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最近、「日本はスペインを目指した方がいい」的な論調が日本サッカー界を席巻しつつあるように感じます。

例えば、日本サッカー協会は、スペインサッカー連盟とパートナーシップ契約を結んで、育成スペシャリストを養成する機関の設立と運営に対して人的支援・技術支援を受けることになりました。

また、必ずしも身体の大きい選手ばかりでないスペイン人が、スペイン代表や3大リーグのリーガ・エスパニョーラで活躍しているのを見て、
「日本人の体格は、スペイン人と似ている。
だから、スペインのように技術を生かしたサッカーを!」
と仰る方が増えているようです。

しかし、それは本当に正しいのでしょうか?

残念ながら、私にはイメージだけが先行した考え方のように感じます。

もちろん、リーガ・エスパニョーラに詳しく、心底スペインを目指すべきだと考えてらっしゃる方もいるでしょう。
しかし、大部分の方は、そうでは無いのではありませんか?

日本人のスペイン信仰(!?)は、バルサから来ている気がしてなりません。

バルサの絶対的な中盤、シャビとイニエスタ。
彼らは、スペイン代表としても中盤の要として君臨し、ユーロ2008で優勝しています。
そして、言うまでもなく、バルサでは6冠。

中盤好きな日本人には、インパクト大です。

しかも、バルサのカンテラ育ちには、アーセナルのエースでスペイン代表のセスク、バルサで才能を開花させつつあるボージャン等、有名な選手が目白押しです。

スペインすげぇ!、といった印象が強いのはわかります。

ですが、当然のことながら、バルサ=スペインではありません。

つまり、"小さくてもテクニックで勝つ"="スペイン"という方程式は、成り立たない。

まず、バルサが強いのは、シャビとイニエスタだけのおかげではないことを思い出す必要があります。

バルサの強さの源泉は、多国籍軍であることです。
現在のベストの前線、アンリ・イブラヒモビッチ・メッシは、いずれもスペイン人ではありません。

ここ10年で考えても、バルサが良い成績を収めたときは、必ず外国人が活躍しています。
エトー、ロナウジーニョ、リバウド、(元祖)ロナウド。

そして、彼らは、みな技術に秀でた小兵、というわけではありません。
確かに技術はありますが、スピード・パワー等、身体能力にも優れた選手ばかりです。

さらに、今の4-3-3バルサにおいて、シャビとイニエスタを活かすもう1人のMF、ヤヤ・トゥーレやブスケツはいずれも身体が大きい。
ヤヤ・トゥーレは191cm、ブスケツでさえ189cmです。

バルサは、身体能力が低くても技術が凄いから強い、という印象は、必ずしも正しいとは言えないと思うのです。
チーム全体として見た場合、技術と身体能力を上手く融合させているから強い。

同じことが、スペイン代表についても言えます。
ユーロ2008の影のMVPと言われるMFマルコス・セナは、身長こそさほどでもないてすが、非常に身体が強い。
彼が中盤の底にいてゴールに鍵を掛け、かつボールを捌いたからこそスペインが優勝したと言っても過言ではありません。

そして、大きくて速いF・トーレス、体幹が強くて少々の接触を歯牙にも掛けないビジャ。
技術だけでなく、身体能力がある選手が揃ったからからこそ、スペインは強かったのです。

ユーロ2008以前のスペイン代表は、その地域性のためにチームワークがなく勝てなかった、と言われますが、それに加えて技術偏重すぎました。

例えば、日韓W杯のスペイン代表は、確かに足元は巧かったですが、それ以上ではなかった。
直前の欧州CLで、レアル・マドリードが技術・フィジカルの高度な融合を見せて優勝したのとは対照的に、スペイン代表はこねてばかりで、スピードとパワーに欠け、迫力が足りませんでした。
ラウールがいなければ、ベスト8に進めていたかどうか?

2002年当時、リーガ・エスパニョーラは既にセリエAをしのぎ、世界最強リーグと言われていましたが、スペイン代表はそこまで強くはなかった、と言っていいと思います。
その印象は、ベスト16止まりだった2006年ドイツW杯のプレーを見ても変わりません。

日本で、スペインの評価が飛躍的に高まったのは、バルサにロナウジーニョが加わって以降でしょう。

それまでは、リーガ・エスパニョーラで活躍する日本人がいないこともあり、マスコミがレアル・マドリード以外のクラブやスペイン代表を取り上げることは、あまり多くありませんでした。
バルサでロナウドやリバウドが見せた素晴らしいプレーを知る人は、かなり少ないと思います。
(YouTubeみたいなハイライト映像を除いて)

まとめると、マスコミに小兵で巧いシャビやイニエスタのイメージを強く刷り込まれて、「日本はスペインを目指すべきだ」と言ってる方が多いのでは?

