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ラニエリがインテルの新監督に就任して3試合目。
ホームでのナポリ戦を迎えました。

右SBのマイコンがケガから復帰したため、ラニエリ監督の下では右SBとして
起用されていた長友は、ベンチスタートとなりました。
また、左SBとしては3試合連続でキヴが先発しました。

長友の本来のポジションは左SBですし、昨季(チェゼーナ、インテル)でも
原則左SBで起用されていたのに、ラニエリ監督は左SBでは起用しません。
キヴの方が優先されています。

長友ファンの方々から

「なんで? 守備じゃ長友は1対1じゃ抜かれないし、スピードを生かして前線に上がって
 攻撃にも参加するし、サイドでの上下動の運動量だってハンパじゃない。
 SBとしては理想的。
 1対1でポカをするキヴより、長友の方が左SBとしては上じゃん!」

「ラニエリは保守的なんだよなぁ。ほんとベテラン好きで困る。
 見る目ないよね。左SB専門じゃないキヴより、専門職の長友の方がいいのに」


という声が聞こえてきます。

特に、3日前のCLのCSKAモスクワ戦では、股抜き&高速クロスからのアシストを決めて
攻撃力を大きくアピールしました。
試合後、そのアシストの賞賛にからめてラニエリ監督がマスコミに

「ここまで非常によくやってくれた。信頼している。
 マイコン同様にスタメンを張れる存在と考えてほしい」

という趣旨の発言をしたほどです。
多くの方は、これでSBの格付けは済んだ、次の試合でマイコンが右SBに復帰したら、
左SBの先発は長友だろう、と考えたと思います。
いくつかのスポーツ紙も、そういった記事を書いていました。

しかし、次の試合(ナポリ戦)で先発したのはキヴ。
「え、なぜ???」
と思った方も多いんじゃないでしょうか。

実は、私は、マイコンが復帰したら長友はサブに回るんじゃないか、キヴが左SBとして
先発し続けるんじゃないか、と思っていました。
確信はありませんでしたが、感覚的には70%くらいの確率でそうなるんじゃないかと。

なぜなら、ラニエリの視点では、左SBとしてはキヴ>長友だと認識しているように見えたからです。
ラニエリが就任1~2戦目でキヴを左SBに据えたのは、右SBのマイコンがケガなので
長友を右SBに据えざるを得なかった、という理由からではありません。
単に、左SBとしてはキヴの方が長友より優れている、という評価をしていたからだと思います。

「えぇ?? おかしいって。キヴより長友の方がいいに決まってるじゃん!」

そうでしょうか?
何にポイントを置いて見るかで評価は変わります。

私は、日本人のSB理想像はちょっと偏っていると思っています。
一面的と言うか。
ある特定のタイプのSBが良いSBで、そのタイプから外れるSBについては、
能力が低いと烙印が押されることが多いような気がします。

そのタイプとは、

①サイドを何度も上下動できる(=運動量が多い)
②1対1の守備が強い
③前線に駆け上がって、正確なクロスを入れることできる。

の3つが得意なSB。
そういうSBが優れたSBだと認識されてきたと思います。

例えば、これまでの日本代表で言えば、

・加地  (ガンバ大阪)
・駒野  (ジュビロ磐田)
・名良橋(元鹿島アントラーズ)

が名SBとして評価されてきたのは、上記の3つのうち2つ、もしくは3つとも
質が高いSBだったからでしょう。

もちろん、それは正しい考え方の1つです。
上記3つの質が高ければ、良いSBであることは間違いないでしょう。

ですが、その他のSBは駄目なSBなのか。
そうではないと思います。

例えば、内田は、③はともかく①と②についてはちょっと課題を抱えています。
だからこそ、世間的にSBとしては長友>内田、的な評価をされることが多いです。
(所属するクラブの格は関係ありません。長友がインテルに移籍する以前から
 世間的にはそういう評価でした)

いまだに、内田のSBは頼りない、と言われることが多いのがその証拠です。

ですが、私的には内田と長友は甲乙つけがたいSBだと思っています。
①・②については長友の能力が内田を上回っているでしょうが、③では内田が上ですし、
それ以外の面でも、内田が長友を凌駕している部分がいくつもあるからです。

そして。
同様にキヴも、ある面では長友を凌駕しています。

まず、最初に挙げられるのがポジショニングです。
長友は、なまじ1対1の守備が強いので、多少ポジショニングに難があります。
イメージとしては、欧州トップレベルのSBが10回のうち1回ポジショニングミスをするとしたら、
長友は10回のうち2回はポジショニングミスをしています。

