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2011.10.01 人を育てる
サッカーに関係あるような、無いような話題です。

アーセナルを見ていると、人を育てることの難しさと素晴らしさを感じます。

たぶん、サッカーでも普通の仕事でも、人を育てようとするとなかなか困難を伴います。

監督や上司や先輩は、ほとんどの場合は選手や部下・後輩を選ぶことはできません。
サッカーの場合は、フロントが選手を取ってきますし、仕事の場合は自分の上司や人事部が
人を割り当ててきます。

人を育てる場合、まずは基本を教えます。
そこまでは、何とかなります。
問題はその次の段階です。

もし、その人を飛躍的に育てようとするなら、難しい仕事を割り当てるのが一番です。
自分で必死に工夫しますから、易しい仕事を割り当てるよりも、はるかに成長が早いのが普通です。

ですが、それにはリスクがあります。

①経験の薄い人が難しい仕事に取り組むと、どうしてもいくつも失敗をしてしまうので、
  いくら監督や上司・先輩がフォローしても、チーム全体の成績が落ちることが
  ほとんどです。
  上司・先輩が部下・後輩をフォローする時間を他の仕事に充てていれば、
  チーム全体の成績を維持したり、伸ばすことができたはずなのに。

②また、難しい仕事なだけに結果が出ないと、本人のモチベーションが落ちてしまったり、
  思ったほど成長しない場合もあります。


実際、私は①を何回か経験をしたことがあって、短期的にはチーム成績が伸びなかったため、
自分が別の部署に飛ばされたことがあります(人事部に)。
後悔はしていませんが、事実としてそういうことはあります。

②は、個人的にはあまり経験がありませんが、そういう人は知っています。


一方、難しい仕事をいきなり与えるのではなく、易しい仕事から少しずつチャレンジして
もらう方法もあります。
常に監督(上司や先輩)が指導したり、フォローしながら。

この方法はリスクが少ないです。
チーム成績は落ちにくいですし、選手(部下・後輩)は一歩一歩着実に成長していきます。

ただ、短期的にはリスクは少ないのですが、別の問題があります。
まず、伸び盛りだった選手(部下・後輩)の伸びが遅いので、ある程度の能力で
頭打ちしてしまいやすいことです。

サッカーでも仕事でも、若い時はものすごく伸びますが、年齢を重ねると
どうしても伸びにくくなります。
別の言い方をすれば、100点満点のテストで30点しか取れない学生さんを75点取るように
指導するのは何とかなりますが、75点の人に90点取らせようと思うと、30点→75点よりも
はるかに苦労します。
なのに、30点→75点の指導に時間を掛けていると、75点→90点に伸ばそうとしている間に
定年が来てしまったりします(^^;

また、もう1つ問題があります。
急激にではありませんが、チーム成績がジリジリと落ちていく点です。
私の周りのチームをいくつか見ていると、若手の成長が遅い場合、3年経つと、
チーム成績が落ちていることが誰の目にも分かるようになります。
サッカーで言えば、常に優勝争いをしていたクラブが中位に落ちる感じでしょうか。

理由はいくつかあるでしょうが、
・中堅、ベテランが何らかの理由(転職、異動、定年等)でチームから抜ける。
・若手の突き上げがないので、中堅やベテランの仕事の仕方がどこかルーティンになり、
 少しずつ成績が下がる。
というのが主な理由のような気がします。

そういうわけで、易しい仕事から順々に与えながら地道に育てる方法だけでは、
選手(部下・後輩)のためにも、中期的なチーム成績のためにも良くありません。

そうなると。
監督という中間管理職は、どうしても二律相反に悩まされます。
リスクを取って若手を育てるか、ジリ貧とは言え自分の評価を大きく下げないために、
地道に育てるか。

仕事をしていると、実は後者のタイプの中間管理職はごまんといることが分かります。
なぜなら、家族を守らなくちゃいけないからです。
自分自身のプライドを守るため、という方もたまにはいらっしゃいますが、
大抵は家族のためです。
私自身も飛ばされたときに、
「家族のことを考えたら、本当にこれで良かったのかな?」
と悩んだこともあります。

まぁ、ぶっちゃけ当時は若かったので、リスクを取って若手を育ててチーム成績が下がると、
自分が飛ばされることになる、ということがきちんと分かっていなかった部分もあります

ですが、私自身はやっぱり前者のタイプの人の育て方がしたい、と思っていて、
状況に応じて後者も織り交ぜはしますが、基本的なスタンスは変わっていません。
前者のやり方が上手くいって、若手が飛躍的に伸びた時のうれしさといったら、
言葉にはできないほどだからです。

たぶん、このことを奥さんに言ったら、怒られるんだろうな。
「人を育てながら、チーム成績も出せるように頑張りなさいよ!」
って。

ただ、私は自分が育てた人たちが5年後に大きく羽ばたくような育て方をしている
つもりなので、短期的にはチーム成績にほとんど貢献しないんですよね。

どおりで飛ばされたり、出世から遠ざかるわけだ。

ある意味、ちょっとカッコつけてるわけです。
家族に犠牲を強いながら。
でも、一応何とか食っていけてるので、いまのスタンスは変える気がありません。
それが、本当の意味での会社への貢献にもなると思っているし。

楽天の野村元監督が好きな言葉に
『財を残すは下、仕事を残すは中、人を残すを上とす』
というのがあります。
私も、何とか人を残したいです。

だから、私はベンゲル監督を尊敬しています。
彼は、人を育て、人を残します。
アーセナルに残すのはもちろん、欧州サッカー界全体に、です。

その上、CL決勝トーナメントへの進出を8年連続で達成する、というチーム成績をも
残しています。
ここしばらくタイトルがないとは言え、常に人を育てながら、欧州でもトップクラスの
成績をあげ続けている訳です。

いまの私には、とてもできない芸当です。
どうやったら人を育てながら、チーム成績も残せるのか。
日々、それを試行錯誤しています。
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