昨年12月に、W杯の組み合わせが決まった直後、勢い余って日本代表に関するブログ記事を書いてしまったのですが、朝、眼が覚めて落ち着いて考えたら、恥ずかしくなり、記事を消しました。

最初、日本代表はいいグループに入ったと思ったんですよね。
対戦相手が、コロンビア・セネガル・ポーランド。
チームスタイルから見て、ハリルジャパンの戦術と比較的相性の良い相手ばかりだったからです。

ですが。
良く考えると、いくら相性が良くても、実力差があると、ふつうに負ける(ことが多い)。

例えば、ロンドン五輪の準決勝、日本代表 vs メキシコ代表の試合がそうでした。
日本はショートカウンター、メキシコはポゼッションだったので、相性から言うと、日本の方が有利。
ですが、メキシコは実力で日本を抑え込んで勝ちました。
メキシコは、さらに決勝でもブラジルを破り、金メダルを獲得しましたね。

深夜に勢いにかまけて記事を書いてしまったので、そういうところまで考えが及ばなかったです。
アホですね。。。

で、落ち着いて考えてみると。
このグループHというのは、相当やっかいなグループだな、と思い直しました。
グループFは死の組と言っていいのでしょうが、実は、グループHもその次くらいに厳しいグループなのかもしれない。
スペインやドイツ、フランス、ブラジル、アルゼンチンといった有名な国はいませんが、選手を見てみると、ちょっとこれは、、、みたいな選手が目白押し。
特に、セネガルはヤバいですね。

WG:マネ(リバプール)、ケイタ・バルデ(ASモナコ)
CB :クリバリ(ナポリ)

うげ、、、今季の欧州でも、特に要注意の選手が集まってるじゃないですか。。。

私は、レヴァンドフスキよりもマネの方が嫌です。
マネは、技術はさほどでもないですが、縦にも速いし、クイックネスも相当高い。
さらに、ボールを奪う力と決定力を両立しています。
その上、多少、アバウトなボールを自分のものにできる体幹があります。
クイックネスとスピードとパワーを兼ね備えている。
そのため、あまり周りに影響されず、自分のベストパフォーマンスが出せる。
それが、マネの怖さです。

あとは、クリバリが本当にやっかいですね。
クリバリは、私が応援してるアーセナルにずっと欲しいと思ってるCBで、いま、欧州で5本の指に入るCBだと思います。
クリバリがいる以上、大迫がボールを収めることは、相当難しいでしょう。
大迫を囮にしてカウンターを行うといった戦術的な工夫が、ハリルジャパンには必要です。

セネガルは、基本、ロングカウンターのチームなので、ハリルジャパンが前プレを掛けると危険です。
ハリルジャパンの良いところは、引いてロングカウンター/前プレからのショートカウンター、の両方の戦術を使い分けられるところで、セネガル相手に無謀なショートカウンターを仕掛けることはないと思いますが、組織戦術的には上手く対応できても、個でクリバリを破れるか、マネとケイタ・バルデの個を抑えられるか。
個の力を組織で凌駕できるかは、かなり心もとない。
セネガルは、相当、危険な相手だと思います。

一方で、ポーランドは、比較的やりやすい相手だと思います。
マスコミ記事によっては、ポーランドはポゼッションとカウンターを使い分ける、みたいな報道をしているところもありますが、私の知っている範囲では、基本的にはポゼッションサッカーです。
昨年11月のメキシコとの親善試合でもポゼッションしてましたし、ユーロ2016準々決勝のポルトガル相手にもポゼッションをしていました。
ポゼッションが得意なメキシコ相手にボールポゼッションを取りに行くくらいですから(しかも、ポゼッション率で勝ってました)、ポゼッションが基本スタイルであることは間違いないと思います。
もちろん、まれに守備重視のカウンター戦術を取ることもあります(ユーロ2016のスイス戦等)。
ですから、マスコミ記事は必ずしも間違ってはいませんが、ポゼッションかカウンターかは対戦相手のタイプによるわけで、少なくとも日本相手にはポゼッションで来ると思います。
そうすると、ハリルジャパンの前プレ&ショートカウンター戦術が効果的でしょう。
レヴァンドフスキにボールが入る前にボールを奪ってしまえば、ポーランドのチャンスは激減します。
仮に、アバウトなロングボールを放り込まれても、吉田麻也と槙野(もしくは昌子)のCBコンビ+GK川島 or 中村であれば、レヴァを抑え込むことはできると思います。

