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W杯今大会でスペイン代表がグループリーグで敗退し、あちこちで
「ポゼッションサッカーの時代は終わった」
と言う方たちが続出しました。
これは、日本国内に限らず、世界のサッカー評論家でもそういう方が
結構いましたね。

そして、5バックのオランダやコスタリカの躍進、守備的なブラジルが
ベスト4に進出したことを取り上げ、
「時代は、ポゼッションから堅守速攻(カウンター)に移った。
 これからのトレンドは5バック
(3バック)だ!」

とおっしゃる方が非常に数多くいました。

しかし、ドイツ代表がブラジル代表を1-7で叩きのめしてW杯決勝に
進出すると、
「時代は、ポゼッションとカウンターを巧みに使い分けるハイブリッドな
 サッカーだ!」

と言う人が急増。
時代が移り変わるのが速すぎです(笑)

少し形は違いますが、3週間ほどで「ポゼッションサッカーの時代」
復権したとも言えますね。

こういったマスコミ記事やブログ記事の論調には、当初から強い違和感が
ありました。
私が思うに、

■W杯は、もはやサッカーのトレンドをどうこう言う場では無い。
 サッカーのトレンドは、欧州チャンピオンズリーグ(とEL)に現れる。

「ポゼッションサッカーの時代が終わった」ことは一度もない。
  終わったのは、バルセロナの時代だと思う。

ということなんじゃないでしょうか。

2008年にグアルディオラ(ペップ)氏がバルセロナの監督に就任して、
バルセロナのポゼッションサッカーが瞬く間に欧州を席巻しました。
それと時を同じくして、スペイン代表も世界を席巻しましたね。
その後、バルセロナとスペイン代表は二人三脚のように歩みを進めて
いきます。

2010年にスペイン代表がW杯を初制覇したかと思うと、2010-11シーズンに
バルサはCL決勝でマンUを完膚なきまで叩きのめして優勝しました。
この頃がバルサとスペイン代表の絶頂期でしょう。

そして、2012-13年シーズンにバルセロナのサッカーは崩れ始めます。
ペップがバルサから去り、中心選手のシャビとイニエスタが衰えたからです。
その上、2010年にモウリーニョ監督がレアル・マドリードの監督に就任し、
飽くなきトライアル&エラーを繰り返して、ペップ・バルサ対策を
徐々に編み出していったのも大きかったと思います。
当時は、
「あんなに失敗してるのに、モウリーニョはよくめげずに新しい対策を
 どんどん試すよなぁ」
と半分感心しながらも、半分あきれたような気持ちで見ていました。

その結果、今季(2013-14シーズン)、バルセロナが「欧州1強」と言わ
れた時代は完全に終わり、普通の欧州の強豪クラブになってしまいました。
それでも、欧州で5本指には入ると思いますが。

それと同時に、スペイン代表も少しずつ弱くなっていきます。
W杯の欧州予選を見ても、対戦相手がそれほど強くないにも関わらず、
内容的には苦戦が続きました。
ただ、結果は出ていたので、それがあまり表面化することはありません
でしたが。
極め付けは、昨年のコンフェデです。
決勝でブラジルに完敗したのはもちろんですが、グループリーグも
準決勝も内容は「うん?」という感じでしたね。

致命的だったのは、ユーロ2012を優勝した後に、デルボスケ監督が
バルサの選手の起用を増やし、なぜかポゼッションサッカーに舵を
切ったことです。
彼は、2008年にスペイン代表監督に就任してから2012年までの4年間、
バルサのスタイルや選手を活用はするけれど、依存はしない、という
サッカーを貫いて来ました。

ですから、バルサがポゼッション率を70%台を誇っている時でも
スペイン代表は50%台か60%台でしたし、最終ラインはそれほど高くなく、
キレイに崩してゴールを取るよりも、きちんと守ってからのカウンターで
ゴールを狙うことが多かったです。
スペイン代表にメッシがいないことをよく分かっているチーム作りを
していたと思います。

ですが、バルセロナが崩れ始めた2012年に、わざわざ最悪のタイミングで
デルボスケ監督はスペイン代表をバルサ型のポゼッションサッカーにシフト
した訳です。
正直、意味不明でした。

ですから、ブラジルW杯でスペイン代表が優勝するのは非常に難しい
だろうな、とは思っていました。
(まさかグループリーグで敗退するとは思ってなかったですが)

と言うことで、バルセロナの時代が終わったため、スペイン代表の時代も
終わりを告げました。

が、ポゼッションサッカーの時代は終わっていません。

欧州サッカーを少し齧っている方なら、もうお分かりでしょう。
今季(2013-14シーズン)、ペップがバイエルンを率いてポゼッション
サッカーで欧州に殴り込みを掛けたのです。
ブンデスリーガを最速優勝、欧州CLでもベスト4に進出しました。
まだ就任1年目だったので、欧州を制するまでの完成度はありません
でしたが、質の高いポゼッションサッカーを見せました。
CLの優勝の最右翼に挙げていた人も多かったほどです。

ペップバイエルンの活躍は、強いのはバルセロナではなく、「ペップの
ポゼッションサッカー」
だということを印象付けました。

一方で、ドイツ代表は2004年にクリンスマン監督が就任して以降、10年を
掛けてポゼッションサッカーを追い求めてきました。
そのサッカーはレーヴ監督に引き継がれ、攻撃だけでなく組織的守備も
含めて脈々と質を高めていきます。

ドイツ代表のポゼッションサッカーは、バルセロナのようにポゼッ
ション率を70%台に保つような極端なことはしません。
いわゆるポゼッション守備(=ポゼッション率を高めることで
相手の攻撃の機会を減らすこと)を重視しないポゼッションサッカー。
守備は守備でふつうにやれば良い、というスタンスですね。
そのため、ポゼッションは攻撃のための手段の1つしかなく、当然、
カウンターも併用します。
先制点を取ったら引いてカウンター狙い、なんてことはペップバルサは
あまりやりませんでしたが、ドイツ代表は普通にやるわけです。

あれ? こういうポゼッションサッカーって、どこかで知ってたりはしませんか?

