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ザックジャパンがコロンビアに負けて、グループリーグの4位での
敗退が確定しました。
3試合戦って、0勝1分2敗。
計2得点、6失点。

コロンビア戦に負けたことをことさら取り上げて、「惨敗だ」「屈辱だ」と
おっしゃる方がいます。
コロンビアが先発のうち8人の選手を交代させたにも関わらず、日本が
負けたからだと思いますが、もともとコロンビアは先発とベンチの能力差が少ない。
決勝トーナメント出場が決まっている上に、グループリーグ1位突破のためには
日本戦は引き分けでも構わない。
そう考えれば、日程も気候(湿度や気温)の厳しい第3戦では疲れている選手を
起用するよりはベンチメンバーを起用する方が良いと判断したのでしょう。
実際、コロンビアの選手はかなり走れていました。
逆に言えば、1戦・2戦で先発した疲れている選手たちが前半から出てきた方が、
日本にとってはラッキーだったんじゃないかな?
残念ながら、ペケルマン監督はそんな甘い選手起用はしてくれませんでしたが。

で。
ザックジャパンが、なぜグループリーグを勝ち上がれなかったのか?
いくつかの見方ができると思います。

①決定力不足
ふだんの日本代表の試合では嫌というほど指摘される「決定力不足」ですが、
今大会ではその指摘が少ないですね。
不思議です。
例えば、大久保はギリシャ戦でもコロンビア戦でも内田からのほぼ完璧な
グラウンダーのクロスをもらったにも関わらず、シュートを外しています。
しかも、ゴール枠外に蹴っています。
ゴール枠内に蹴ってGKに弾き出されたのならともかく、あの2本のシュートを
両方ともゴール枠内に蹴ることができないようでは、大久保はワールドクラスの
FWだとは言えません。
フランス代表(アーセナル)のジルーであれば、間違いなく2本ともゴール枠内には
蹴っていたでしょう。
ジルーは、フランス代表の控えのFWでしかありませんが。

日本代表は、W杯に出場した32か国の中でも、特に強豪国とは言えません。
チャンスを確実にゴールにつなげられなかった以上、敗退するのもやむを得ない、と
いったところでしょうか。

さらに、もう1つ決定力不足に関して言うなら、ミドルシュートの精度が低く、
ボールスピードも遅すぎました。
ギリシャ戦、コロンビア戦で大久保や長友、香川、長谷部などがミドルシュートを
打ちましたが、どれもがほぼGK正面。ゴールの枠(バー)近くに飛んだ
ミドルシュートは皆無でしたね。
しかも、GKがボールを弾くことは期待できないようなゴールスピードの遅い
シュートばかり。
一般的に、
「引いた相手を前におびき寄せるには、ミドルシュートを打てばいい」
と言いますが、あんなミドルシュートしか打てないようでは
「どうせ入らないんだから、ミドルシュートは勝手に打たせとけばいい」
と判断されたことでしょう。

今大会(に限らず前回大会もそうだった気がするけど)、流れの中での得点は、
圧倒的にミドルシュートからのゴールが多い。
理由は簡単で、現代サッカーでは世界的に筋力の強い選手が増えたため、
シュートレンジが広くなってきています。
2010年と違って、今大会のボールはブレにくいにも関わらず、です。

よくミドルシュートと表現していますが、ロングシュートと言っても良いような
ゴールもそれほど珍しくなくなってきました。
そうなると、いくら組織的に守備をしていても、ロングシュートを打つスペースまで
DFが消し切るのは非常に困難です。
逆に言えば、細かくつないで崩して点を取るのは、DFは的を絞りやすいため、
まだ守りやすい。

ですから、日本はミドルシュートの精度とボールスピードをもっと上げる
必要があります。
相手を引っ張り出すためのミドルシュートではなく、ゴールを決め切るミドル
シュート。
それが日本には求められています。

