメヤンが問題児だからだと言っていいでしょう。
個の能力の問題でも、戦術的な問題でもなく、またオーバメヤンがアーセナルをステップアップ先だと見なしているという訳でもありません。
オーバメヤンが、いまのドルトムントが気に入らないから、移籍の可能性が出てきているだけです。

アーセナルは、そんな問題児を上手く扱えるのでしょうか?

私には、とてもそうは思えません。
アーセナルやベンゲルに限らず、問題児を上手く扱えるチームや監督なんてものは、本当に少ない。
モウリーニョやオシムが多少上手く扱えることがある(あくまで"ことがある")くらいで、ペップもアンチェロッティもコンテもクロップもアッレグリも問題児を扱うのは、得意ではありません。
もちろん、ベンゲルもです。

オーバメヤンは数字を残しているだけに、よけいに扱いがやっかいです。

いまのアーセナルには、エースCFであるラカゼットがいます。
とても良いCFで、実力はオーバメヤンに勝るとも劣らないと思います。
昨季はリーグアンで28得点。
また、3年連続でリーグで20得点以上をマークしています。

オーバメヤンは、昨季、ブンデスリーガで31得点。
ただ、20得点以上をマークしたのは2年間だけです。

そして、オーバメヤンは28歳で、ラカゼットは26歳です。
ラカゼットの方が若く、ここから全盛期を迎える可能性が大です。
一方、オーバメヤンは既に全盛期を迎えており、ここからそれがどれだけ続くかが勝負になるでしょう。

実績や年齢を考えた場合、オーバメヤンとラカゼットの能力は大差ないと思います。
ブンデスとリーグアンは特徴はそれぞれ異なりますが、総合的には似た実力のリーグだからです。

にも関わらず、大金を積んでオーバメヤンを獲得するようなことがあれば、オーバメヤンに優先的にチャンスを与えざるを得なくなるでしょう。
そうなれば、チームに不協和音が鳴り響くのは間違いありません。
2トップにすれば、という意見もありますが、そうすると、トップ下にエジルが入るでしょうから、ムヒタリアンの居場所がなくなります。
エジルが今年の夏に移籍する可能性があるので、ムヒタリアンを冷遇すれば、来季は一からチームの作り直しとなるリスクは結構高いと思います。
また、仮に無理やりラカゼットとオーバメヤンとエジルとムヒタリアンを同時に起用したら、ベンゲル監督のサッカーでは、守備がいま以上にモロくなるとともに、サイドを使えなくなってドン引きチームを崩せなくなるでしょう。

また、ラカゼットのこととは別に、オーバメヤンがドルトムントでのようなわがままな振舞いをすれば、チームで内紛が発生するリスクも高いと思います。
ベンゲル監督は、選手を叱りませんから。
超問題児ベントナーが様々な問題を引き起こしても、ウィルシャーが深夜遊びを繰り返して水タバコを吸っても、イウォビが大麻が蔓延するクラブで遊んでも、ジルーが試合前日にホテルに不倫相手を呼び込んでも、きちんと叱った形跡はありません。
罰として、トップチームから外すことさえありません。
それどころか問題が発覚後には積極的に試合に起用して、「みそぎ」をさせるようなことがほとんどでした。

ですから、オーバメヤンがわがままな振舞いをしても、きっと叱ることはしないでしょう。
それが、チーム状態を悪い方向に向かわせる可能性は高いと思います。

また、問題児の傾向として、チームを移籍した直後(半年~1年)はとても頑張るけれど、その後は手を抜く、というのがよくあるパターンです。
オーバメヤンが、そういった振舞いをするリスクは十分にあるでしょう。

さて、そして2番目の理由です。

オーバメヤンは、ショートカウンターで点を取るタイプのFWです。
ショートカウンターで裏を取り、そこから高い決定力でゴールを陥れます。

・・・ん?
あれ、アーセナルってショートカウンターってできたっけ?

否。

アーセナルはショートカウンターで点を取ることは、非常に少ないです。
どちらかと言うとボールを大事にするので、ポゼッション型。
組織立った前プレはベンゲル監督が不得意にしているので、ショートカウンターはほぼできません。

うーん、それでどうやってオーバメヤンにゴールを量産させようというのでしょうか?