【注】精度の高いハイクロスやグラウンダーのクロスは別です。
   ここで言っているのは、あくまでアバウトなロングボールに関しての話です。

ですから、レヴァに精度の高いボールが入らないように、日本は守備をする必要があるでしょう。
そうすれば、レヴァをほぼ消すことは可能だと思います。
もちろん、どんなに頑張っても、90分間で1~2本はいいボールがレヴァに入る可能性は否めませんが、そこはレヴァがミスをすることを祈りましょう。

実は、ポーランドで本当にやっかいなのは、GKだと思います。
ユベントスで第2GKをやっているシュチェスニーが先発する可能性が大きい。
彼は、ユーべがブッフォンの後釜としてASローマから引き抜いたGKで、シュートストップ能力が非常に高いです。
シュチェスニーを破ってゴールを陥れるのは、相当難しいミッションだと思います。

ちなみに、シュチェスニーは、ASローマの前にはアーセナルにいました。
私はアーセナルファンなので、シュチェスニーのことは良く知っていますが、若い時から才能にあふれるGKでした。
もちろん、当時は若いだけあって、完璧ではありませんでした。
すさまじいファインセーブや、玄人好みの難しいシュートストップ等を繰り返してはいても、ときどき、うっかりミスのような失点も散見されていました。
アーセナルファンは、攻撃的なチームスタイルが災いしてかGKに関して造詣が深い方が少ないため、彼の才能を理解せず、その時点の実力にばかり目が行って、批判する方が多かったです。
それは、ベンゲル監督も同じだったようで、既に実力者であったGKチェフとオスピナ(コロンビア代表)を獲得し、シュチェスニーをASローマに放出してしまいました。
なんだよ、若手MFは我慢して育てるくせに、若手GKは我慢できずに放出かよ。

が、シュチェスニーは、放出先のASローマで急成長を遂げます。
1年もするうちにミスが減り、頼もしいGKになりました。
もともと身長は195cmあり、さらに反射神経も抜群ですから、判断ミスが減れば良いGKになることは見えていました。
現時点では、チェフと比較しても遜色のないGKだと言えます。
オスピナも良いGKですが、いまはもう、シュチェスニーの方が上でしょう。
オスピナはハイボールに弱いので。

そのような訳で、日本代表から見た場合、シュチェスニーは相当大きな壁です。
特に、ミドルシュートで点を取ることは、非常に困難です。日本人選手のスピードの遅いミドルでは。

ですから、日本がシュチェスニーから点を取るには、ショートカウンターからサイドにボールを振って、2人くらいがゴール前に飛び込み、グラウンダーのクロスから点を取る。
そういうコレクティブ・カウンターの形を狙う方がいいと思います。
縦に速いだけのカウンターでは、読みと反応でシュチェスニーに対応される可能性が高いでしょう。

そう考えると、大迫を囮にしてクリバリを釘付けにし、サイドを圧倒的なスピードで上がれる選手が日本代表には必要です。
その役割を務めるのは、浅野か久保裕也になるのではないでしょうか。
テクニカル系でスピードダウンしがちな乾や原口では、難しい。
足の遅い本田では、もちろん無理です。
ぜひ、浅野か久保裕也をポーランド戦では先発させて欲しいです。

さて、コロンビア代表。
現在のチームパフォーマンスは低調のため、2014年W杯ほどには恐れる相手ではないかもしれません。
さらに、コロンビアを率いるペケルマン監督は、基本的にはポゼッションサッカーをやるタイプなので、ハリルサッカーとは相性がいいです。
ポゼッションサッカーにとって、前プレ&ショートカウンターは天敵ですから。

とは言え、前線の選手たちは強烈です。
特に、FWのファルカオの調子が良いです。
2018/1/12(第19節終了)現在、ファルカオはリーグアンで15ゴールを決めており、得点数はリーグ2位。
ネイマールよりもゴール数が多いのです。
さらに、ご存じハメス・ロドリゲス(バイエルン)、ミランで本田の同僚だったバッカ(現ビジャレアル)、クアドラード(ユベントス)等のクラッキたちが目白押し。

じゃあ、日本代表は、彼らをどう止めれば良いのか?

