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前回の記事にも書きましたが、J1第29節 浦和-大宮戦は大宮が0-1で勝ちました。
正直、予想外でした。

ただ、結果こそ浦和の負けでしたが、浦和もそんなに悪くなかったと思います。

浦和サポーターの多くは、負けると実際以上にマイナス思考に陥って『叩く』人が多いので、
少し落ち着いて振り返ってみようと思います。

この試合の始まる直前の状況を考えます。
大宮は勝ち点32のリーグ14位。
浦和は勝ち点29のリーグ16位。

15位には、浦和-大宮の直前に行われた試合に勝った甲府が割り込んできました。
勝ち点は30です。

16位以下がJ2に陥落するので、浦和は絶対に勝たないとマズい状況です。
ホームですし。
一方、大宮は残留圏内ですから、引き分けでもOK。
とは言っても、得失点差が-11とかなり悪いので、やはり負けるわけにはいきません。

浦和が選んだ先発メンバーは、

------------------------------------
   デスポトビッチ   エスクデロ
 マルシオ               梅崎            
       鈴木啓太  柏木
野田     濱田    永田     平川
            加藤
------------------------------------

右SBが宇賀神→平川に変わった以外は、ナビスコカップ準決勝でガンバ大阪を
破った時と同じ先発メンバーです。
その試合はパスがポンポン回って今季最高かも?と思わせる出来だったので、
ほぼ同じ先発メンバーで臨んだペトロビッチ監督の気持ちは、よく分かります。
試合間隔も中5日ですから、問題ないですし。
山田直輝やA代表から戻ってきた原口を先発させるよりは、良い判断でしょう。

一方、大宮もほぼベストメンバー。
FWにはラファエル、MFには東、上田康太、渡辺大剛がいます。
ナビスコカップで浦和に負けた時とは、明らかにメンバーが違います。

試合開始。

大宮は、「負けなければ良い」ということで、全体をコンパクトにしてラインも少し低め。
ドン引きではありませんが、積極的に点を取りに行くスタンスでもないです。
場合によっては、0-0で引き分けてしまおう、という考え方なのでしょう。
ただ、最初から引き分け狙いというわけではなく、前線の2人はカウンターで点を取る気満々です。
アウェイですから妥当な戦術です。

浦和は、前からプレスを掛けにいきます。
勝ちしか考えられない状況ですから、これも妥当な戦術でしょう。
浦和も、なかなかにコンパクトなラインを作り、それを維持したままプレスを掛けています。
さすが、ガンバを破っただけはあります。

その結果、ボールポゼッションは浦和。
60%前後でしょうか。
何度かチャンスを作りかけますが、大宮が最後の処で潰します。
スペースを消して、ほとんどシュートを打たせません。

一方、大宮もカウンターを仕掛けますが、途中で浦和が止めます。
危機を察知して、ボール保持者に詰めるのが早いです。

がっぷり四つの五分五分という感じ。
シュートシーンは少ないですが、緊張感のある良い立ち上がりです。

前半20分頃から、浦和はチャンスを作ることもできなくなりました。
大宮が、浦和の攻撃に慣れてきたからです。
序盤は、多少後手を踏んでいましたが、慣れてからは
きっちりと浦和の選手の動きを先読みしています。

このままだと、流れは大宮に傾くかな?

そう思いかけたとたん、浦和の攻撃が変わりました。
それまでは主にミドルパスを使っていたのですが、
急にショートパスとロングパスを使い分け始めたのです

極端に短いショートパスをダイレクトでつなぐかと思うと、
最終ラインから長いパスをサイドに放り込む。

突然、リズムが変わったので、大宮は的を絞りきれません。
立て続けにシュートを打たれてしまいます。

やるなぁ、浦和。
こんなに戦術眼高かったっけ?

この時間帯、大宮は結果的には失点しませんでした。
ツキがありましたね。

が、この長短のパスを使い分ける戦い方が続きません。
前半35分頃から、またミドルパスでの崩しに戻ってしまいます。

あれれ、、、、せっかく良い感じだったのに。
どーしたんだ、浦和?