もちろん、決定力はあるので、ある程度は、オーバメヤンは点を取るとは思います。
ですが、ベンゲルの下ではオーバメヤンの長所を活かしにくいので、ゴールを量産できるかどうかは怪しい。

こう考えると、やはり、私はオーバメヤンにアーセナルに来て欲しくありません。
ワールドクラスは、別にオーバメヤンだけではない。
今夏にW杯が終わったら、有能な選手たちが多数移籍を画策するのですから、そこでじっくり考えて攻撃的な選手を獲得する方が良いと思います。
サンチェスが、アーセナルからマンUに移籍してしまいました。
本当に哀しいです。
とても大好きだったのに。
何があろうと絶対に勝とうとするハングリーさ、どんなに連戦を重ねて疲れていても、ひたすら試合に出ようとする熱意。
クラブのシーズンが終わってチリ代表の試合でも、一切、手を抜かず全力でプレーをしていました。
昨年(2017年)のコンフェデなんて、そこまで頑張る大会でもないのに、頑張って頑張って準優勝。
その結果、身体を休める時間が足りなくて、ロシアW杯南米予選ではフィジカルコンディションが戻らず、チリ代表は予選敗退してしまうという事態にも陥りましたが・・・。

サンチェスは、勝つことだけを望む求道者のような選手だったと思います。
それが、仲良しこよしのアーセナル、美しいサッカーが好きなベンゲル監督の下で"浮く"ことになった理由の1つでしょう。

Twitter上に流れていた情報によると、スカイスポーツニュースは、「ウォルコットが退団した時は多くの元チームメイトがメッセージを送り、ユナイテッドの選手達はムヒタリアンにメッセージを送ったのに、サンチェスにメッセージを送ったのはムスタフィだけだった」と報道したようです。

私は、Twitterでベジェリンをフォローしているのですが、この半年間で退団したガブリエウ・チェンバレン・ウォルコット・コクランに対してベジェリンはそれぞれツイートをしていましたが、サンチェスが退団した時にはツイートをしていませんでした。
その代わり、ムヒタリアンがアーセナル公式で発表された約10分後には、「ムヒタリアン、ようこそアーセナルへ」みたいなツイートをしていました。

ですから、サンチェスがアーセナルで"浮いていた"という噂は、おそらく本当なのでしょう。
まぁ、自ら望んでアーセナルを出てライバルのクラブに行く上に、高給を要求したと言われていますし、仲良しこよしのアーセナルでは、サンチェスのような「勝つことが何よりも大事」みたいな態度は好かれなかったんだろうな、と想像します。

ですが、私は、サンチェスのことはバルサ時代から好きでした。
フィジカルの強さ、身体のキレ、足元の技術の確かさ。
どれを取っても一級品で、さらに当時から勝つことに貪欲でした。
だから、アーセナルに来ることになった時、アーセナルの補強ポイントとは明らかに異なっていたにも関わらず、めちゃくちゃ嬉しかったです。
バルサはアホなことしたな、ネイマールよりもサンチェスの方がずっと良い選手なのに。
そう思っていました。

一方で、こうも思っていました。

バルサでリーガ優勝を経験したサンチェスは、きっとCL優勝やリーグ優勝を求めてアーセナルにやってくるんだろう。
何よりも、勝つことに飢えている選手だから。
でも、いまのアーセナルは、そういうクラブじゃないんだよ。
ベンゲルがアーセナルの監督でいる限り、CL優勝やリーグ優勝のためには奇跡が必要になる。

そして、哀しいかな、奇跡は起きませんでした。

当時の心境をまとめると、

●バルサ時代から好きだったサンチェスがアーセナルに来るのは、アーセナルファンの立場としては嬉しい。
●でも、サンチェスファンの立場から言うと、彼がアーセナルに来ても幸せにはなれないから哀しい。
 おそらくビッグタイトル(CLとリーグ)を獲得できないから。
●また、戦術的に言えば(あのタイミングでは)、2列目のサンチェスよりも優先して補強すべきポジションがいくつもあった。

という感じで思っていて、本当に複雑でしたね。

ベンゲル監督は、健全経営・戦術に縛られない自由で攻撃的なサッカースタイル・育成重視(特にブリティッシュコア)等のポリシーを持っており、勝利やビッグタイトルを得ることよりも、明らかにそういうポリシーを優先していました。
ですから、サンチェスの勝利最優先の考え方とベンゲル監督のポリシーがどこかで衝突するだろう事は、サンチェスが加入する前から容易に想像できていました。