そう、ペップバルサ以前の普通のポゼッションサッカーです。
何のことはない、むかしに戻っただけですね。
それをここ最近の言い方で言うと、「ハイブリッドなサッカー」となる訳です。

まとめると、

・バルセロナの時代が終わったため、ポゼッションサッカーは普通に
 カウンターも併用する以前のポゼッションサッカーのスタイルに
 戻った。
 それを今風に言うと「ハイブリッドなサッカー」となる。

・ポゼッションの時代は終わっておらず、おそらくペップとバイエルン
 が今後も主導していく。ドイツ代表はその恩恵を受ける。
 また、話題に挙がらないことが多いが、プレミアリーグを制したマンCや
 セリエAで優勝したユベントスもポゼッションサッカーであり、
 このスタイルは続いていく。

・その一方で、守備専カウンターのアトレティコ・マドリードの躍進、
 堅守速攻に軸足を置きつつも時にポゼッションを絡めるレアル・マド
 リードやチェルシー、ショートカウンター主軸のリバプールやドルト
 ムント等、チームスタイルは百花繚乱。
 それを受けて代表チームも様々なスタイルが共存し、「〇〇の時代」
 というような一世を風靡するトレンドは、しばらく現れない。

って感じでしょうか。

あ、そうそう、昨季、CLの決勝がブンデスリーガのクラブの対決だったので
「ドイツの時代が来た」
とか言ってる人もいましたね。
そういう方は、今季のCL決勝の対決がリーガのクラブ同士だったので、
「ドイツの時代が来たと思ったけど、間違っていた」
とおっしゃってた方が多かったと思います。
もし、ドイツ代表がW杯で優勝したら、
「やっぱり、ドイツの時代が来たんだ!」
って、もう一度言い直すんでしょうかね?
ザックジャパンがコロンビアに負けて、グループリーグの4位での
敗退が確定しました。
3試合戦って、0勝1分2敗。
計2得点、6失点。

コロンビア戦に負けたことをことさら取り上げて、「惨敗だ」「屈辱だ」と
おっしゃる方がいます。
コロンビアが先発のうち8人の選手を交代させたにも関わらず、日本が
負けたからだと思いますが、もともとコロンビアは先発とベンチの能力差が少ない。
決勝トーナメント出場が決まっている上に、グループリーグ1位突破のためには
日本戦は引き分けでも構わない。
そう考えれば、日程も気候(湿度や気温)の厳しい第3戦では疲れている選手を
起用するよりはベンチメンバーを起用する方が良いと判断したのでしょう。
実際、コロンビアの選手はかなり走れていました。
逆に言えば、1戦・2戦で先発した疲れている選手たちが前半から出てきた方が、
日本にとってはラッキーだったんじゃないかな?
残念ながら、ペケルマン監督はそんな甘い選手起用はしてくれませんでしたが。

で。
ザックジャパンが、なぜグループリーグを勝ち上がれなかったのか?
いくつかの見方ができると思います。

①決定力不足
ふだんの日本代表の試合では嫌というほど指摘される「決定力不足」ですが、
今大会ではその指摘が少ないですね。
不思議です。
例えば、大久保はギリシャ戦でもコロンビア戦でも内田からのほぼ完璧な
グラウンダーのクロスをもらったにも関わらず、シュートを外しています。
しかも、ゴール枠外に蹴っています。
ゴール枠内に蹴ってGKに弾き出されたのならともかく、あの2本のシュートを
両方ともゴール枠内に蹴ることができないようでは、大久保はワールドクラスの
FWだとは言えません。
フランス代表(アーセナル)のジルーであれば、間違いなく2本ともゴール枠内には
蹴っていたでしょう。
ジルーは、フランス代表の控えのFWでしかありませんが。

日本代表は、W杯に出場した32か国の中でも、特に強豪国とは言えません。
チャンスを確実にゴールにつなげられなかった以上、敗退するのもやむを得ない、と
いったところでしょうか。

さらに、もう1つ決定力不足に関して言うなら、ミドルシュートの精度が低く、
ボールスピードも遅すぎました。
ギリシャ戦、コロンビア戦で大久保や長友、香川、長谷部などがミドルシュートを
打ちましたが、どれもがほぼGK正面。ゴールの枠(バー)近くに飛んだ
ミドルシュートは皆無でしたね。
しかも、GKがボールを弾くことは期待できないようなゴールスピードの遅い
シュートばかり。
一般的に、
「引いた相手を前におびき寄せるには、ミドルシュートを打てばいい」
と言いますが、あんなミドルシュートしか打てないようでは
「どうせ入らないんだから、ミドルシュートは勝手に打たせとけばいい」
と判断されたことでしょう。

今大会(に限らず前回大会もそうだった気がするけど)、流れの中での得点は、
圧倒的にミドルシュートからのゴールが多い。
理由は簡単で、現代サッカーでは世界的に筋力の強い選手が増えたため、
シュートレンジが広くなってきています。
2010年と違って、今大会のボールはブレにくいにも関わらず、です。

よくミドルシュートと表現していますが、ロングシュートと言っても良いような
ゴールもそれほど珍しくなくなってきました。
そうなると、いくら組織的に守備をしていても、ロングシュートを打つスペースまで
DFが消し切るのは非常に困難です。
逆に言えば、細かくつないで崩して点を取るのは、DFは的を絞りやすいため、
まだ守りやすい。

ですから、日本はミドルシュートの精度とボールスピードをもっと上げる
必要があります。
相手を引っ張り出すためのミドルシュートではなく、ゴールを決め切るミドル
シュート。
それが日本には求められています。

②戦犯・長友
今大会、長友が日本の最大の戦犯になったと思います。
香川・遠藤を批判する方が多いですが、世間的にDFにあまり興味がない、
もしくは詳しくない人が多いからでしょう。
DFに詳しい人であれば、長友が戦犯だったことに賛成してくれる方は
多いと思いますね。