②戦犯・長友
今大会、長友が日本の最大の戦犯になったと思います。
香川・遠藤を批判する方が多いですが、世間的にDFにあまり興味がない、
もしくは詳しくない人が多いからでしょう。
DFに詳しい人であれば、長友が戦犯だったことに賛成してくれる方は
多いと思いますね。

その理由ですが、長友の能力不足ということに加えて、対戦相手が
長友のことを詳しく研究してきたから、ということもあります。

長友の特長は、攻撃面では思い切りの良い上がりと縦へのドリブル突破。
守備面ではサイドでの1対1に強いことです。
短所は、ドリブル突破はスピード重視で細かいタッチや切り返しは得意で
ないこと、守備面では組織的な守りが不得意なことです。
要は、どのタイミングでどこにポジショニングしたり、どこへいつ走るべきかの
判断が甘い。
今季(2013-14シーズン)、長友はインテルで3-5-2の左WBをやることが
多かったためか、守備面でのポジショニングや先読み能力は以前より低下して
いる印象でした。

それが顕著に合われたのがコートジボワール戦の2点目のシーンです。
オーリエにフリーでアーリークロスを上げさせてしまったのは、ある意味
組織的なミスですが、その際にボールの受け手のジェルビーニョを見失ったのは、
長友個人のミスです。
あの状況でジェルビーニョのマークを離してしまい、中途半端なポジションでボール
ウォッチャーになっていた長友。
あれでは、「ゴールを決めてくれよ」と言っているのも同然です。
私は元GKですので、あの瞬間、ジェルビーニョのマークを離した長友に
あっ気に取られました。
プロのSBが、あの状況でマークを見失うなんて・・・・。
ガッカリしました。

攻撃面で言えば、パスで崩せないように長友は孤立化させられていました。
香川や本田は左サイドで長友にボールをはたくと、中に入って行きます。
ふつうはそれに釣られて相手DFも中に絞るのですが、今大会では
長友を2対1で囲んで孤立させました。
そうなると、長友はサイドのライン際に逃げてハイクロスを上げるか、
ドリブルで抜くしか手がありません。
ですが、長友のドリブルはスピード重視のシンプルなものなので、読まれて
いました。たぶん、癖を掴まれていた可能性が高い。
縦への突破も切り返しも試しますが、振り切れません。
そうなると、結局はハイクロスを上げるしかなくなります。
日本のFWは、ハイボールには強くないのに。

長友は、孤立させられるの避けるために、1タッチではたくべきでした。
持って仕掛けてはダメだった。
もしくは、ボールを後ろに戻すべきでした。

相手にハメられているにも拘わらず、「仕掛けなくちゃ始まらない」と
ばかりに仕掛けて、ボールを奪われる、もしくはハイクロスという
日本の不得意なパターンを強いられる。
ギリシャ戦だけでなく、コロンビア戦でも長友は同じことをしていました。
完全に相手の術中にはまっていましたね。

長友の状況判断のつたなさに、ため息です。
W杯で上位にいるチームは、試合中に状況を判断して戦いを変えて
きます。長友はそれができなかった。
そこが、W杯で決勝トーナメントに勝ち上がる国との差です。
監督の指示が無くても、自分で状況を把握して臨機応変に対応する。

長友には、せめてコロンビア戦では、相手の術中にハマっていることに
気づいて修正して欲しかったです。

一方で、右SBの内田はボールをほぼ持ちません。ほとんどのボールを
1タッチではたき、クロスを入れ、シュートを打っていました。
たまにボールを持っても、2タッチがせいぜい。
ドリブル突破も、3試合で2~3回やったかどうかだと思います。
そして、クロスの8割以上がグラウンダーのクロスです。
7~8割がハイクロスだった長友とは正反対でしたね。
まさに状況判断の賜物。内田のプレーはインテリジェンスを感じさせました。