そして、その想像は残念ながら現実化し、サンチェスはCLやリーグといったビッグタイトルを手にすることはできず、勝利への飢餓感からマンUへ移籍しました。
ぶっちゃけ、読めてたシナリオでした。
私は、加入直後から、「サンチェスは、そのうちビッグタイトルを求めて他のビッグクラブへ移籍してしまうんだろうな」とずっとビクビクしていましたから。

ジーコジャパンにおける中田英寿と、アーセナルにおけるサンチェスは、どこか似た匂いがしました。
中田英寿を好きな私が、サンチェスを好きになったことは必然だったのかもしれません。

個人的には、サンチェスはアーセナルのために100%尽くしてくれたと思います。
一切、手を抜かなかったし。
守備をサボる、と言われたこともありましたが、その頃はフィジカルコンディションがかなり落ちている時期で、サボっていたのではなくて走れなかったのだと思っています。
実際、いまはコンディションがいいので、守備でも相当走っています。

そして、マスコミに対しては、移籍を志願しているとは一切言わなかったし、フロントや監督批判もしなかった。
移籍したいからと言って、練習や試合をサボタージュ(ストライキ)したこともなかった。
CL優勝やリーグ優勝のために補強して欲しい、とも、年棒を上げて欲しい、とも言わなかった。
ニュースや新聞では噂や推測が踊っていましたが、本人からはそれを匂わせる発言は全くなかったです。
とても立派だったと思います。

ですから、私は、快くサンチェスを送り出すことができます。
アーセナルのために、本当に頑張ってくれてありがとう。
凄いプレーをたくさん見せてくれてありがとう。
新天地でも、本当に活躍して欲しい。
サンチェスなら、間違いなく活躍できるでしょう。
そして、念願のCL優勝やリーグ優勝を勝ち取って欲しいな、と思います。

とは言え、アーセナルもそう簡単にはやられないけどね!
いまのアーセナルは、ここ20年で最大の危機に陥っているように見えます。
2018/1/15(第23節終了)現在、CL出場圏内の4位とは勝ち点8差の6位。
この時期に、勝ち点8差はキツい。
しかも、5位には、現時点の得点王のケインを擁するトッテナムがいます。

もちろん、まだ、CL出場圏内は絶望ではありません。
現時点で勝ち点差10なら終わっていますが、まだ勝ち点差8です。
ぎりぎりではありますが、絶望ではない。

そして、トップ6の中での対戦をいち早く消化しているのがアーセナルです。
ですから、今後、上位陣が潰しあえば、まだ分かりません。

とは言え、コクランとチェンバレンとガブリエウが移籍してしまった現在のスカッドでは、なかなか厳しいものあるのも事実です。
さらに、サンチェスの冬の移籍が濃厚ですし。

ポジティブに捉えて良いこともあります。
今夏のロシアW杯に出場できないサンチェスは冬に移籍するでしょうが、エジルはW杯があるために今冬には移籍できません。
いま、エジルはドイツ代表ではレギュラーですから、ここでクラブを変わって調子を落としてベンチになったら、目も当てられない。
ですから、少なくともエジルはアーセナルに留まるでしょうし、W杯のことを考えて、試合勘を維持するためにアーセナルでも全力で戦うでしょう。

ですから、いまのスカッドでも、ベンゲル監督がきっちり指導すれば、4位の可能性はあるはずです。
昨夏に、ラカゼットとコラシナツという非常に良い補強をしたのですから。

・・・なーんて、おためごかしです。
ごめんなさい、ひねくれていて。

正直、アーセナルがリーグで4位以内に入るのは苦しいです。
なぜなら、サンチェス抜きで上位相手に勝つのは相当厳しいからです。
オーバメヤンの噂が飛んでいますが、彼はカウンター系のチームで生きる選手であって、いまのアーセナルには合いません。
もし取ったら、ベンゲル監督とガジディスCEOの頭の中を疑います。

ですから、消去法ではありますが、EL優勝からのCL出場を狙った方が、まだマシでしょう。
でも、ELも強豪が目白押しな訳で、そう簡単に優勝できるとは限らないです。
特に、EL番長のアトレティコ・マドリードがいるのが何とも・・・。

ということで、今季もアーセナルがCL出場圏を獲得できる可能性は、かなり低いと思います。
個人的には、20~30%と見ています。

2期連続でCLに出場できないとなると、チームのブランド力は相当落ちます。
今夏、ベンゲル監督が続投しても退任しても、この状況では本当のクラックはアーセナルには来ないでしょう。
お金を出せば、ある程度の選手は来るでしょうが、準一流ばかりになると思います。