その理由ですが、長友の能力不足ということに加えて、対戦相手が
長友のことを詳しく研究してきたから、ということもあります。

長友の特長は、攻撃面では思い切りの良い上がりと縦へのドリブル突破。
守備面ではサイドでの1対1に強いことです。
短所は、ドリブル突破はスピード重視で細かいタッチや切り返しは得意で
ないこと、守備面では組織的な守りが不得意なことです。
要は、どのタイミングでどこにポジショニングしたり、どこへいつ走るべきかの
判断が甘い。
今季(2013-14シーズン)、長友はインテルで3-5-2の左WBをやることが
多かったためか、守備面でのポジショニングや先読み能力は以前より低下して
いる印象でした。

それが顕著に合われたのがコートジボワール戦の2点目のシーンです。
オーリエにフリーでアーリークロスを上げさせてしまったのは、ある意味
組織的なミスですが、その際にボールの受け手のジェルビーニョを見失ったのは、
長友個人のミスです。
あの状況でジェルビーニョのマークを離してしまい、中途半端なポジションでボール
ウォッチャーになっていた長友。
あれでは、「ゴールを決めてくれよ」と言っているのも同然です。
私は元GKですので、あの瞬間、ジェルビーニョのマークを離した長友に
あっ気に取られました。
プロのSBが、あの状況でマークを見失うなんて・・・・。
ガッカリしました。

攻撃面で言えば、パスで崩せないように長友は孤立化させられていました。
香川や本田は左サイドで長友にボールをはたくと、中に入って行きます。
ふつうはそれに釣られて相手DFも中に絞るのですが、今大会では
長友を2対1で囲んで孤立させました。
そうなると、長友はサイドのライン際に逃げてハイクロスを上げるか、
ドリブルで抜くしか手がありません。
ですが、長友のドリブルはスピード重視のシンプルなものなので、読まれて
いました。たぶん、癖を掴まれていた可能性が高い。
縦への突破も切り返しも試しますが、振り切れません。
そうなると、結局はハイクロスを上げるしかなくなります。
日本のFWは、ハイボールには強くないのに。

長友は、孤立させられるの避けるために、1タッチではたくべきでした。
持って仕掛けてはダメだった。
もしくは、ボールを後ろに戻すべきでした。

相手にハメられているにも拘わらず、「仕掛けなくちゃ始まらない」と
ばかりに仕掛けて、ボールを奪われる、もしくはハイクロスという
日本の不得意なパターンを強いられる。
ギリシャ戦だけでなく、コロンビア戦でも長友は同じことをしていました。
完全に相手の術中にはまっていましたね。

長友の状況判断のつたなさに、ため息です。
W杯で上位にいるチームは、試合中に状況を判断して戦いを変えて
きます。長友はそれができなかった。
そこが、W杯で決勝トーナメントに勝ち上がる国との差です。
監督の指示が無くても、自分で状況を把握して臨機応変に対応する。

長友には、せめてコロンビア戦では、相手の術中にハマっていることに
気づいて修正して欲しかったです。

一方で、右SBの内田はボールをほぼ持ちません。ほとんどのボールを
1タッチではたき、クロスを入れ、シュートを打っていました。
たまにボールを持っても、2タッチがせいぜい。
ドリブル突破も、3試合で2~3回やったかどうかだと思います。
そして、クロスの8割以上がグラウンダーのクロスです。
7~8割がハイクロスだった長友とは正反対でしたね。
まさに状況判断の賜物。内田のプレーはインテリジェンスを感じさせました。

もし改善が見られないのなら、今後、長友を代表に呼ぶ必要はないと思います。

③メンタルの弱さ
これは、コロンビア戦後に中田英寿も指摘していたことですが、結局、
日本は3試合とも普段通りのプレーができませんでした。
コロンビア戦の前半について、ザックや長谷部は「内容は良かった」と
述べていましたが、私は賛成しません。
コロンビア戦中継のハーフタイムのコメントを聞く限り、中田英寿やセルジオ
越後氏も同意見だったと思います。

コロンビア戦の前半、ハイラインにして前からプレスを掛けるという点では悪くは
なかったかもしれませんが、前から行こう前から行こう、という意識が強すぎて
攻撃では縦に速すぎてロングボールが多くなり、人数も足りない状態で攻め
込んで、無理なミドルシュートを打つ、という可能性の感じない攻撃ばかりを
繰り返していました。

前半終了間際に、本田の低いクロスから岡崎が点を取ったのは、それまでの
流れを完全に無視した青天の霹靂のようなゴールでしたね。
あれは、本田のクロスも良かったですが、岡崎がよく頑張ったと思います。
しかし、青天の霹靂が何度も続くはずもなく、このままでは後半に点を取るのは
至難の業だろう、と感じさせる前半でした。

ザックジャパンの普段の攻撃は、人と人が短い距離で絡んでボールを回して
崩すのが基本です。
しかし、それは、コートジボワール戦はもちろん、ギリシャ戦でもコロンビア戦でも
ほとんどできませんでした。
コートジボワール戦で相手をリスペクトし過ぎたのは周知の通りですが、
ギリシャ戦でも、できていませんでした。
ミスを恐れるあまり、ギリシャの守備陣の間に入ってボールを受けようとする選手が
少なかったです。そして、そういう選手に縦パスを入れようとする選手もいません
でした。
ギリシャの守備網の外側でボールを回し、長友がむなしくハイクロスを入れるだけ。
頭では「リスクを冒さなくちゃ」と思っているのでしょうが、身体が動かないと言うか。
「この試合で負けたら終わり」ということが強烈に心に巣食っていて、身体が固まって
いるように見えました。

そして、コロンビア戦。
前半の縦に速すぎる攻撃は、全くザックジャパンらしくなかったです。
後半は改善されましたが、先に勝ち越しゴールを取られてジ・エンド。
リスクを負って前掛かりになった結果、カウンターで3点目・4点目を
決められて、日本は負けました。

結局、日本の選手たちは普段通りのメンタルでW杯を戦うことは
1試合もできませんでした。
「自分たちのサッカー」という単語がマスコミをにぎわせましたが、
メンタルがブレている選手が大半だったため、最後までほとんど「自分
たちのサッカー」やることはできなかったと思います。
コートジボワール戦の逆転負けが相当堪えたんでしょうね。
もしくは、強化試合で連続して先制点を取られていたことを
必要以上に気にしてしまった。