ミドルパスでの崩しが効果がないとは言いませんが、どうしても単調になります。
良くないときの大宮ならともかく、今日の大宮は守備がかなりいいので、
このままでは点を取るのは苦しそうです。

うーん、ここらへんが今の浦和の限界かな。

試合の流れを読んで、試合中にリズムを変えることができる選手というのは
本当に少ないので、これは必ずしも監督の責任とは言えない気がします。
私が知っている中でそれができる日本人選手は、中田英寿・俊輔・遠藤くらいです。
そもそも、教えたらできるようになるスキルなのかどうか?

いまの先発メンバーを見ると、その役割を担うべきなのは、柏木か梅崎か
マルシオ・リシャルデスになるのでしょうが、ちょっと経験不足でしょう。

ただ、そうは言っても、浦和の守備もかなりチェックが早いので、大宮も
決定的チャンスを作ることができません。

前半はそのまま0-0で終わります。


後半開始直後、浦和がギアを上げます。
ペトロビッチ監督の指示があったのでしょう。
戦い方は前半と同じですが、運動量とスピードを上げて大宮を攻め込みます。

浦和のCKのとき、大宮DFの注意をゴール前にいるデスポトビッチやエスクデロに
引き付けておき、後ろにいる柏木にグランダーのボールを出しました。
そのまま、ダイレクトでミドルシュート!
惜しくもゴール枠を外れます。

このトリックプレーは上手かったです。
が、決まらない。

この時間帯の攻撃も、大宮はしのぎ切りました。

徐々に浦和のギアは落ちていき、前半のように五分五分の状態に戻っていきます。
停滞感が漂います。
たぶん、「つまねー試合」と思った観客も多いんじゃないでしょうか。

ただ、実際は、お互いの守備が非常にいいので、停滞しているように
見えただけだと思います。

大宮は、ラファエルがゲームメイクに獅子奮迅の奮闘。
浦和の守備を掻いくぐってボールをキープし、前線にボールをつなぎます。
それを受けた東がシュートを打とうとしますが、浦和はきっちりとマーク。
良い形でシュートに持ち込めません。

浦和の守備はかなり良いのですが、このまま0-0で終わったら、ダメージが大きいのは浦和。
後半20分にペトロビッチ監督が動きます。

デスポトビッチ→原口。

個人的には、山田直輝を先に入れた方がいいんじゃないかな?と思ったのですが、
原口を入れる選択肢も十分アリだったと思います。
単調になっている試合の流れを変えようとしたのでしょう。
この交代策は責められません。

しかし、結果的には、これが悪手になりました。

入った直後、原口はドリブルでペナルティエリアまで侵入し、「お」と思わせました。
が、その後は消えてしまいます。

なぜなら、原口が自由にドリブルをするスペースがなかったからです。
ガンバ戦で勝ったときの浦和は、相手陣内に押し込んでパス交換から崩していました。
ですから、ペナルティエリア前には、それほどスペースがありません。

しかし、それまで原口が活躍していたときの浦和は、サイドアタック重視の攻撃戦術でした。
あえて原口が自由にドリブルできるスペースを空けていました。

今日の大宮の守備は非常に良かったので、いくら原口のドリブルでも、スペースがない状況では
力を発揮できません。
また、原口のドリブルのキレ自体も少し落ちているようでした。

ペトロビッチ監督は、おそらく戦術的なミスマッチは理解していたと思います。
そうでなかったら、これまでのペトロビッチ監督の原口への信頼度からすると、
先発させていたでしょう。
だからこその途中投入。

大宮の疲れが来る後半の20分以降であれば、少しずつスペースが出来はじめると読んで、
リスクがあることは承知しつつも、流れを変えられる原口のドリブルに賭けたんでしょうね。

ただ、残念ながら賭けに負けました。
この後、試合はさらに停滞感を強めます。

後半30分には、マルシオ・リシャルデス→山田直輝と交代させましたが、
これも功を奏さず。
山田直輝は必死に走り回わっていましたが、何をしたいのかが不明瞭。
ゲームメイクなのかチャンスメイクなのか?
焦って1人で空回っていました。
若さが出たと思います。

一方、大宮は運動量の落ちた選手を次々に交代させて、攻守のバランスを崩しません。

このまま0-0でタイムアップ?