つまり、今後数年、アーセナルはELの出場圏内を争う中位クラブになる可能性が高いと思います。
そして、華麗なパスサッカーとは程遠い内容のサッカーしか見せられないチームになるでしょう。
それだけの技術がある選手を確保できないからです。
アーセナルの下部組織は、才能のある選手を集めることは得意ですが、それを実力に昇華させることができていないのが実情です。
ここ5~6年で欧州レベルで騒がれた下部組織出身の若手は、ベジェリンのみ(ウィルシャーとラムジーは、もっと昔です)。
コクランも、悪くはないけど、欧州レベルかと言うと微妙。

つまり、良い選手は獲得できず、下部組織からの若手の突き上げも期待できない。
中位に居つく条件が揃っているのです。

だからこそ、日本人アーセナルファンやサポーターたちへ訊きたいことがあります。

あなたは、華麗なパス回しもできず、リーグ中位をうろうろしてCLにも出場できないアーセナルを、応援できますか?
うまく行けば数年で終わるかもしれませんが、へたをすると、数十年は同じ状態が続くかもしれません。
エヴァートンのように。
それでも、アーセナルファンやサポーターを続けられますか?

僕は続けられます。
パスサッカーなんてくそくらえ。
CLもくそくらえ。
ベンゲルもくそくらえ。
スタイルや強い/弱いや監督で、アーセナルを応援してるわけじゃないんだよ、こっちは!

僕は、強く強くアーセナルのリーグ優勝やCL優勝を期待しています。
願っています。
でも、弱くなったからと言って、ファンを辞めることはできません。
アーセナルは、僕の心のクラブです。
仮に3部に落ちようとも、ずっと応援していきます。

あなたは、その覚悟がありますか?
 

しまったーーー。 スポナビ+の終了日を勘違いしていました。

 1/15まで新記事を書けるのかと思っていました。

そのおかげで、最後の記事が締まらないこと、締まらないこと笑


スポナビ+の最後の記事↓

 『ブログを引っ越しました! もちろん、ブログ名は同じままです。』 

(http://www.plus-blog.sportsnavi.com/mostovoi2/article/439)


追伸で「最後の記事は、また、別に書きます。」って書いたのにね(^^; 

さて、ここで本ブログはひっそりと続けていきます。 まずは、アーセナルのことから書こうかな。

今晩(1/15)のマンチェスター・ユナイテッド vs ストーク戦が終わったら、新記事をアップする予定です。

昨年12月に、W杯の組み合わせが決まった直後、勢い余って日本代表に関するブログ記事を書いてしまったのですが、朝、眼が覚めて落ち着いて考えたら、恥ずかしくなり、記事を消しました。

最初、日本代表はいいグループに入ったと思ったんですよね。
対戦相手が、コロンビア・セネガル・ポーランド。
チームスタイルから見て、ハリルジャパンの戦術と比較的相性の良い相手ばかりだったからです。

ですが。
良く考えると、いくら相性が良くても、実力差があると、ふつうに負ける(ことが多い)。

例えば、ロンドン五輪の準決勝、日本代表 vs メキシコ代表の試合がそうでした。
日本はショートカウンター、メキシコはポゼッションだったので、相性から言うと、日本の方が有利。
ですが、メキシコは実力で日本を抑え込んで勝ちました。
メキシコは、さらに決勝でもブラジルを破り、金メダルを獲得しましたね。

深夜に勢いにかまけて記事を書いてしまったので、そういうところまで考えが及ばなかったです。
アホですね。。。

で、落ち着いて考えてみると。
このグループHというのは、相当やっかいなグループだな、と思い直しました。
グループFは死の組と言っていいのでしょうが、実は、グループHもその次くらいに厳しいグループなのかもしれない。
スペインやドイツ、フランス、ブラジル、アルゼンチンといった有名な国はいませんが、選手を見てみると、ちょっとこれは、、、みたいな選手が目白押し。
特に、セネガルはヤバいですね。

WG:マネ(リバプール)、ケイタ・バルデ(ASモナコ)
CB :クリバリ(ナポリ)