短所を消すことより長所を出すことを優先してきたチームが、本番で
突然短所を消すことを気にし始めたら、普段通りのメンタルを保て
なくなって当然です。
ザックも、おそらく相当驚いたと思います。
これまでのザックジャパンは、メンタル的に崩れることがほとんど
無かったからです。
昨季のコンフェデでも3連敗しましたが、初戦のブラジル戦で良い処なく
負けた後、開き直ってイタリア戦では良い内容のゲームをしました。
続くメキシコ戦でも、結果は負けでしたが、そんなに悪くはない内容
だったと思います。岡崎のゴールが誤審(オフサイド判定)で取り消され
なければ、どう転んだか分からない試合でした。

ですが、W杯本番の日本代表選手たちは、メンタルが脆弱なところを
見せてしまいました。
その点は、2006年ドイツW杯と非常によく似ていたような気がします。

コンフェデでは開き直ることができたのに、なぜW杯では開き直れないのか。
それは、コンフェデは公式戦とは言え決勝トーナメントに進めなくても
それほど問題にはならないことと、初戦で負けたのがブラジルだったので、
負けてもしょうがない、と思えたからでしょう。

しかし、コートジボワールはそういう相手ではありませんでした。
後にコロンビア戦を残していることを考えると、最低でも引き分けることが
必要だった。そして、それができる相手だと思っていました。コートジボ
ワールはブラジルではないのだから。
だからこそ、開き直ることができなかった。
「負けたくない」という気持ちが強すぎて、心のバランスを失ってしまった
のだと思います。

サッカーに限らないのですが、日本のチームスポーツを見る限り、攻守の
バランスを取ることは不得意なことが多いです。
攻撃なら攻撃一辺倒、守備なら守備一辺倒になってしまう。
その結果、非常に淡白なチームができあがります。
攻撃一辺倒のチームは攻撃が通用しなければ、失点して負ける。
守備一辺倒のチームは守り切れなければ、逆襲する力もなく負ける。

つまり、メンタルが弱い。
攻撃か守備かに特化しないと心のバランスが取れないのです。
別の言い方をすれば、監督の指示通りにしか動けない。
だから、状況に応じて攻めたり守ったりということができない。
選手たちが、チームのプレーに責任を負い切ることができていない。

特に、サッカーは、試合途中に監督からの指示を受けることが
難しいチームスポーツです。
野球やバスケやバレーボールなどと比べても、圧倒的に選手自身の裁量の
幅が広い。
だからこそ、選手が状況を把握して的確に判断し、攻めたり守ったりしなくては
なりません。
選手の判断が肝なのです。

コートジボワール戦の試合直後、元代表の中澤選手が
「2010年の時は、試合前に岡田監督から『リードしたらこうしよう、
 負けていたらこうしよう』
と状況に応じたプレー内容の決まり事が
 明確になっていた。
 コートジボワール戦を見ると、ザックジャパンはそういう決まり事が
 なかったように見えた。
 だから、逆転負けをしたのではないか?」

という主旨の発言をしていました。

この発言に、日本サッカーの問題点が集約されていると思います。
事前に決まり事を決めるなんてことは、サッカーの本質から外れています。
相手のどの選手の調子が良くて、どの選手の調子が悪くて、試合の流れがどうで、
誰が疲れているのか、誰がケガをしたのか。
試合の状況が刻々と変わっていく中で、選手たちが最適な方法を自らの責任で
判断してプレーを決めていく。
それがサッカーの本質であり、W杯で上位に食い込むような国にはそれができています。
今朝、フランス×ドイツの試合(準々決勝)を見ましたが、お互いに戦術を読み合い、
試合の流れを読み合って、時にポゼッション・時にカウンターを駆使しながら戦っていました。
クラブチームではありません。組織の擦り合わせの時間が非常に少ない代表でも、
彼らにはそれができていましたね。

日本は、それがまだできない。
選手だけでは、試合中にプレーを変えることができない。
メンタルが成熟していないので、すぐに意識が守備か攻撃に偏ってしまうのです。

フランスやドイツと言った国は、2枚腰・3枚腰と言える深い応用力を持っています。
それだけメンタルに余裕がある。
中央突破がダメならサイド攻撃。
裏へのボールを多くしておいて、相手CBを下げさせたら、バイタルエリアに楔の
パスを打つ。
ポゼッションがダメなら、ちょっと相手を引き込んだ上でカウンター。
流れを相手に奪われたら、徹底的に守って我慢して流れを引き寄せる。

フランスもドイツも、攻撃一辺倒・守備一辺倒のサッカーはしていません。
この試合のポゼッション率は、フランス50%:ドイツ50%でした。
試合前にフランスはカウンターサッカー、ドイツはポゼッションサッカーと言われて
いましたが、そんな単純な構図の試合ではなかったことが、このポゼッション率からも
分かると思います。

2002年W杯のトルコ戦でも感じましたが、日本に最も足りないのは技術でも
フィジカルでもありません。
ましてや守備力の低さや、ザックの采配でもない。
何よりも選手たちが大人のメンタルを持たなくては、W杯を勝ち上がることは難しい
のだと思います。
ギリシャ戦前夜に翌朝に突破的な仕事が入ったため、ギリシャ戦を生で
見ることができませんでした
もちろん、結果(スコアレスドロー)は知っていましたが、週末になって
やっと90分フルで試合を見ることが出来ました。

で、試合を見るまでの間、マスコミやファンブログやら掲示板やらTwitterやらで
日本代表の批判を嫌と言うほど見てきましたが、、、、
毒吐きを自覚しながらも敢えて言うなら、的外れな批判がめちゃくちゃ多い

それほど強くないギリシャ相手に勝てなかったんだから、批判はあっても普通。
でも、枝葉末節を批判してる人が多いと言うか。
私が敬愛しているセルジオ越後さんでさえ、その批判の仕方はちょっとどうかな、
と思いました。
それ以外の評論家たちは推して知るべし。