1回も2回も大して変わらないじゃん、と言うなかれ。
別の言い方をすれば、長友は欧州トップレベルのSBと比べると、2倍のポジショングミスを
しているわけです。

ナポリ戦では、前半43分にキヴがケガをしたたため、急きょ長友が左SBに入りました。
この試合の後半、長友が致命的な判断ミスをして、試合を決める2点目を失いました。

ですが、これは個人戦術上のミスなので、まぁ二度と繰り返すことはないでしょう。
リーグトップをひた走るナポリ相手にホームで負けたのは本当に痛いですが、
シーズン序盤で良い教訓を得たとも言えます。

この試合で本当に問題だったのは、長友の守備時のポジショニングです。
3失点目は、左SB長友と右SBマイコンのポジショニングミスが原因でした。

インテルがバイタルエリアで守備をしている際に、CBルシオが少し前に出ました。
このとき、長友とマイコンは前に出ませんでした。
50cm~1mほどルシオの後ろにおり、最終ラインが一列に揃ってない状態になりました。

そのとき、ナポリの選手がど真ん中から裏を取り、スルーパスが通って3得点目を決めました。

長友とマイコンがルシオに追随してポジショニングを変えなかったため、オフサイドを取れずに
スルーパスが通ってしまいました。
ぶっちゃけ、最終ラインが揃っていなかったら、中央にスルーパスを通すことは容易です。

そして、この3失点目を喫する少し前にも、長友がルシオのポジショニングに追随し損ねて
オフサイドをもらえず、中央で裏を取られたことがありました。
そのときは、裏を取った選手を何とかGKが抑えたので、失点にはつながりませんでしたが。

こういった致命的なポジショニングミスだけでなく、細かいミスもありました。
ボールを持った相手選手が、長友を食いつかせて(=近寄らさせて)裏にスペースを作り、
そこにパスを出そうとしているのがミエミエなのに、フラフラと食いついてしまったり。
ワンツーで抜かれた後、なんとなく後ろから追いかけるように走っていましたが、
いったい何をケアしてして追走しているのか分からなかったり。
(ボールを持った選手に背後からは当たりに行けないので、パスコースを切ったり、
 パスを受けそうな選手をチェックしながら追走する方が良い)

キヴのポジショニングが完璧だとは言いませんが、長友よりキヴの方が
こういったミスが少ないのは確かだと思います。

戦術の国イタリアにおいて、さらに組織的な守備戦術を重視するラニエリ監督にとっては、
長友の1対1での守備能力を認めつつも、キヴを優先させるのは当然のことなのでしょう。

そして、もう1つキヴが長友を凌駕している点があります。
それは身長です。

日本では、SBに身長を求めない風潮が強いです。
そして、欧州全体で見ても、身長にこだわらずにSBを起用するクラブは数多くあります。

ですが、セリエAはちょっと違います。
主流だとは言いませんが、ときどきSBに身長や体格を求めるクラブが出てきます。
守備的なセリエAにおいても、特に守備重視の戦術を採るクラブがそうなりやすいです。

まさに、いまのインテルの状況に合致しています。

インテルの場合、右SBのマイコンがしばしば前に上がっていくので、
後ろが3バック状態になることがよくあります。
もし、3バック状態のときにカウンターを受けると、サイドからクロスを
上げる相手選手に対してプレッシャーを掛けるのは難しい。
自然、精度の高いクロスが中央に入ってきます。

この精度の高いハイクロスを中央で弾き返すには、CBのような守備ができる選手が望ましい、
という訳です。
つまり、背が高い選手です。

キヴの身長は184cm、長友は公称170cm(ただし、多少サバを読んでおり、
実際には167~168cmと言われている)ですから、そういった考え方で左SBを選ぶのなら、
キヴの方が長友よりも適任となります。

ラニエリ監督は、おそらくこういった考え方をしているので、キヴを左SBの第1選択肢として
見ているのでしょう。

ただ、ナポリ戦でキヴが負傷交代していましたから、もしかすると、次戦は長友が先発かも
しれません。

身長はどうにもならないにしろ、ポジショニングについては以前からの課題ですから、
貪欲に改善に取り組んでいって欲しいです。
そして、守備的な監督の下でも普通に先発で使われるようになって欲しいな、と思います。
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