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私は、浦和レッズのフィンケ監督の続投を望んでいます。
浦和フロントが、フィンケのような有能な監督を契約満了で退任させることが
ないようにして欲しい、と強く思っています。

しかし、その私から見ても、エルゴラの古屋恭平氏の記事はひどいです。
11/24・25日号に掲載された『浦和レッズ、いまそこにある危機 Vol.1』という
記事のことです。

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内容を要約すると、古屋氏は

「浦和フロントには、フィンケ監督を辞めさせようとする問題のある人たちがいる。
 でも、フィンケ監督は悪くない。
 浦和は、クラブ収入が多い割に選手に掛けられる費用(年棒等)が少ない。
 それなのにフィンケ監督はよくやっている。
 また、今シーズンはケガ人がたくさん出たという不可抗力のために
 今のような成績になった」

ということを言いたいようです。

しかし、この記事は、ジャーナリズムという観点からも、
浦和レッズの経営に切り込むには分析が甘い、という点からも、
底の浅いものになってしまっています。
まだ、28歳と若いからしょうがないのかもしれませんが、
こういった記事でメシを食っている以上、もう少し研鑽を積んでいただきたいですね。

この記事の一番がっかりするところは、浦和の現状を分析する視点に、
センスが感じられないことです。

古屋氏が、この記事で一番主張したいことは
「みんな知らないと思うけど、浦和の人件費って意外と少ないんだよ。
 でも、その中でフィンケは頑張ってるんだぜ!」
ということでしょうが、それがフィンケ監督の続投をさせる本質的な理由に
なるのでしょうか?

古屋氏は、
「浦和が選手たちに掛けている人件費は年間予算の約30%に過ぎないが、
 その他のクラブは50%の水準を確保できる」
という意味のことを書いています。

しかし、これは言葉のマジックに過ぎません。

Jリーグが公表した2009年度の各クラブの経営状況を見ると、
浦和が監督・選手たちに費やす人件費は24.6億円となっています。
これは、J1の18クラブの中では最高額です。

古屋氏は割合(%)を使っているので、浦和が他のクラブより少ない人件費しか
使えないような印象を与えていますが、絶対値で見れば、
浦和はJ1平均と比べると、十分に豊かなクラブであることが分かります。

一方、魅力的なパスサッカーを展開している広島の人件費は、わずか13.1億円
浦和の約半分にしか過ぎません。
そして、2009シーズンの順位は広島の方が上です。

これでも、フィンケ浦和は、少ない資金でチームを運営していると言ってよいのでしょうか。

また、古屋氏は
「橋本新社長の方針の下、フィンケ監督は高額年棒の選手を切った」
というようなことを書いていますが、本当でしょうか?

阿部を除けば、フィンケ監督は自分のサッカーに不必要な選手を切った
(もしくは選手から切られた)だけで、それは年棒の多寡とは
ほとんど関係ありません。

高原や三都主は、当時、著しく調子を落としており、
またフィンケサッカーに合わないことから移籍を
余儀なくされただけに過ぎません。
闘莉王に至っては、「フィンケ監督が彼を切った」と言うより、
「闘莉王がフィンケ監督を見限った」、というのが正しい解釈だと思います。

また、フィンケ監督は、阿部には移籍して欲しくなかったでしょうが、
”ポスト阿部”である日本代表の細貝がその代わりを十分に果たしており、
阿部がいない影響はほとんど感じられません。


さらに、ケガ人に関しても似たようなことが言えます。
山田直輝のケガは確かに痛かったかもしれませんが、しかし、山田も
2年目の20~21歳と若い経験のない選手です。
ケガがなかったからと言って、どこまで安定して活躍できたか?