一番ムカつく批判は「気持ちが見えない」ってヤツでしたね。
気持ちなんて見えなくて当たり前。そんなもん見えたら、超能力者だよ。
気持ちが見える、とか言う人はどんな形して、どんな色で、どんな大きさを
してるのか教えてくれ。

実生活を考えれば分かるけれど、世の中には気持ちを上手く行動や言動で
表現できる人とできない人がいます。それが自分の周りではふつうだと理解
しているのに、テレビの向こうだと行動や言動で表現できて当然だと思ってしまう
人が多すぎます。
代表選手はスポーツ選手であって俳優でも何でもないのに。

相手にやたら突っかかって、相手の足を削るのが「気持ちが強い」というなら、
それは間違っている。走る距離が長ければ「気持ちが入っている」というのなら、
それも間違っている。
気持ちは目に見えない。内田のように、心は熱く頭はクールに、そして、タイミングに
全てを賭けている選手にとっては、相手の足を削る回数を増やすことはイエロー
カードを食らいやすくするだけだし、走る距離が長い選手は「考えて」走ってないだけに
過ぎません。
内田は、ここぞというタイミングを狙って相手の足を削り、ここというタイミングを狙って
コースを考えながら走る。だからこそ、90分間、一瞬のスピードで相手を凌駕し続ける
ことができます。

選手の技術や個性を無視して「気持ちが見えない」と言う人は、日本の得意なプレーを
して勝ったときは「気持ちが入ってる」、日本の得意なプレーができなくて負けたときは
「気持ちが見えない」と言っているだけのように私には見えます。

閑話休題。
さて、ギリシャ戦では圧倒的に日本がポゼッションを握っていたのに、なぜ1点も取れ
なかったのでしょうか?
「ギリシャに退場者が出て10人になったために、守備に専念する戦術に変更したのが
 痛かった。」
そう仰る識者が多いですね。

本当にそうでしょうか?
日本は引いている相手を散々攻略してきました。
それに、ドン引きにもレベルの高低があります。ギリシャのドン引きは、それほど
レベルが高くない。
1人少ないわけですから、余計にそうです。
なのに、点が取れない。

主な理由は4つあると思います。

①長友のハイクロス
ギリシャは長身で身体も大きい。日本の選手が小さい以上、ハイクロスでは
なかなか点が入らない。
それは事前に分かっていたことなのに、長友はハイクロスを入れ続けました。
もちろん、相手DFにクリアされないように低くて速くて落ちるクロスを入れることで
途中のDFをパスしようとしていましたが、そんなに上手くいくはずがありません。
普通のハイクロスに比べ、低くて速くて落ちるクロスは技術的に非常に難しく、
さらに味方の選手にピンポイントに合わせる精度が必要です。
長友のハイクロスは、そこまでの域には達していません(と言うか、そんな
ハイクロスをいつも上げられる選手はほとんど存在しません。)

この長友のハイクロスの多さについては、強化試合キプロス戦の記事にも
書きましたが、日本代表と最も合わない攻撃方法です。
もちろん、状況によってはハイクロスを上げた方がいい場面もあるし、
相手DFに追い込まれていてハイクロスを上げざるを得ない場合もある。
ですから、1本もハイクロスを上げるな、とは言いませんが、長友の場合は
多すぎます。
右SBの内田は、できるだけグラウンダーのクロスを入れるため、いろいろと
工夫をしていました。
最初は引くことで相手SBを引き付けてその裏にスペースを作っておき、
タイミング良く裏に走りこんでボールを受けることでマークを外し、グラウンダー
のクロスを入れる。
そういった内田の工夫が実り、何度もグラウンダーのクロスを入れて
いましたね。

長友は、インテルでの試合やアジア予選での戦い方が身に沁みついているのか、
反射的にすぐにハイクロスを上げてしまうんですよね。
それでは、点を取れる可能性は著しく低くなってしまいます。

②大迫を下げたこと
大迫を下げてから、日本はポストプレーの質が下がりました。
ちなみにハイボールのポストプレーのことではありません。グラウンダーの
ボールでのポストプレーです。
岡崎が1トップに入りましたが、岡崎はグラウンダーのポストプレーはさほど
上手くないし、1トップが大久保や柿谷でも同じことです。
グラウンダーのポストプレーが巧いのは、大迫(と前田)だけだったのに、
彼を下げたために、2列目の選手たちが生きなくなってしまいました。
ギリシャは引いていたので、1トップの選手が裏を狙って相手CBを下げる、という
手は使えない。だからこそ、ポストプレーが重要だったのですが、、、
後半、香川を入れるのなら、岡崎を下げるべきでしたね。

また、シュート意識という点でも、大迫は置いておきたかったです。

ちなみに大久保を2列目に置いたのは良い采配でした。相手が引いてる
状態だと、大久保1トップでは前を向いてボールをもらえなかったでしょうから。

③本田のミドルシュートの意識の低さ
この試合、本田はミドルシュートを打たなさ過ぎでした。
特に右足で打てる機会が3~4回あったのに、打たずにパスを出して
出した先でボールを奪われていました。
利き足でないことや自分のコンディションを考慮し、さらにパスを回すという
コンセプトの徹底をチームに促すためのプレーだったのでしょうが、時には
強引なプレーも必要です。
特に、今大会はミドルシュートが非常に多く、それが決勝点になることも多い。
調子の良いときであれば、本田は右足でもミドルシュートを打っていました。
この試合でも、打つべきだったと思います。
ミドルを打てば、GKがファンブルしたボールに岡崎が詰めてゴール!みたいな
展開もあるわけですから。

④香川の判断の悪さ。
香川は先発を外されたこともあり、ギリシャ戦では奮起して試合に臨みました。
短所を省みず長所だけを発揮しようと左サイドから中に入ってチャンスを作るなど、
コートジボワール戦よりはかなり改善が見られました。
が。
まだ足りません。
ゴール前やスペースに走りこんでいくタイミングが遅いのです。
一番わかりやすいのが、後半38分の内田のグラウンダーのクロス。あれは
誰かが反応していれば、間違いなく1点ものでした。
そして、状況を見ると、最低でも香川は飛び込むべきでした。他にも飛び込む
候補はいましたが、香川が最優先で飛び込むのが適切だった。
ドルトムント時代の香川なら飛び込んでいたでしょう。

