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あけましておめでとうございます。
今年も、おもしろいサッカーをたくさん見たいと思います。
できれば、アーセナルのビッグイヤー獲得と日本代表のコパ・アメリカ優勝を見れたらいいなぁ。

そんなわけで。
天皇杯決勝を見ました。
鹿島のほぼ完勝でしたね。

ちょっと残念なのは、いくつかの記事やブログを見る限り、ほとんどが

「鹿島のしたたかさ」
「勝者のメンタリティ」
「試合巧者の鹿島」

みたいな曖昧な表現ばかりだったんですよね。(某ブログを除く。)

どうしたたかで、どう巧者かだったのかが、全く分かりません。

勝者のメンタリティって言われてもね…。
清水のメンタルは、そんなに弱かったですかね?
どこを見て、鹿島のメンタルの方が上だと判断したのでしょうか?

私には、鹿島が勝ったから、そう言ってるだけにしか見えません。

仮に鹿島が負けていたら、
「メンタルは鹿島が勝っていたが、○○(例:テクニック)は清水が上だったから清水が勝った」
とでも書くのでしょうか?

勝者のメンタリティって言葉は、少しズルい。

鹿島にも清水にも失礼だと思います。


鹿島が勝った最大の理由は、清水の弱点を突く(長所を出させない)戦術を徹底したからです。
同時に、鹿島の長所を生かすことにも直結させていました。
今季、鹿島は清水に1分1敗と分が悪いからか、清水をよく研究していたと思います。

清水の特徴は、4-1-2-3からのサイド攻撃にあります。
ボールを素早くサイドに出して、縦に速く持ち上がる。
それが、清水の攻撃の生命線。

鹿島は、その生命線に二重に網を張りました。

まず、サイド(小野伸二、山本真希)にいい形でボールを出させないことを最優先させます。
そのために、清水の最終ライン4人+アンカー本田拓也にプレスを掛けました。
多くの人数を割いて。

4-4-2の鹿島の選手が、清水陣内に5人も6人もいる異常な前プレ(前からのプレス)です。

元々、清水の最終ライン+本田拓也は、それほど足元があるわけではないので、
このプレスは非常によく効きます。
清水は、いい形でサイドにボールを出せません。

それどころか、自陣でボールを奪われてショートカウンターを浴びてしまいます。

鹿島の5~6人が極端な前プレするということは、中盤がぽっかりと空くことを示していて、
普通はやらない愚策なのですが、清水のGK山本海人を含めて足元がないのを
見抜いていたんでしょう。
この策がハマって、鹿島が完全にゲームを支配します。

サイドにボールが出せない清水は、後ろからロングボールをヨンセンに合わせようとしますが、
最終ライン+本田拓也に足元がない上にプレスを受けているので、精度の悪いボールしか出てきません。

このため、ずっと鹿島がペースを握り続けます。

前半、鹿島が点を取ったのはCKからでしたが、流れの中からも何度もいい形を作り、
シュート6本中5本が枠内というシュート精度見せました。
ゴールの近くまでボールを運んでシュートを打ったからです。

鹿島は、ときどき理詰めで相手を叩きのめしますが、この試合の前半は正にそうでしたね。

オリヴェイラ監督は、スカウティングを元に、相手の弱点を突く緻密な戦術を取ることに
長けています。
欧州では、こういうことができる監督はときどき見かけますが、いまのJでは
オリヴェイラ監督以外にいないのではないでしょうか。

ここらへんが、自分のチームの長所を発揮するだけに捕われやすいJの若い40代監督たちとの違いでしょう。
長谷川健太監督とオリヴェイラ監督との差、と言っていいと思います。
清水は、前半途中では修正ができませんでしたから。

後半、清水はビルドアップの改善を図るため、4-1-4-1と言うか4-4-1-1と言うか
フォーメーションを変更し、1:9だった流れを5:5くらいまで引き戻します。

低い位置に小野と山本真希や藤本・岡崎が下がってきて、サイドでのボールの繋ぎや
前線への持ち上がり(ビルドアップ)に協力し始めたため、やっとサイド攻撃が機能し始めます。