いまのコロンビア代表は、攻撃に連動性を欠いている傾向が強いです。
その中心にいるのは、ハメス・ロドリゲス。
彼を自由にさせなければ、ただでさえ連動性を欠いているコロンビアの攻撃は、さらに困難な状態に陥ると思います。
ハメス・ロドリゲスは良い選手ですが、2014年ほどのパフォーマンスではないことも事実。
特に、ボールが右足側にある時に、ぎこちなさを感じます。
また、左足もアウトサイドキックが下手なので、右サイドにいたときにマイナスのクロスが上げられません。
つまり、ハメス・ロドリゲスの左足を徹底的にマークすれば、彼の自由を大きく削ぐことができるでしょう。

私が提案する策は、こうです。
山口螢にハメス・ロドリゲスをマンツーマンでマークさせ、試合から消す。
そうすれば、ファルカオ・バッカ・クアドラードのような周りとの連動が無ければ光りにくい選手たちの力を落とすことができるでしょう。

そして、コロンビアは、守備にも不安を抱えています。
W杯南米予選では、18試合を戦って19失点。
1試合で1点以上を失っています。
日本代表が粘り強く守り、ショートカウンターでコロンビアの最終ラインを破ることは、十分あり得るでしょう。
やり方次第では、1-1の引き分けか1-0での勝利を狙うことは不可能ではないと思います。

以上から、私はハリルジャパンがグループステージを突破する可能性はそれなりにあると思っています。
そして、そのキーとなるのは初戦です。
どのW杯でも同じですが、初戦を引き分け以上で終わること。
それが、強豪国で無い日本には求められます。
そして、それを実現できる可能性は、50%くらいはあるのではないでしょうか。

私は、ハリルジャパンがベスト16に入る可能性を約1/3(約33%)と見ています。
それほど高い確率でないのは、間違いありません。
ですが、絶望的に低い確率ではないでしょう。
期待をもって、応援するに足る日本代表だと思っています。
そして、超つまらないサッカーをした南アW杯の日本代表とは違い、守備的でも、ちゃんとおもしろいサッカーをしてくれるだろうと楽しみにしています。

スポンサーサイト

ベンゲル監督は、今季のFAカップを捨てたのだと思います。
でなければ、FAカップ3回戦とは言え、イングランド2部のノッティンガム・フォレスト相手に、あれほど舐めた選手起用はしないでしょう。
3部以下ならともかく、2部相手にあの先発メンバーで勝つのは、そう容易じゃないと分かっていたはずです。
中2日でカラバオカップ(リーグカップ)準決勝の1st leg チェルシー戦があるため、レギュラー級の選手を休ませることを優先したのでしょうね。

その結果が、4-2という敗戦。
リアルタイムでは見れなかったため、先に結果を見たのですが、ちょっとため息が出ました。
後で試合映像を見ましたが、さらにため息。

まぁ、この先発メンバーじゃしょうがないやね。

選手個々の能力よりも、このメンバーで試合をしたことが少ないのが問題です。
そうなると、守備組織の面で、様々な問題が出ます。
特に、相手にボールを奪われた直後に、カウンターの起点を潰したり、ボールを奪い返すのに困難を伴うことが多いです。
実際、嫌というほどカウンターを受けることになりました。

もちろん、厳格な守備組織を作るシメオネやペップであれば違うのでしょうが、ベンゲル監督はそういうタイプの監督ではありません。

また、ナイルズが、ちょっと疲れていました。
年末のリバプール戦ではなかなかの守備力を見せて、ファンから好意的に見られているナイルズですが、実は、その後のパフォーマンスは良くありません。
チェルシー戦では、ザッパコスタの突破を止められずにグラウンダーのクロスを出されて失点。
ノッティンガム・フォレスト戦でも、2失点目は、ナイルズが1対1をかわされて、精度の高いハイクロスを上げられたのが逆起点になっていました。

WGやSBは、マイナスのクロスや平行クロスに対し、完全には防げなくても、精度を落とすことが使命です(アーリークロスは、ある程度はしょうがない)。
いまのナイルズは、それが十分にできていない印象です。
カラバオカップのチェルシー戦は、コラシナツが復帰できないと、ちょっとキツいと思いますね。
また、仮に復帰できても、コラシナツの体調が100%かどうかも、大きく関係するでしょう。

とは言え、今季のチェルシーは、それほどやりづらい相手ではありません。
ジエゴ・コスタがいませんし(モラタは、コスタほどには怖くない)、アザールも昨季のキレはない。
そして、何よりコンテの采配に我慢強さを感じません。
やっぱ、モウリーニョとは違うんだなー、という感じです。
当たり前なんですけどね。

