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W杯今大会でスペイン代表がグループリーグで敗退し、あちこちで
「ポゼッションサッカーの時代は終わった」
と言う方たちが続出しました。
これは、日本国内に限らず、世界のサッカー評論家でもそういう方が
結構いましたね。

そして、5バックのオランダやコスタリカの躍進、守備的なブラジルが
ベスト4に進出したことを取り上げ、
「時代は、ポゼッションから堅守速攻(カウンター)に移った。
 これからのトレンドは5バック
(3バック)だ!」

とおっしゃる方が非常に数多くいました。

しかし、ドイツ代表がブラジル代表を1-7で叩きのめしてW杯決勝に
進出すると、
「時代は、ポゼッションとカウンターを巧みに使い分けるハイブリッドな
 サッカーだ!」

と言う人が急増。
時代が移り変わるのが速すぎです(笑)

少し形は違いますが、3週間ほどで「ポゼッションサッカーの時代」
復権したとも言えますね。

こういったマスコミ記事やブログ記事の論調には、当初から強い違和感が
ありました。
私が思うに、

■W杯は、もはやサッカーのトレンドをどうこう言う場では無い。
 サッカーのトレンドは、欧州チャンピオンズリーグ(とEL)に現れる。

「ポゼッションサッカーの時代が終わった」ことは一度もない。
  終わったのは、バルセロナの時代だと思う。

ということなんじゃないでしょうか。

2008年にグアルディオラ(ペップ)氏がバルセロナの監督に就任して、
バルセロナのポゼッションサッカーが瞬く間に欧州を席巻しました。
それと時を同じくして、スペイン代表も世界を席巻しましたね。
その後、バルセロナとスペイン代表は二人三脚のように歩みを進めて
いきます。

2010年にスペイン代表がW杯を初制覇したかと思うと、2010-11シーズンに
バルサはCL決勝でマンUを完膚なきまで叩きのめして優勝しました。
この頃がバルサとスペイン代表の絶頂期でしょう。

そして、2012-13年シーズンにバルセロナのサッカーは崩れ始めます。
ペップがバルサから去り、中心選手のシャビとイニエスタが衰えたからです。
その上、2010年にモウリーニョ監督がレアル・マドリードの監督に就任し、
飽くなきトライアル&エラーを繰り返して、ペップ・バルサ対策を
徐々に編み出していったのも大きかったと思います。
当時は、
「あんなに失敗してるのに、モウリーニョはよくめげずに新しい対策を
 どんどん試すよなぁ」
と半分感心しながらも、半分あきれたような気持ちで見ていました。

その結果、今季(2013-14シーズン)、バルセロナが「欧州1強」と言わ
れた時代は完全に終わり、普通の欧州の強豪クラブになってしまいました。
それでも、欧州で5本指には入ると思いますが。

それと同時に、スペイン代表も少しずつ弱くなっていきます。
W杯の欧州予選を見ても、対戦相手がそれほど強くないにも関わらず、
内容的には苦戦が続きました。
ただ、結果は出ていたので、それがあまり表面化することはありません
でしたが。
極め付けは、昨年のコンフェデです。
決勝でブラジルに完敗したのはもちろんですが、グループリーグも
準決勝も内容は「うん?」という感じでしたね。

致命的だったのは、ユーロ2012を優勝した後に、デルボスケ監督が
バルサの選手の起用を増やし、なぜかポゼッションサッカーに舵を
切ったことです。
彼は、2008年にスペイン代表監督に就任してから2012年までの4年間、
バルサのスタイルや選手を活用はするけれど、依存はしない、という
サッカーを貫いて来ました。

ですから、バルサがポゼッション率を70%台を誇っている時でも
スペイン代表は50%台か60%台でしたし、最終ラインはそれほど高くなく、
キレイに崩してゴールを取るよりも、きちんと守ってからのカウンターで
ゴールを狙うことが多かったです。
スペイン代表にメッシがいないことをよく分かっているチーム作りを
していたと思います。