うげ、、、今季の欧州でも、特に要注意の選手が集まってるじゃないですか。。。

私は、レヴァンドフスキよりもマネの方が嫌です。
マネは、技術はさほどでもないですが、縦にも速いし、クイックネスも相当高い。
さらに、ボールを奪う力と決定力を両立しています。
その上、多少、アバウトなボールを自分のものにできる体幹があります。
クイックネスとスピードとパワーを兼ね備えている。
そのため、あまり周りに影響されず、自分のベストパフォーマンスが出せる。
それが、マネの怖さです。

あとは、クリバリが本当にやっかいですね。
クリバリは、私が応援してるアーセナルにずっと欲しいと思ってるCBで、いま、欧州で5本の指に入るCBだと思います。
クリバリがいる以上、大迫がボールを収めることは、相当難しいでしょう。
大迫を囮にしてカウンターを行うといった戦術的な工夫が、ハリルジャパンには必要です。

セネガルは、基本、ロングカウンターのチームなので、ハリルジャパンが前プレを掛けると危険です。
ハリルジャパンの良いところは、引いてロングカウンター/前プレからのショートカウンター、の両方の戦術を使い分けられるところで、セネガル相手に無謀なショートカウンターを仕掛けることはないと思いますが、組織戦術的には上手く対応できても、個でクリバリを破れるか、マネとケイタ・バルデの個を抑えられるか。
個の力を組織で凌駕できるかは、かなり心もとない。
セネガルは、相当、危険な相手だと思います。

一方で、ポーランドは、比較的やりやすい相手だと思います。
マスコミ記事によっては、ポーランドはポゼッションとカウンターを使い分ける、みたいな報道をしているところもありますが、私の知っている範囲では、基本的にはポゼッションサッカーです。
昨年11月のメキシコとの親善試合でもポゼッションしてましたし、ユーロ2016準々決勝のポルトガル相手にもポゼッションをしていました。
ポゼッションが得意なメキシコ相手にボールポゼッションを取りに行くくらいですから(しかも、ポゼッション率で勝ってました)、ポゼッションが基本スタイルであることは間違いないと思います。
もちろん、まれに守備重視のカウンター戦術を取ることもあります(ユーロ2016のスイス戦等)。
ですから、マスコミ記事は必ずしも間違ってはいませんが、ポゼッションかカウンターかは対戦相手のタイプによるわけで、少なくとも日本相手にはポゼッションで来ると思います。
そうすると、ハリルジャパンの前プレ&ショートカウンター戦術が効果的でしょう。
レヴァンドフスキにボールが入る前にボールを奪ってしまえば、ポーランドのチャンスは激減します。
仮に、アバウトなロングボールを放り込まれても、吉田麻也と槙野(もしくは昌子)のCBコンビ+GK川島 or 中村であれば、レヴァを抑え込むことはできると思います。

【注】精度の高いハイクロスやグラウンダーのクロスは別です。
   ここで言っているのは、あくまでアバウトなロングボールに関しての話です。

ですから、レヴァに精度の高いボールが入らないように、日本は守備をする必要があるでしょう。
そうすれば、レヴァをほぼ消すことは可能だと思います。
もちろん、どんなに頑張っても、90分間で1~2本はいいボールがレヴァに入る可能性は否めませんが、そこはレヴァがミスをすることを祈りましょう。

実は、ポーランドで本当にやっかいなのは、GKだと思います。
ユベントスで第2GKをやっているシュチェスニーが先発する可能性が大きい。
彼は、ユーべがブッフォンの後釜としてASローマから引き抜いたGKで、シュートストップ能力が非常に高いです。
シュチェスニーを破ってゴールを陥れるのは、相当難しいミッションだと思います。

ちなみに、シュチェスニーは、ASローマの前にはアーセナルにいました。
私はアーセナルファンなので、シュチェスニーのことは良く知っていますが、若い時から才能にあふれるGKでした。
もちろん、当時は若いだけあって、完璧ではありませんでした。
すさまじいファインセーブや、玄人好みの難しいシュートストップ等を繰り返してはいても、ときどき、うっかりミスのような失点も散見されていました。
アーセナルファンは、攻撃的なチームスタイルが災いしてかGKに関して造詣が深い方が少ないため、彼の才能を理解せず、その時点の実力にばかり目が行って、批判する方が多かったです。
それは、ベンゲル監督も同じだったようで、既に実力者であったGKチェフとオスピナ(コロンビア代表)を獲得し、シュチェスニーをASローマに放出してしまいました。
なんだよ、若手MFは我慢して育てるくせに、若手GKは我慢できずに放出かよ。