しかし、内田の絶好のクロスに飛び込む選手は誰もおらず、そのまま流れて
いってしまいました。
哀しい。

ほんと、点の取れない日本代表って哀しいですよね。

一般的にマスコミは「ザックジャパンは攻撃力重視」という論調を取っており、
私もそう思っています。
ただ、それは過去の日本代表と比べた場合に「攻撃力重視」なだけだというのが
本当のところです。
ザックがやりたいことは「攻守のバランスを取る」ことですよね。
(複数のインタビューにそう答えています)
サッカー強豪国では、攻守のバランスを取ることは至極当たり前のこと。
でも、日本のサッカー文化はまだまだ浅いので、ひたすら攻撃するか、ドン引きで
守るか、の2択でしか発想しない人が多すぎる。
実際のサッカーは、そんなに単純にはいきません。

コロンビア戦、日本代表は苦戦するでしょう。
勝敗予想は、勝:負:引き分け=2:6:2くらいの割合でしょうか。
さらに、日本がGLを突破するためには、ギリシャがコートジボワールに引き分け
以上で終わることが絶対条件です。
可能性は薄いでしょう。

ですが、ゼロではありません。
コロンビアはクイックネスに優れているので、1トップは柿谷を使うべき。
そして、引き続き、先発で香川は外しましょう。そして、2列目は左から大久保・
本田・岡崎を並べて欲しいですね。
試合終盤は、なんとか斎藤も使って欲しいと思います。きっと活躍するよ!
負けた。
完敗でしたね。

それにしても驚きました。
ザックジャパンが、ほとんど得意な形からシュートに持ち込めなかったことに。
まさかのまさか、です。
想像だにしない展開でした。
コートジボワールが良かったことを差し引いても、もっと攻撃できたはず。

直前の強化試合の2試合で前半に先制されたことが、悪い方に出てしまいましたね。
失点したくない、という気持ちが先に立っていました。

前半から中盤でバランスを取って守備をしていましたが、それ自体は
問題ないと思います。
NHKの解説では、福西や岡田前監督が前半から「前から守備に行け」と言って
いましたが、蒸し暑い気候を考えると、必ずしもそれが良かったとは限らない。

ですが、ボールを奪った後にリスクの負い方が甘かった。
一斉に「攻めるぞ!」という感じがなかったです。
いつもの日本なら、怒涛のように相手ゴール前に殺到するはずですが、
それがなかった。
安全に安全にボールを回そうとして、逆にコートジボワールにボールを
奪われてました。

その結果、前半からコートジボワールが攻めて、日本が守る形に。

ただ、日本の守備は良かったです。
前半は12本のシュートを打たれましたが、そんなに危険ではありませんでした。
サイドからのクロスに対しても、ゴール前で森重と吉田がきっちり潰してました。

強いて言えば、長友の守備はあまり良くなかったです。
抜きに掛かる相手との1対1守備は良かったのですが、ボールを早めに入れてくる
ケースでは反応やポジショニングが遅く、いいクロスを入れさせていました。
内田の守備が非常に良かっただけに、気になりましたね。

前半で一番ヤバかったのは、ボカのロングシュートですが、これは川島が
きっちりとセーブ。
このシュートは凄かった。
2010年W杯のオランダ戦で、スナイデルが見せたロングシュートを思い出しました。
あの時は、川島が弾き出せずにゴールされましたね。
今回は、無回転シュートではなかったのが幸いしました。

日本の選手だったら、あの距離からシュートを打ったら絶対に吹かすんですが、
さすがコートジボワールです。

というわけで、前半の日本の守備は悪くなかったです。

が、それは木を見て森を見ない考え方とも言えます。
攻撃が長所のザックジャパンが、守りに守る展開。

本田の先制点は素晴らしかったです。
時間帯も最高でした。
普通なら、その後も勢いに乗って攻撃する流れでしょう。

なのに、どこでボタンを掛け違ってしまったのか。
失点したくない、という意識があまりにも強く刷り込まれていたように
見えました。

そして、何より辛かったのが、香川の攻撃面での不調です。
本田の調子が、強化試合を通して少しずつ上がっていましたが、この試合の
香川は非常に良くありませんでした。
強化試合3試合を通じ良かったのに、なぜこのタイミングで調子を落として
しまったんでしょうか。。。

そして、前半に守りに守った影響が、ジワジワと日本をむしばみます。
後半の日本は、足が止まり、身体のキレがなくなっていました。
キュッキュッと音がしそうなクイックネスを見せながら、細かいパス回しを
するのがザックジャパンの特長なのですが、選手の身体のキレが
なくて、それができない。
細かいパスミスも増えてきました。

コートジボワールは、前半30分ごろから足が止まりかけていたのですが、
後半はなぜか復活。
理由は、ちょっと分かりません。
プレースタイル的に、あまりクイックネスを必要としないからかな?

後半も相変わらず、コートジボワールが攻めて日本が攻める展開です。
コートジボワールの攻撃はいいですが、日本の守備も堅く、こう着状態に
陥ります。
ザックは、後半9分に遠藤を入れて攻撃のスイッチを入れようとしますが、
不発。
遠藤自身、そんなに走るタイプでないことと、周りのクイックネスが落ちて
走れていないので、パスがあまり回らない。
こう着状態が続きます。

なまじリードしているだけに、リスクを負いきれない日本。

後半17分。
0-1で負けているコートジボワールは、最終兵器ドログバを投入します。
Twitterでは「RPGのラスボスみたいだ」と評した人がいましたが、言い得て妙。

コートジボワールのラムーシ監督は、本当に的確な采配をしますね。

この蒸し暑い気候の中でドログバが先発していたら、おそらく最後まで
走り切れなかったでしょう。
だからこそ、ボニーを先発させた。

そして、負けているので、MFを削ってドログバ投入。
残り30分を切っているので、いくらドログバでも走り切れる。

そう読み切った上でのドログバ投入です。

しかも、ドログバが入ったことで4トップになり、その選手たちをマークせざるを
得なくなり、日本のラインが押し下げられます。
これにより後ろにスペースが出来たため、ボールを回して、フリーで右SBの
オーリエがクロスを入れられるようになりました。