ですが。
そこに、鹿島の2枚目の網が待ち構えていました。

きれいに3列が並ぶフラットな4-4-2と鹿島特有の切り替えの速さです。

フラットな4-4-2の場合、サイドも中央も縦にMFとDFが並ぶ(4-4)ので、守りが堅いです。
特に、サイドを縦に突破しようとする清水のようなチームには。

清水がサイドからのビルドアップを改善したため、前プレが利かなくなって鹿島は引かざるを得なくなります。
しかし、清水はサイドでボールを持てるようにこそなりましたが、最後の突破は許してもらえません。
逆に、素早い切り替えからカウンターを見舞われます。

それなら、と、小野がサイドからファーへ山なりのクロスをヨンセンに合わせますが、
これも鹿島の想定の範囲内。
簡単に、とは言いませんが、きちんと弾き出します。
試合展開は五分五分です。

このまましばらく膠着状態が続くのかとと思いきや、鹿島が致命的なミス。

少し最終ラインが高くなっているときに、ハーフウェイライン近くで本田拓也にフリーで
ボールを持たせてしまいました。
すかさず、ふわりと縦パスを入れる本田。
さすがにフリーだと、精度が高い。
同時にヨンセンが裏に抜け出します。

ヨンセンも岡崎もオフサイドっぽい感じでしたが、審判は流し、ヨンセンが足先に
ちょんと当ててゴール。

同点です。

清水が、鹿島の一瞬の隙を突きました。
鹿島としては、ほぼ完璧に清水を抑えてきただけに悔しい失点です。

すかさず、鹿島は切り札の本山を投入。
鹿島の常套手段とは言え、投入のタイミングが素晴らしい。
やるぅ、オリヴェイラ監督。

清水は高い位置からプレスを掛けようとしますが、これがハマりません。
鹿島は、元々低い位置での切り替えが速いことに加え、鹿島は低い位置に4-4の8人が
いるのに対し、清水がプレスに行くのは5人。
鹿島は、あっさりと清水のプレスをかわし、前目にいる本山にボールを入れます。

基本は縦に速い攻撃ですが、本山を経由すると攻めるコースが多彩になります。
サイドだったり、中央だったり。

そこで、興梠・大迫が裏に走り込みます。

サイド一辺倒の清水との違いは、ここだと思います。

清水は前から守備をしたい(攻撃的に行きたい)意識が強すぎて、中盤にスペースがあるため、
なかなか鹿島の縦に速い攻撃を止められません。

ポゼッション指向のガンバ(準決勝)とカウンター指向の鹿島に対して、
守備のやり方が一緒なのはどうなんでしょうね?

その結果、試合のペースは清水3:鹿島7くらいになってしまい、鹿島が勝ち越し点を
入れるのは時間の問題のように見えました。

「清水は、一旦引いて鹿島にボールを持たせればいいのに。」

そう思いました。

前線には、キープ力のあるヨンセンと速い岡崎がいるので、普通にカウンター狙っても効果的です。
また、興梠・大迫は裏狙いは得意ですが足元はさほどでもないので、引いてスペースを埋めれば、
脅威はかなり減るはず。

そういった戦術変更が柔軟にできるチームかどうかは、やはり監督がチームを
どう作ってきたかに依存します。
清水は、残念ながらそういうチームになっていないようです。

そうは言っても、長谷川監督も守備に問題があるのは感じていて、山本真希→伊東に交代。
しかし、鹿島優位は変わらず。

気持ちは分かるけど、守備戦術が一緒なら、人を代えても効果は薄いですって。
守り方を変えようよ、長谷川監督。

そして、結局。
鹿島が有利な展開の延長線上で、FKをゲット。
野沢がこれを鮮やかに決め、鹿島が勝ち越します。

後は、鹿島得意の"試合を殺す"スキルが発揮されて試合終了。

清水も頑張ったんですが、鹿島が一枚上手でしたね。

戦術は、本来、自チームの長所を生かし相手の弱点を突くもの。
そのお手本のような試合でしたね。
こういう試合をJでも、もっと見れるといいな。
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