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岡田ジャパンのベスト16が確定し、決勝トーナメント1回戦で負けたため、岡田監督に対して私なりの振り返りを書いてみます。

岡田監督は結果を出したので、人によっては彼を名将と呼ぶ人もいるでしょう。
でも、個人的には、岡田監督は名将というより名ギャンブラーだと思います。


こう書くと、悪い意味だけに解釈する方がいそうですが、良い意味でも名ギャンブラーです。

私は、松井の右サイドは面白いと思っていましたが、本田圭佑の1トップには懐疑的でした。
彼は、それほどポストプレーが上手いわけではないし、前に向いてプレーする機会が減るので、どうかな?と思っていました。

ボールは収まることは収まりますが、収まった後がそれほど良いわけではないので。(本職じゃないので当然ですが)

しかし、W杯直前でいきなり1トップに据えて、それを機能させる。
それは監督の腕かもしれませんが、やはりギャンブラーだと思います。

今大会、阿部と本田圭佑、松井の活躍は目覚ましいものがありますが、その3人はいずれもW杯直前で新しいポジションを務めています。

なぜ、もっと早くそのポジションで起用して連携を高めなかったのか?

ボランチにアンカーを置くべきだ、という指摘はかなり以前からありましたし、内田は守備に不安があるから右SBはもっと守備力が高い選手の方が良い、ともずっと言われていました。

俊輔に至っては、2008-09シーズンのセルティック時代から顕著に衰えてきていたため、上り調子の本田圭佑を攻撃の中心に置くべきだ、という声は非常に大きかった。

しかし、セルビア戦までの岡田監督は、そういった声に耳を貸しませんでした。
もしかしたら、腹案としては持っていたのかもしれませんが、大会の1か月前までの強化試合では一切試さなかったわけです。

阿部なんか、4月頃までほとんど先発してなかったくらいですし。

最近1か月で、基本戦術を変更(高いラインからの前プレスの中止、ショートパスをつないでポゼッションすることも止める)し、フォーメーションを大幅に変え、先発メンバーもコンセプトごと変更する。


岡田監督が追い込まれた状況で打った賭けは、確かにおおむね(※)当たりましたが、賭けに出ざるを得ない状況に陥ったのは、自分自身の責任です。
だから、彼を名監督というのは、ちょっと違うと思います。


ただ、追い込まれたときの神通力というか決断力は、すごい。

97年のW杯アジア予選でも、得点力が足りないと見るや今まで召集してなかったFWの中山ゴンと高木を召集し、次の試合ではその2人の活躍で勝ちました。

ジョホールバルでカズを途中で外して城と中田英寿中心にしたのも、しびれる采配でした。

今回も、突然控えの阿部を入れて4-1-2-3という難しいフォーメーションに打って出て、それを成功させる。
本田圭佑の1トップ然り、松井の右サイド然り。

そこはホントにすごいな、と思います。

また、コンディショニングやピーキングについては、絶賛したいです。
あんなに身体がキレキレの大久保や松井は、初めて見ました。
カメルーン戦もデンマーク戦も高地での戦いということをほとんど感じさせませんでしたね。
デンマーク戦の3点目なんか、あの時間帯であの本田圭佑の身のこなしは信じられません。
(余談ですが、世間的には「岡崎にゴールを譲った」みたいな
 美談になってますが、本田圭佑はクールにGKを引き付けて
 確率の高いパスを選択しただけです。
 すさまじくロジカルな判断をしていました。
 本田圭佑が「もう1点取りたかった」と言ったのは、
 後半に見せたミドルシュートの失敗を指していると思います。)

まぁ、コンディショニングだけではなく、前プレスを止めて長い距離のダッシュがかなり減ったから、という理由も大きいですが。

それから、世間的にはドイツW杯と比較して「チーム一丸となった岡田ジャパン」みたいなことを言いますが、私は興味がありません。

勝てば、チームが1つになるのは当たり前のことだからです。
初戦に勝ったチームがバラバラになるはずがない。

もし、初戦が引き分け以下だったら、W杯直前の強化試合で4連敗し、本番で本田圭佑1トップ等の奇策を取ったことが災いして、岡田監督への不信感が一気に高まったでしょう。

特に、ベスト4等と高すぎる目標を掲げたために、それと現実のギャップが選手たちの心をバラバラにしていっただろうと思います。
期待する姿と現実との乖離があると、チームは容易にバラバラになります。
フランス代表のように。

それに、選手たちは確かにチームに一体感を感じているでしょうけど、私には守備にこそ一体感を感じても、攻撃には一体感を感じませんでした。

忘れてはならないのは、4試合で点を入れたのは2試合だけ、そのうちの1試合(デンマーク戦)の先制点はほぼ奇跡だ、ということです。

もちろん、本田圭佑は素晴らしい無回転FKを蹴りました。

しかし。
グループリーグ全試合で決まった総ゴール数は100を超えますが、そのうちFKから直接ゴールが決まったのはたった3本。
そのうち、無回転が決まったのは本田圭佑のFKだけです。
これだけ少ないのは、高地とジャブラニが原因でしょう。