そんな雰囲気が流れ始めた後半38分。
大宮が、自陣の左サイドで奪ったボールを縦に出します。
ロングボールです。
これを、大宮MFの橋本がうまく収めます。
突然のカウンター、突然のゴールチャンスです。

そのままハイクロスを上げます。
正確なクロスです。

ゴール前に走り込んできたのは、FWラファエル。
ジャンプします。
高ーーーい!
浦和のCB永井と濱田に挟まれながら、頭ひとつ抜け出ます。

GK加藤は、前に出られません。

ラファエルのヘディングは完璧でした。
ゴール、0-1!

まさかのまさかです。
浦和の守備は非常に良く、ここまでカウンターもことごとく潰してきたのに、この時間帯にまさか。

橋本にクロスを上げられたのはしょうがないにしても、
CB2枚がマークしているのに、完璧にクロスに合わせられたのは痛恨でしょう。
この試合、浦和守備陣の唯一のミスと言っていいのではないでしょうか。

その後、大宮はハッキリとした戦い方に移行します。
前の選手はボールをキープ。
後ろの選手は、ボールホルダーに前からプレスを掛けて、大きくクリア。

それまで、引いてスペースを消す戦い方をしていた大宮ですが、それだと
押し切られる可能性があると考えたのでしょう。
積極的に人にチェックに行くようになりました。

突然のプレスに戸惑う浦和の選手。
何とかプレスを掻いくぐっても、すぐに次の選手にボールを奪われ、クリアされます。

これが「残留力」と呼ばれる大宮の底力でしょうか。
ゲームをクローズさせる巧さは、好調時の鹿島に通じるものがありました。

ロスタイムは4分とかなり長かったのですが、それも危なげなくしのぎ切り、タイムアップ。

大宮は勝ち点を35に伸ばして13位に浮上、浦和は勝ち点29のままで降格圏16位に落ちました。

結果的は、大宮が勝ちました。
ただ、浦和の守備はかなり良かったし、攻撃面でも前半を中心に良いシーンも何回かありました。
大宮に少しツキがあり、それが勝敗を分けたに過ぎません。

特に、守備が良かったです。
この守備を続けられるなら、浦和はこの先も、そうそう先取点を取られることはないでしょう。
勝つチャンスも十分生まれてきます。

大切なのは、いまの戦い方を熟成させることです。
残り5試合しかないのに、変にイジると混乱するだけです。

ただ。
浦和サポーターの圧力に負けて、バランスを崩して攻撃に出そうな気がするんですよね、
ペトロビッチ監督が。
この試合に負けたショックで辞意を表明したそうですし、
『耐えてジリ貧に陥るよりは、
 サポーターの言う通り最後は攻撃的に!』

という気持ちになってもおかしくありません。

負けが込んでいるところに、浦和クラスの強大なサポーターに圧力を掛けられると、
冷静な判断ができなくなる監督は多いです。
だからこそ、監督には経験が重要になります。

次節の浦和の相手は、アウェイでの横浜Fマリノス。
マリノスは調子を落としていますが、守備が堅いところは変わっていません。
もし浦和が攻撃的に出たら、カウンターに晒されるのは必至です。
復帰した俊輔に精度の高いパスを出されたら、かなり苦しい戦いになるでしょう。
マリノスのFWは、足の速い小野裕二や大黒ですし、浦和のCBは、スピードに少し難がありますから。

残り5試合もあるのですから、まずは勝ち点1を積み上げることが重要です。
願わくば、ペトロビッチ監督には冷静な判断をして欲しいです。

でも、オフトならともかく、ペトロビッチ監督には無理だろうなぁ。。。
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