※誤解のないように言っておきますが、私は若手では山田直輝が
 最も才能の豊かな選手だと思っています。
 ガンバの宇佐美選手以上に。

また、梅のケガは昨シーズンからのことであって、監督としては
十分予想の範囲内のはずです。
それを予想できない監督(マネージャー)は、プロでは考えられません。

その他の選手のケガについては、記事では”長期離脱”と書いていますが、
この程度の離脱はどこのクラブにも普通にあります。

エジミウソンという得点王争いをしているFWがおり、
柏木という若手トップクラスの才能豊かな選手がおり、
ポンテという経験豊かな素晴らしいベテランもおり、
田中達也という中堅もおり、高橋峻希、原口、宇賀神という
才気あふれる若手も頭角を現してきています。

CBを除けば、他のクラブと比べて選手の粒は揃っています。

それどころか、ある程度、中堅~ベテランがケガしたことで、
若手中心の起用を実現させることができました。
その結果、頭の柔らかい若手に対して、比較的早く
フィンケ監督の考えるコンビネーションサッカーをチームに
展開できたと言って良いでしょう。

具体的には、高橋峻希や宇賀神に様々なポジションを
経験させることで、ポリバレントなサッカーができるように
育成しました。

もし、中堅~ベテランのケガなければ、そのような起用ができたか
どうか?
実力のある中堅~ベテランをベンチに置いておき過ぎると、
チームの雰囲気が悪くなってしまいますから。
いくら若手重視とは言っても、彼らのケガが無ければ、ここまで
大胆に若手を使うことは難しかったでしょう。

それでもまだケガ人が多かったのが今シーズンの浦和の不調の
原因だった、と言うのであれば、フィンケ監督がそのような起用を
したことにも責任もあるでしょう。
また、ケガの頻発(?)を回避する対策が十分でなかったことに
ついても、フィンケ監督には責任があるはずです。

その点について、古屋氏は記事では全く触れていません。
「不可抗力だ」としか書いておらず、非常にバランスを欠いた記事に
なっています。


費用の話にしても、ケガの話にしても、古屋氏の記事から透けて見えるのは
「もっと人件費があれば、フィンケ監督は良い成績を収められたのに」
という主張です。

本当にそうですか?

もっとお金があっても、同じ成績しか収められなかった可能性が高い、
と考える方が自然ではないでしょうか。

今シーズンの浦和が良い成績を収められなかったのは、
縦ポンサッカーからコンビネーションサッカーに移るための
生みの苦しみであって、お金が無かったからではありません。
それどころか、J1の18クラブで最もお金を遣っています。

また、別の視点から考えます。
逆に、もっとお金があったとしましょう。
そして、そのお金は何に使うのでしょうか。

移籍で選手を取ってくるのならば、フィンケ以前の浦和と
何も変わらないでしょう。
そうやって勝つのが、今シーズンの浦和のテーマだったのでしょうか?

そうではありませんよね。

ジャーナリストとして浦和の収支構造に着目したのはおもしろいと
思いますが、それを「フィンケ監督は続投させるべきだ」という論調と
結びつけるのは、あまりにも底が浅いと言わざるを得ません。


今シーズンに結果が出ないかもしれないのは、シーズン当初から
織り込み済みだったはずで、シーズン当初にACL圏内を目標にしたことに
ついても、あくまで目標であり、ノルマではありませんでした。

成績(順位)が悪かったから結果責任を取らせてフィンケを退任させる、
というのは理屈に合いませんし、浦和フロントもそういう理由では
退任させなでしょう。

ただ、責任は負わせなくても、来シーズンに優勝争いができるかどうか
(=観客動員数を増やせるかどうか)は、不安に思うとは思います。

ですから、もし、フィンケ監督を退任させたい勢力に対して、
それが正当でないと言いたいなら、フィンケ監督がピッチ内で見せる
コンビネーションサッカーは着実に進歩しており、来シーズンは
必ず優勝争いができる、ということを記事にすべきです。

「こんなに良いサッカーをしつつあるのに、フィンケ監督を退任に
 追い込むのは、おかしい!」

そういう主張をせずに、お金の話からフィンケ監督の正当性を
主張するのは、本質から外れています。

私見ですが、古屋氏はジャーナリストと言うより、浦和サポーターが
そのまま記者になってしまった感じですね。

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