もし改善が見られないのなら、今後、長友を代表に呼ぶ必要はないと思います。

③メンタルの弱さ
これは、コロンビア戦後に中田英寿も指摘していたことですが、結局、
日本は3試合とも普段通りのプレーができませんでした。
コロンビア戦の前半について、ザックや長谷部は「内容は良かった」と
述べていましたが、私は賛成しません。
コロンビア戦中継のハーフタイムのコメントを聞く限り、中田英寿やセルジオ
越後氏も同意見だったと思います。

コロンビア戦の前半、ハイラインにして前からプレスを掛けるという点では悪くは
なかったかもしれませんが、前から行こう前から行こう、という意識が強すぎて
攻撃では縦に速すぎてロングボールが多くなり、人数も足りない状態で攻め
込んで、無理なミドルシュートを打つ、という可能性の感じない攻撃ばかりを
繰り返していました。

前半終了間際に、本田の低いクロスから岡崎が点を取ったのは、それまでの
流れを完全に無視した青天の霹靂のようなゴールでしたね。
あれは、本田のクロスも良かったですが、岡崎がよく頑張ったと思います。
しかし、青天の霹靂が何度も続くはずもなく、このままでは後半に点を取るのは
至難の業だろう、と感じさせる前半でした。

ザックジャパンの普段の攻撃は、人と人が短い距離で絡んでボールを回して
崩すのが基本です。
しかし、それは、コートジボワール戦はもちろん、ギリシャ戦でもコロンビア戦でも
ほとんどできませんでした。
コートジボワール戦で相手をリスペクトし過ぎたのは周知の通りですが、
ギリシャ戦でも、できていませんでした。
ミスを恐れるあまり、ギリシャの守備陣の間に入ってボールを受けようとする選手が
少なかったです。そして、そういう選手に縦パスを入れようとする選手もいません
でした。
ギリシャの守備網の外側でボールを回し、長友がむなしくハイクロスを入れるだけ。
頭では「リスクを冒さなくちゃ」と思っているのでしょうが、身体が動かないと言うか。
「この試合で負けたら終わり」ということが強烈に心に巣食っていて、身体が固まって
いるように見えました。

そして、コロンビア戦。
前半の縦に速すぎる攻撃は、全くザックジャパンらしくなかったです。
後半は改善されましたが、先に勝ち越しゴールを取られてジ・エンド。
リスクを負って前掛かりになった結果、カウンターで3点目・4点目を
決められて、日本は負けました。

結局、日本の選手たちは普段通りのメンタルでW杯を戦うことは
1試合もできませんでした。
「自分たちのサッカー」という単語がマスコミをにぎわせましたが、
メンタルがブレている選手が大半だったため、最後までほとんど「自分
たちのサッカー」やることはできなかったと思います。
コートジボワール戦の逆転負けが相当堪えたんでしょうね。
もしくは、強化試合で連続して先制点を取られていたことを
必要以上に気にしてしまった。

短所を消すことより長所を出すことを優先してきたチームが、本番で
突然短所を消すことを気にし始めたら、普段通りのメンタルを保て
なくなって当然です。
ザックも、おそらく相当驚いたと思います。
これまでのザックジャパンは、メンタル的に崩れることがほとんど
無かったからです。
昨季のコンフェデでも3連敗しましたが、初戦のブラジル戦で良い処なく
負けた後、開き直ってイタリア戦では良い内容のゲームをしました。
続くメキシコ戦でも、結果は負けでしたが、そんなに悪くはない内容
だったと思います。岡崎のゴールが誤審(オフサイド判定)で取り消され
なければ、どう転んだか分からない試合でした。

ですが、W杯本番の日本代表選手たちは、メンタルが脆弱なところを
見せてしまいました。
その点は、2006年ドイツW杯と非常によく似ていたような気がします。

コンフェデでは開き直ることができたのに、なぜW杯では開き直れないのか。
それは、コンフェデは公式戦とは言え決勝トーナメントに進めなくても
それほど問題にはならないことと、初戦で負けたのがブラジルだったので、
負けてもしょうがない、と思えたからでしょう。