また、本田圭佑はCLのセビージャ戦以降~W杯まで無回転FKを何度も蹴っていますが、得点はデンマーク戦の1ゴールのみ。
本田圭佑の無回転FKは、10試合以上戦って1ゴールしか決まらない非常に確率が低い攻撃方法なのです。

それがデンマーク戦で出た、という本田圭佑の強運はすごいと思いますが、私は、結果が出れば良い、という考え方はしないタチです。

(ここは、おそらくサッカー観の違いなので、異論も多いでしょう。
 もし、このサッカー観になじめない方は、本ブログを
 読むのはご遠慮ください。
 お互いに良い気持ちはしないでしょうから)

言うまでもなく、特にW杯のグループリーグでは、先制点が重要です。

先制点を取れば、ゲームを支配できるし、引き分けはあっても負けることはほとんどありません。

遠藤のFKは確かに巧かったですが、本田圭佑のゴールがなければ、壁の作り方やGKの位置がかなり違ったはずです。
そうなると、入ったかどうかは、誰にも分かりません。


つまり、均衡している状態からまともに点を取ったのは、守備に難点があるカメルーン戦のみとなります。
カメルーン戦は見事でしたが、2回あったチャンスのうち1回を決めたわけで、やはりチャンスが少なすぎます。

個に劣る日本が点を取るには、連携からチャンスを数多く作ることが必要ですが、結局、岡田ジャパンはそれを実現できませんでした。

W杯直前に戦い方を変えて、何とか守りは良くなったけど、攻撃にまで手が回らず、ゴールは本田圭佑の即興頼み。
まるで98年の第1次岡田ジャパンのよう。
あのときも全員で守って、攻撃は中田英寿の即興頼みのチームでした。

ただ、中田英寿は守備タスクがある程度軽減されていましたが、本田圭佑の守備タスクは重い。
重すぎます。

だから、デンマーク戦の3点目にはビビリました。
足の遅い本田圭佑が、あれだけ走った後で見せたワールドクラスのプレーに。
あのキレはスーパーでした。

しかし、オランダ戦とパラグアイ戦の本田圭佑はスーパーではなかったです。

その原因は、本田圭佑の決定力を生かす攻撃戦術が確立されておらず、相手のマークをかいくぐるのは、もっぱら本田自身のアイデアのみに頼っていました。
また、守備で体力を削られていたのも理由の1つでしょう。

この2年半、岡田監督は俊輔とポゼッションにこだわり続けましたが、攻守とも結局は方向転換せざるを得なくなりました。
その結果、攻撃は付け焼き刃になってしまったのです。

決定力の低い日本が、数少ないチャンスから得点を期待しなきゃならない戦い方をするなんて、根本的におかしいと思いませんか?

それは、単なるギャンブルです。

だからこそ、岡田監督は名ギャンブラーと言っていいでしょう。
ものすごい強運とギリギリの判断力・決断力で、ギャンブルに勝ちました。

でも、私はギャンブルは好きではありません。
個人的に、ギャンブルを見てもおもしろくないのです。

囲碁・将棋と違って、どんなスポーツでも、ギャンブル的な要素は内包していますが、それも程度問題。
今大会の岡田ジャパンは、試合内容はおろかチーム作りに至るまで、あまりにもギャンブル要素が強すぎます。

同じベスト16で良いので、ブラジルW杯では、チーム作りにしても戦い方にしても、もう少しプロセスや内容を大事にする日本代表が見たいです。

つまり、おもしろいサッカーをする日本代表が見たい!

そして、コレクティブ・カウンターと言えば良いんでしょうか、組織的にカウンターで点が取れる代表になって欲しいですね。


ペケルマンやビエルサなら大歓迎、岡田監督の続投やアドバイザー就任はノーサンキューでお願いします。
学閥は、もう必要ありません。



(※)
GKを川島にするという賭けには、成功しませんでしたね。

川島には確かにいいプレーもありましたが、楢崎や川口より良かったか?というと疑問です。

パラグアイ戦のPKで、パラグアイ4人目のキッカーに対し、川島はキッカーがボールを蹴るより先に動いていました。
そのため、キッカーに体重移動を見られて、その逆方向にシュートを打たれるという屈辱。
PKですから、そこで動かなくても決められていたかもしれませんが、プロセスに問題があれば、当然、結果にも問題が出てきます。
野村克也氏がよく引用する昔の人の言葉に
「勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし」
というのがありますが、正に川島にぴったりの言葉です。

デンマーク戦でも、PKを止めたはいいですが、キャッチにいって内側に弾くという信じられないミス。
外側に弾いて、そのボールを奪われて失点、というならまだ分かりますが、あの場面でキャッチにいく、という甘い判断が失点につながりました。

反射神経は優れていると思いますが、判断の面では経験が足りません。
やはり、楢崎か川口を起用すべきだったんじゃないかと思います。
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