モウリーニョ・チェルシーと対戦してた時は、どこか手のひらの上で転がされてる感が漂うのですが、コンテは真っ向勝負感が強い。
チェルシーですから守備的は守備的なんですけど、試合の最後まで守り切るのではなくて、どこかで攻撃に出ようと色気を出してしまう。
我慢して守ろう、という粘り強さがないので、アーセナルも点を取れる。
そうすると、どちらかと言うと守備的なチェルシーは、苦しくなります。
コンテ・チェルシーは、アーセナルと6試合を戦って、うち5試合で1点以上を失点しています。
一方、第二次モウリーニョ・チェルシーはアーセナルと6試合を戦いましたが、無失点です。
6試合でノーゴール。
本当に途轍もない。

同じ守備的な監督でも、コンテとモウリーニョでは大きく異なることが分かると思います。

第二次モウリーニョ政権の時は、攻めて攻めて、攻め疲れた一瞬の隙を突かれて失点して負ける。
そんなパターンが多かったように思います。
あとは、「この試合はスコアレスドローでいいんだから、守り切って0-0にする」みたいな試合をされて、本当に0-0で終わるとか。
正直、狙って0-0で終わるなんて、そんな簡単なことじゃないのにな。。。

そういう意味で、カラバオカップ準決勝は楽しみです。
コンテ・チェルシーは、もちろん強いけど、比較的やりやすい相手でもあるので。
期待しています。



続々と最後の記事をアップされている方が増えてきていますが、私は、もう1~2本は記事を上げる予定です。
最後の最後まで粘ります!笑

今季のアーセナルは、大半の試合で3-4-2-1というフォーメーションを使っています。
もともとは、昨季、失点しすぎで負け試合が続いたので、シーズン終盤にベンゲル監督が4-2-3-1⇒3-4-2-1に移行したのがきっかけです。

しかし、第20節が終わった時点で総失点数は25と、ビッグ6の中で一番多い状況です。
失点が多いイメージのあるリバプールでさえ、総失点数は23です。
失点数を減らすための3-4-2-1なのに、なぜか失点が多いのです。

そして、昨夜(12/29)の第20節クリスタルパレス戦(以下、クリパ)でも、後半終盤に猛攻を受けました。
辛くも2-3で逃げ切りましたが、89分に1-3から2-3にされて、生きた心地がしませんでしたね。

なぜ、3-4-2-1なのに、失点するのか。
それを考えてみたいと思います。

分かりやすい例が、この試合の84分にありました。
結果的には失点しなかったのですが、クリパに決定機を作られています。

もう、この時点で駄目です。
ある意味、これが全てを表しています。 

クリパ×アーセナル①

見て分かるように、アーセナルの右側でのエリアで数的不利を作られています。
左側はベンテケ・サコの2人に対して、コラシナツ・ムスタフィ・コシールニーの3人で見ているため問題ありませんが、右側は相手4人に対して、アーセナルはジャカ・ベジェリンとチェンバースの3人。
ちなみに、75分にラカゼット⇒コクランという選手交代をして、守備固めに入った後にも関わらず、数的不利になっています。
つまり、ポジショニングや全体のバランスがおかしいのです。
特に、ウィルシャーはボーッと戦況を眺めているだけで、守備に加わろうとしません。
こんな陣形にしている以上、クリパにどうぞ崩してください、と言っているようなものです。

そして、ここから、クリパはワンタッチパスを連続で決めます。
数的優位ですから、余裕でパスがつながります。

クリパ×アーセナル②

クリパ×アーセナル③

クリパ×アーセナル④

クリパ×アーセナル⑤

クリパ×アーセナル⑥

そして、最後は、ムスタフィをサコがブロックし、ザハが落ち着いてグラウンダーのマイナスのクロス。

クリパ×アーセナル⑦

いいクロスでしたが、コラシナツが見ていて、クリアしました。
非常に危ない形でした。
もし、ザハが速くて低いハイクロスを上げていたら、失点していた可能性が高かったと思います。

これは、あくまで一例です。
アーセナルは、3-4-2-1に移行してから、サイドのポジショニングに問題があることが多いです。
ただ、これは3-4-2-1や3-4-3の宿命のようなもので、よほどポジショニングに注意していても、サイドで数的有利を作りにくい。
それはチェルシーであっても、時々、3バックをやるマンUにしても同じです。
ですから、チェルシーやマンUは、3-4-3のWBには身体が大きくパワーがあり、球際に強い選手を置いています。
それは、ポジショニングをいくら整備しても、サイドでは、個の能力でしのがざるを得ない場面が出てくることを知っているからです。