ですが、バルセロナが崩れ始めた2012年に、わざわざ最悪のタイミングで
デルボスケ監督はスペイン代表をバルサ型のポゼッションサッカーにシフト
した訳です。
正直、意味不明でした。

ですから、ブラジルW杯でスペイン代表が優勝するのは非常に難しい
だろうな、とは思っていました。
(まさかグループリーグで敗退するとは思ってなかったですが)

と言うことで、バルセロナの時代が終わったため、スペイン代表の時代も
終わりを告げました。

が、ポゼッションサッカーの時代は終わっていません。

欧州サッカーを少し齧っている方なら、もうお分かりでしょう。
今季(2013-14シーズン)、ペップがバイエルンを率いてポゼッション
サッカーで欧州に殴り込みを掛けたのです。
ブンデスリーガを最速優勝、欧州CLでもベスト4に進出しました。
まだ就任1年目だったので、欧州を制するまでの完成度はありません
でしたが、質の高いポゼッションサッカーを見せました。
CLの優勝の最右翼に挙げていた人も多かったほどです。

ペップバイエルンの活躍は、強いのはバルセロナではなく、「ペップの
ポゼッションサッカー」
だということを印象付けました。

一方で、ドイツ代表は2004年にクリンスマン監督が就任して以降、10年を
掛けてポゼッションサッカーを追い求めてきました。
そのサッカーはレーヴ監督に引き継がれ、攻撃だけでなく組織的守備も
含めて脈々と質を高めていきます。

ドイツ代表のポゼッションサッカーは、バルセロナのようにポゼッ
ション率を70%台に保つような極端なことはしません。
いわゆるポゼッション守備(=ポゼッション率を高めることで
相手の攻撃の機会を減らすこと)を重視しないポゼッションサッカー。
守備は守備でふつうにやれば良い、というスタンスですね。
そのため、ポゼッションは攻撃のための手段の1つしかなく、当然、
カウンターも併用します。
先制点を取ったら引いてカウンター狙い、なんてことはペップバルサは
あまりやりませんでしたが、ドイツ代表は普通にやるわけです。

あれ? こういうポゼッションサッカーって、どこかで知ってたりはしませんか?

そう、ペップバルサ以前の普通のポゼッションサッカーです。
何のことはない、むかしに戻っただけですね。
それをここ最近の言い方で言うと、「ハイブリッドなサッカー」となる訳です。

まとめると、

・バルセロナの時代が終わったため、ポゼッションサッカーは普通に
 カウンターも併用する以前のポゼッションサッカーのスタイルに
 戻った。
 それを今風に言うと「ハイブリッドなサッカー」となる。

・ポゼッションの時代は終わっておらず、おそらくペップとバイエルン
 が今後も主導していく。ドイツ代表はその恩恵を受ける。
 また、話題に挙がらないことが多いが、プレミアリーグを制したマンCや
 セリエAで優勝したユベントスもポゼッションサッカーであり、
 このスタイルは続いていく。

・その一方で、守備専カウンターのアトレティコ・マドリードの躍進、
 堅守速攻に軸足を置きつつも時にポゼッションを絡めるレアル・マド
 リードやチェルシー、ショートカウンター主軸のリバプールやドルト
 ムント等、チームスタイルは百花繚乱。
 それを受けて代表チームも様々なスタイルが共存し、「〇〇の時代」
 というような一世を風靡するトレンドは、しばらく現れない。

って感じでしょうか。

あ、そうそう、昨季、CLの決勝がブンデスリーガのクラブの対決だったので
「ドイツの時代が来た」
とか言ってる人もいましたね。
そういう方は、今季のCL決勝の対決がリーガのクラブ同士だったので、
「ドイツの時代が来たと思ったけど、間違っていた」
とおっしゃってた方が多かったと思います。
もし、ドイツ代表がW杯で優勝したら、
「やっぱり、ドイツの時代が来たんだ!」
って、もう一度言い直すんでしょうかね?
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