あまりにも的確な采配です。

フリーで上げたので、オーリエの右クロスは本当に正確でした。
特に、1点目のクロスは素晴らしかった。
森重と吉田がボニーをマークしていたのに、その間をきちんと抜く
速くて低いクロス。
完璧だったと思います。

2点目は、オーリエのクロスも良かったですが、長友のマークミスが痛恨でした。
なぜか、ジェルビーニョがフリーでヘディングシュート。
そりゃ入るよ。

前半から気になっていましたが、長友はボールを持った相手との1対1守備は
強いです。
が、スペース管理に問題があるので、ポジショニングミスやマークミスを良くします。
この試合は、長友の欠点がモロに出てしまいました。

この2点目は、致命的でしたね。

結局、ドログバが投入されて、たった4分で2点を入れられました。
あっと言う間の逆転劇。
ドログバ投入が流れを変えました。

ドログバの存在感は、本当に凄かったです。
長友と1対1をやっても、ボールを奪われないしね。

ザッケローニ監督は、大久保を入れて流れを変えようとするも、変わらず。
逆転された以上、リスクを冒して前からボールを奪いに行くしかないのに、
守備が連動しません。
過去の試合で連動して奪えないことは多々ありましたが、連動しないなんて、、、
一体どうなってるんだ?
初めてに近い経験です。
足が止まっています。
あれほど暑熱対策をやったのに。

後半41分に香川に代えて柿谷投入。
この判断は遅かったですね。
足が止まっているんだから、もっと早く。
遅くても、後半30分には投入すべきでした。

ロスタイムに入るか入らないかのタイミングで、日本はコートジボワールの
ゴール前に殺到します。
この試合、初めての日本らしい攻撃。
コートジボワールも必死で守ります。
オーバーヘッド(バイシクル)で浮き球を蹴ろうとするコートジボワール。
そこにヘディングで競る岡崎。

「あ!」
私は声を上げました。ペナルティエリア内で、岡崎の頭がコートジボワールの選手に
蹴られたように見えました。
「PKだ!」

が。
審判は取りません。ファウルなし。

テレビは遠目からのカメラ映像だったので、厳密にはPKだったかどうかは分かりません。
ですが、そう見えました。
その後、リプレイも無かったので、正しい判定だったのか誤審だったのかは
分からずじまい。

うーん、モヤモヤする。。。。

その後、コートジボワールは上手く時間を使って試合終了。
1-2で日本は負けました。

ガッカリ。
攻めて負けるならともかく、守って負けたんじゃ気持ちの持っていきようが
ないです。

試合後、NHKの現地解説をしていた中田英寿がのような主旨のことを
言っていました。

「日本の選手たちには、W杯で何をしたいと思っていたのか、もう一度
 思い出してもらいたい。
 何をしたかったのか。
 今日は、したいことが何もできてなかったように見えました」


厳しい、そして淋しそうな顔で中田はそう言っていました。

私も、そう思います。
攻撃的なサッカー。それがザックジャパンの長所であり、キーワード
だったはずです。
次のギリシャ戦では、攻めて攻めて攻めまくってください。
そして、勝つだけでなく、得失点差を稼いでください。

可能性は低いけれど、コートジボワールがコロンビアを倒すことだって
考えられないわけではありません。
そうなれば、十分、日本だってグループリーグを突破できるチャンスが
あります。

頑張れ、日本。頑張れ、ザックジャパン!

■追記
両チームの右SB(オーリエと内田)は、両方ともアーセナルが獲得する候補だ、と
いう噂が欧州マスコミに流れています。
クロスの質だけはオーリエの方が良かったですが、オーリエはマークが付くと
攻撃の質が落ちます。
また、守備もそんなに良くない。
一方、内田は完璧な守備と機を見た前線への上がり、クロスもまぁまぁ、
上がってシュートまで行ける、という点で、アーセナルには合っているように
見えました。
この2人だったら、内田の方がアーセナルに欲しいなぁ。。。
キプロス戦を見ました。
W杯に向けたザックジャパンの準備が予想以上に順調に進んでいて、驚きました。
あまりに順調で気持ち悪いくらいです。
どこかに落とし穴があるんじゃないだろうか?(笑)

事前の鹿児島(指宿)合宿でフィジカルをイジメ抜いた直後の試合だったので、
クイックネスや瞬発力、パワーや運動量はもちろん、疲れのある身体では
パス精度・パススピード・シュート精度・トラップ精度が犠牲になるのは
目に見えていました。

そういう疲れた状態で試合をすることで、さらに身体をイジメてフィジカル・
コンディションを落とし、そこから緩やかに身体のキレを上げていく。
スポーツ科学に則った適切な手法です。

併せて、鹿児島合宿では暑熱対策も行っていたそうですから、準備の質は
非常に高かったんじゃないでしょうか。
W杯本大会に出場するようになって16年になる日本サッカー協会のノウハウと
ザックの豊富な経験を上手く生かしているようで、本当に素晴らしい。
世界の中で、ここまでキッチリと準備する代表チームが日本以外にあるのか?
と思ってしまうほどです。

こういう状況でのキプロス戦ですから、相手のコンディションを考慮しても、
1-0か2-1くらいのスコアだろうと想像していました。
キプロス代表のことは知りませんでしたが、欧州でのFIFAランキング130位で
堅守速攻型のチームということは、そんなに弱くはないはずです。

※FIFAランキングが100位台を莫迦にする人(格下だと言う人)がやたらと
  多いですが、間違いです。FIFAランキングは、「お願い!ランキング」より
  アテにならないものですが、強いて言うなら、欧州でFIFAランキング100~
  150位という国は、アジアだったら50~70位くらいだと思った方が良いでしょう。
  ちなみに、現在、日本は47位です。)

いまのフィジカル・コンディションであれば、あまりチャンスを作れなくても
おかしくない。
2006年W杯の直前に行われたマルタ戦(当時、マルタはFIFAランク125位)のような
試合になるのでは?と想像していました。
1-0で勝つことは勝ちましたが、内容は非常に悪かったです。
(当時の記事:「2006年 VSマルタ」「ジーコジャパンレポート」