セビージャやバレンシア、ビジャ・レアル、デポルティーボがどんなサッカーをしてるか知っていて、その上でスペインを目指すべき、と言っているのでしょうか?

もし、そうでないなら、"日本はスペインを目指すべき"と単純に考えるのは、非常に危ういと思います。

日本人に向いたサッカーをしているはずのリーガ・エスパニョーラに、日本人選手が定着しないのは、大きな矛盾だとは思いませんか?

私は、日本は日本独自のサッカーを目指すべきだと思うし、どうしても外国をまねる必要があるなら、小兵の多いメキシコをまねるべきだと思います。
メキシコは、非常に足元が巧い上に、小さいながら体幹が強く倒れません。
そして、パスとドリブルが融合した攻撃的なサッカーを展開します。
ドイツW杯でのベストバウト(戦い)は、メキシコ対アルゼンチンだった言う人も多いほどです。

また、若い世代の育成を充実させたいなら、日本サッカー協会はもっと一貫性を貫くべきです。
アンリらを生み出したフランスの国立サッカーアカデミーを真似て、JFAアカデミー福島を作ってから、まだ4年も経っていません。
このアカデミーは、当時のフランス代表が非常に強く、その育成方法が高く評価されたことがきっかけで作られたものです。

しかし、フランスが弱くなり、スペインが強くなったからと言って、あっと言う間に育成手法を替えるようでは、日本の育成はいつまで経っても熟成されるはずがありません。

2010年W杯ではイングランドも強力な優勝候補ですが、もしイングランドが優勝したら、今度は
「ジェラードやランパード、ルーニーを生み出したイングランドの育成手法を真似ろ!」
と、なったりして。(笑)

日本は、まだまだフランスに学ぶところはあると思うし、協会がJFAアカデミー福島に対する振り返りも反省もなく、場当たり的にスペインに擦り寄っていく姿勢には納得がいきません。

もしかすると、犬飼会長が、単にスペイン好きだからだったりしてね。(苦笑)

私は、スペインに学ぶ前に、フランスきっての育成家、アーセナルのベンゲル監督からもっと学ぶべきだと思います。


日本サッカー界を席巻する流れとJFAのパートナーシップの話をごちゃ混ぜにして書いてしまったので、伝わりにくいところがあったかもしれません。

日本サッカー界には、スペイン全体のことをよく知らずに、
「スペインのようなサッカーを目指そう!」
と仰っている方が多いような気がしたので、それに警鐘を鳴らしかったのが、この日記を書いたきっかけです。

みなさまのコメントにもありますが、少なくとも技術のある小兵だけではスペインのようなサッカーを目指すのは困難で、パワーやスピードといった身体能力の高い選手が絶対に必要です。
「スペインのサッカーが好きだから、スペインを目指す」
のなら、まだ理解できますが、
「スペインのサッカーは、日本人に向いているから目指す」
のは幻想だと思うのです。
日本人には、スペインのサッカーは向いてないと思います。
イングランドやイタリアのサッカーが、日本人に向いていないのと同様に。

だからこそ、私は日本は日本独自のサッカーを目指すべきだと思います。
もちろん、サッカー先進国の様々な良いところを取捨選択して少しずつ吸収しながら。
スペインだけから重点的に学ぶことは、良いことだとは思えないです。


スペイン人に小さい選手が多い、というご意見については、確かにそうだと思います。
ただ、イングランド人(で正しい表現なのかな?)にも多いですよね。
ルーニーやスコールズ、ウォルコット等、マンUやアーセナルを見ると、そう思います。

(外国人選手を含めると、アルゼンチンやポルトガル等の背の低い選手を好むリーグかどうか、という別の話になるので、ここでは言及しません。)

実は、身体の大きい選手ばかりが揃う国は少なく、イタリア、ドイツ、アメリカくらいでしょう。

ほとんどの国の代表は、小さい選手と大きい選手の組み合わせになっています。
だからこそ、いろいろな国を参考にした方がいいと思います。
スペインにこだわる理由はないでしょう。

もし、好みで言うなら、日本には今のスペインよりも、最終形は2000年のフランスや2006年のアルゼンチンかメキシコを目指して欲しいですね。
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