が、シュチェスニーは、放出先のASローマで急成長を遂げます。
1年もするうちにミスが減り、頼もしいGKになりました。
もともと身長は195cmあり、さらに反射神経も抜群ですから、判断ミスが減れば良いGKになることは見えていました。
現時点では、チェフと比較しても遜色のないGKだと言えます。
オスピナも良いGKですが、いまはもう、シュチェスニーの方が上でしょう。
オスピナはハイボールに弱いので。

そのような訳で、日本代表から見た場合、シュチェスニーは相当大きな壁です。
特に、ミドルシュートで点を取ることは、非常に困難です。日本人選手のスピードの遅いミドルでは。

ですから、日本がシュチェスニーから点を取るには、ショートカウンターからサイドにボールを振って、2人くらいがゴール前に飛び込み、グラウンダーのクロスから点を取る。
そういうコレクティブ・カウンターの形を狙う方がいいと思います。
縦に速いだけのカウンターでは、読みと反応でシュチェスニーに対応される可能性が高いでしょう。

そう考えると、大迫を囮にしてクリバリを釘付けにし、サイドを圧倒的なスピードで上がれる選手が日本代表には必要です。
その役割を務めるのは、浅野か久保裕也になるのではないでしょうか。
テクニカル系でスピードダウンしがちな乾や原口では、難しい。
足の遅い本田では、もちろん無理です。
ぜひ、浅野か久保裕也をポーランド戦では先発させて欲しいです。

さて、コロンビア代表。
現在のチームパフォーマンスは低調のため、2014年W杯ほどには恐れる相手ではないかもしれません。
さらに、コロンビアを率いるペケルマン監督は、基本的にはポゼッションサッカーをやるタイプなので、ハリルサッカーとは相性がいいです。
ポゼッションサッカーにとって、前プレ&ショートカウンターは天敵ですから。

とは言え、前線の選手たちは強烈です。
特に、FWのファルカオの調子が良いです。
2018/1/12(第19節終了)現在、ファルカオはリーグアンで15ゴールを決めており、得点数はリーグ2位。
ネイマールよりもゴール数が多いのです。
さらに、ご存じハメス・ロドリゲス(バイエルン)、ミランで本田の同僚だったバッカ(現ビジャレアル)、クアドラード(ユベントス)等のクラッキたちが目白押し。

じゃあ、日本代表は、彼らをどう止めれば良いのか?

いまのコロンビア代表は、攻撃に連動性を欠いている傾向が強いです。
その中心にいるのは、ハメス・ロドリゲス。
彼を自由にさせなければ、ただでさえ連動性を欠いているコロンビアの攻撃は、さらに困難な状態に陥ると思います。
ハメス・ロドリゲスは良い選手ですが、2014年ほどのパフォーマンスではないことも事実。
特に、ボールが右足側にある時に、ぎこちなさを感じます。
また、左足もアウトサイドキックが下手なので、右サイドにいたときにマイナスのクロスが上げられません。
つまり、ハメス・ロドリゲスの左足を徹底的にマークすれば、彼の自由を大きく削ぐことができるでしょう。

私が提案する策は、こうです。
山口螢にハメス・ロドリゲスをマンツーマンでマークさせ、試合から消す。
そうすれば、ファルカオ・バッカ・クアドラードのような周りとの連動が無ければ光りにくい選手たちの力を落とすことができるでしょう。

そして、コロンビアは、守備にも不安を抱えています。
W杯南米予選では、18試合を戦って19失点。
1試合で1点以上を失っています。
日本代表が粘り強く守り、ショートカウンターでコロンビアの最終ラインを破ることは、十分あり得るでしょう。
やり方次第では、1-1の引き分けか1-0での勝利を狙うことは不可能ではないと思います。

以上から、私はハリルジャパンがグループステージを突破する可能性はそれなりにあると思っています。
そして、そのキーとなるのは初戦です。
どのW杯でも同じですが、初戦を引き分け以上で終わること。
それが、強豪国で無い日本には求められます。
そして、それを実現できる可能性は、50%くらいはあるのではないでしょうか。

私は、ハリルジャパンがベスト16に入る可能性を約1/3(約33%)と見ています。
それほど高い確率でないのは、間違いありません。
ですが、絶望的に低い確率ではないでしょう。
期待をもって、応援するに足る日本代表だと思っています。
そして、超つまらないサッカーをした南アW杯の日本代表とは違い、守備的でも、ちゃんとおもしろいサッカーをしてくれるだろうと楽しみにしています。