この試合、ザックは以下の4つのテーマを持って臨むだろうな、と
予想していました。

①フィジカル・コンディションのどん底の中で試合を行わせることで、
 さらにフィジカルをイジメる。

②久しぶりの代表の試合なので、攻守の戦術や連携の復習・再確認。

③ケガから復帰直後の選手(内田、吉田、長谷部)や試合勘不足の選手(本田、
 香川)を使ってみて調子の良し悪しを計るとともに、ある程度の時間プレーさせて
 代表チームに慣らす。

④2年以上のブランクで代表復帰した大久保を入れて、連携を試す。

ほぼ予想通りだったかと思います。
そして、キモチ悪いことに、これら全てのテーマを消化してしまいました(笑)
普通、いくつかは消化し切れないものだと思うんですけどね。

特に、③が非常に良かったので安心しました。
内田は疲れている中でも、非常にインテリジェンスの高いプレーを見せており、
判断・ポジショニングや身体の入れ方が良かったです。
アーセナルが右SBサニャの後釜に内田を取るかも?という噂が流れていますが、
それもむべなるかな、というパフォーマンスだったと思います。
また、吉田麻也も多少ポカはありましたが、予測力の高さなど、十分合格点に
達している出来でした。
長谷部も判断がかなり良く、勇気を持ってインターセプトに行ったり、ととても
良かったです。
また、香川はマンUでは見られないような生き生きとした動きをしていましたね。
ミドルシュートを打ったときは笑ってしまいました。
いつぶりだろう、そんな遠い位置からミドルシュートを打ったのは?
マンUじゃ、めったに見ないよ(笑)

本田は、連携で崩すことを狙った意図のこもったパスを出したり、パスを出して
すぐに前線に走りこんだり、サイドのフリーなポジションに動いてみたり、と動きの
質は高かったです。
フィジカル・コンディション的にはかなり厳しそうで、ボールキープができなかったり、
パス・トラップのミスが散見されましたが、現時点では気にすることはないでしょう。
また、いつものように強引にミドルシュートを打つのを止めて、黒子としてパスの配給元に
徹っしていたのが印象的でした。
今日の試合の意味合い(上記②)をよく分かった上でのクレバーなプレーだったと思います。

この5人は、W杯までに十分100%の状態に持っていくことが可能でしょう。
ホッとしました。

②もかなり良かったですね。
連携の復習・再確認という意味では、攻撃ではきちんと連携して崩すこともできたし、
裏狙いもできたし(柿谷が左足シュートを打ってGKに弾き出されたシーン)、良かったです。
守備でも、前半20分頃まではキプロスのカウンターを受けることがありましたが、
その後は前プレ(前からのプレス)が効き始めて、彼らはボールを前に運べなくなりました。
それならロングボールで攻めようとするのですが、組織的にボール保持者をマークして
スペースを殺したため、精度の高いボールは蹴ることができなくなっていました。
また、前線では日本のDF2枚がガッチリ相手FWをマークするので、ロングボールを入れら
れても全く怖くなかったですね。

すばらしく順調に連携の復習・再確認ができたので、ザックも大満足だったのではないでしょうか。

強いて挙げるなら、この日の不満点は2つあります。

(1)長友のハイクロス
長友が左サイドライン際を何度も縦に突破して、ハイクロスを上げていました。
これが、ちょっと不満です。
長友の縦への突破自体は素晴らしいのですが、今回のザックジャパンは地上戦に適した
メンバーばかりを集めていますから、ハイクロスではなかなか点は入りません。
それは分かっているはずなのに、なぜハイクロス?

そもそも、ライン際を単独で突破したら、最後はハイクロスを入れるしか攻撃の手は
無くなります。
ライン際からグラウンダーのクロスを入れたら、ほぼ間違いなく相手CBかボランチに
カットされますし、ファーの岡崎に合わせたくても、長友の筋力では精度の高い
ハイクロスをファーまで送り込むのは非常に難しい(ちなみに、欧州全体をを見ても、
そんなことができるSBはほとんどいません)。

しかし、ハイクロスでも、いまのザックジャパンでは点に結びつく確率が非常に低いのです。
それどころか、クロスを中で弾き返され、カウンターで長友の裏を狙われて失点、
みたいなことになりかねません。
実際、ザックジャパンはそういう形で失点したことが何回かあります。

ですから、ハイクロスを上げるしかできないような状況下で、長友が縦に突破するのは
止めて欲しいと思います。

(2)柿谷を起用すると岡崎と被る問題
以前からの問題ですが、柿谷は裏抜けを狙うタイプのCFなので、同様に裏抜けを狙う
岡崎とはスペースを潰し合ってしまい、お互いの良いところが出せない、と言われています。
実際、キプロス戦で岡崎は1本のシュートも打てませんでした。
お互いの約束事を決めて徹底すれば(例:柿谷が引いたら岡崎が裏へ飛び出す、等)
解決すると思うのですが、今からそういった戦術的な動きを2人が徹底できるかどうか?
大迫は裏抜けタイプで無いので、彼を1トップに置いた方が、得点力の高い岡崎が生きると
思うんですが、、、、

これらはフィジカル・コンディションの問題ではなく、純粋に戦術の問題です。
ザックには早く解決してもらいたいですね。

いずれにしても、ここまでは順調です。このまま、順調に準備が進むのであれば、
W杯のグループリーグ突破は間違いないところでしょう。

が、そうは問屋が卸さない。
きっと、まだまだ山あり谷ありだと思います。

まずは、6/2のコスタリカ代表戦ですね。
W杯直前の強化試合のうち唯一のW杯出場国との対戦ですし、アーセナル(オリンピア
コスにレンタル中)のキャンベルも出るでしょうから、日本代表がどこまでやれるのか
楽しみです。
この試合のときには、フィジカル・コンディションはそれなりに良くなってるでしょうから、
少なくとも枠内シュートを7~8本以上は打って欲しいですし、失点も1以内に収めて欲しい
ですね。
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