しかし、コートジボワールはそういう相手ではありませんでした。
後にコロンビア戦を残していることを考えると、最低でも引き分けることが
必要だった。そして、それができる相手だと思っていました。コートジボ
ワールはブラジルではないのだから。
だからこそ、開き直ることができなかった。
「負けたくない」という気持ちが強すぎて、心のバランスを失ってしまった
のだと思います。

サッカーに限らないのですが、日本のチームスポーツを見る限り、攻守の
バランスを取ることは不得意なことが多いです。
攻撃なら攻撃一辺倒、守備なら守備一辺倒になってしまう。
その結果、非常に淡白なチームができあがります。
攻撃一辺倒のチームは攻撃が通用しなければ、失点して負ける。
守備一辺倒のチームは守り切れなければ、逆襲する力もなく負ける。

つまり、メンタルが弱い。
攻撃か守備かに特化しないと心のバランスが取れないのです。
別の言い方をすれば、監督の指示通りにしか動けない。
だから、状況に応じて攻めたり守ったりということができない。
選手たちが、チームのプレーに責任を負い切ることができていない。

特に、サッカーは、試合途中に監督からの指示を受けることが
難しいチームスポーツです。
野球やバスケやバレーボールなどと比べても、圧倒的に選手自身の裁量の
幅が広い。
だからこそ、選手が状況を把握して的確に判断し、攻めたり守ったりしなくては
なりません。
選手の判断が肝なのです。

コートジボワール戦の試合直後、元代表の中澤選手が
「2010年の時は、試合前に岡田監督から『リードしたらこうしよう、
 負けていたらこうしよう』
と状況に応じたプレー内容の決まり事が
 明確になっていた。
 コートジボワール戦を見ると、ザックジャパンはそういう決まり事が
 なかったように見えた。
 だから、逆転負けをしたのではないか?」

という主旨の発言をしていました。

この発言に、日本サッカーの問題点が集約されていると思います。
事前に決まり事を決めるなんてことは、サッカーの本質から外れています。
相手のどの選手の調子が良くて、どの選手の調子が悪くて、試合の流れがどうで、
誰が疲れているのか、誰がケガをしたのか。
試合の状況が刻々と変わっていく中で、選手たちが最適な方法を自らの責任で
判断してプレーを決めていく。
それがサッカーの本質であり、W杯で上位に食い込むような国にはそれができています。
今朝、フランス×ドイツの試合(準々決勝)を見ましたが、お互いに戦術を読み合い、
試合の流れを読み合って、時にポゼッション・時にカウンターを駆使しながら戦っていました。
クラブチームではありません。組織の擦り合わせの時間が非常に少ない代表でも、
彼らにはそれができていましたね。

日本は、それがまだできない。
選手だけでは、試合中にプレーを変えることができない。
メンタルが成熟していないので、すぐに意識が守備か攻撃に偏ってしまうのです。

フランスやドイツと言った国は、2枚腰・3枚腰と言える深い応用力を持っています。
それだけメンタルに余裕がある。
中央突破がダメならサイド攻撃。
裏へのボールを多くしておいて、相手CBを下げさせたら、バイタルエリアに楔の
パスを打つ。
ポゼッションがダメなら、ちょっと相手を引き込んだ上でカウンター。
流れを相手に奪われたら、徹底的に守って我慢して流れを引き寄せる。

フランスもドイツも、攻撃一辺倒・守備一辺倒のサッカーはしていません。
この試合のポゼッション率は、フランス50%:ドイツ50%でした。
試合前にフランスはカウンターサッカー、ドイツはポゼッションサッカーと言われて
いましたが、そんな単純な構図の試合ではなかったことが、このポゼッション率からも
分かると思います。

2002年W杯のトルコ戦でも感じましたが、日本に最も足りないのは技術でも
フィジカルでもありません。
ましてや守備力の低さや、ザックの采配でもない。
何よりも選手たちが大人のメンタルを持たなくては、W杯を勝ち上がることは難しい
のだと思います。
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