ですが、アーセナルの場合、右WBにベジェリンを置いています。
ベジェリンは速いですが、球際は強くありません。パワーもない。
数的不利を1人で何とかできるようなタイプではないのです。

もし、3-4-2-1を続けたいならば、ベジェリンの起用はあきらめた方が良いと思います。
彼は、WBではなくてSBですから。

と言うか、そろそろ、ベジェリンはアーセナルから解放してあげた方がいいのでは?
このままじゃ、ベジェリンは適性のないポジションを無理やりやらされて、沈んでいくだけです。
第二のチェンバレンのようになるのは、眼に見えています。
興味深い記事を読みました。
フットボリスタの以下のWeb記事です。
これは、本誌の一部らしいので、今度、本誌を買おうと思っています。

『ハリル日本のグダグダ感は情報戦? メディアもファンも試されている』

『現役セリエAコーチが徹底分析! 偏見なしにハリル戦術を評価する』

読んでみて、とても納得感がありました。
川端暁彦氏が書くユース選手たちの記事は、ちょっとポジティブすぎて嗜好に合わないところがあったのですが、どうしてどうして、談義ものでは良いこと言うじゃないですか!

この記事ほど明確に思っていた訳ではないのですが、11月の欧州遠征(ブラジル戦・ベルギー戦)で香川・岡崎・本田を3人とも呼ばなかったのには、少し引っかかっていたんですよね。
本田については、メキシコと欧州は遠いですし、加入間もないパチューカに慣れさせようという意図もあったのかもしれませんが、香川と岡崎を呼ばないのは変だなぁ、と思っていました。
先発から外すことはあっても、欧州で試合をするのに2人を呼ばないというのは、非常に不可思議でした。
これまでのハリルの振舞いから考えると、ね。

ハリルがやりたいサッカーへ舵を切るために、戦術にフィットしにくい3人を呼ばなかったのだ、というように自分自身を強引に納得させてはいましたが、「とは言え、呼ばないのは何か違わない?」という自問自答の声は、なかなか消えませんでした。

ですが、この記事を読んで、欧州遠征はハリルの情報戦の一環でもあったのだろうな、と納得がいきました。
いわゆる一石二鳥です。

3人がいないメンバーで守備重視のショートカウンターやロングカウンターで戦うスタイルを試したかったことに加え、3人を外すことでW杯の対戦相手(まだ、この時点では決まっていませんでしたが)を惑わそうとしたのでしょう。

実際、アジアW杯予選はW杯本大会の分析にはあまり役に立たないし(相手が弱いので)、E-1は海外組がいないので、分析しても意味がない。
W杯での対戦相手であるコロンビア・セネガル・ポーランドの分析官らは、本当であれば、強豪であるブラジルやベルギーとの試合を分析したかったはずです。
ですが、これらの試合には、日本代表の中心選手と思われる香川・岡崎・本田がいませんでした。

香川・岡崎・本田がいない試合を分析したところで、意味があるのか?
本番でも、香川・岡崎・本田の全員を外すのだろうか? いや、そんなことは考えにくい。

W杯対戦相手の分析官や監督は、そう思っているはずです。
つまり、対戦相手たちは、事前に日本への対策を立てることが困難になるわけです。

対策は、立てた上で練習をする必要があります。
そして、W杯のグループステージで戦う相手は3か国。
3チームの対策を立てて、それぞれを練習するには時間が掛かります。
ですから、対策を立てられるのは、遅ければ遅いほど都合が良い訳です。
机上で対策を立てたとしても、練習を十分にできないケースが発生し得るからです。

チームスポーツを齧ったことのある人なら分かると思いますが、ある策を監督に指示されても、ふつうはすぐには出来ません。
何度も何度もみんなで練習して、やっとそれなりの形になります。
マンガやドラマならともかく、現実には、新たな策を実行するには時間が掛かるのです。

現時点では、コロンビア・セネガル・ポーランドが日本対策を立てられない以上、3月の強化試合やその事前練習で、日本対策の練習はできません。
そうすると、練習できるのは、W杯直前のみになります。
W杯直前になると、コロンビア・セネガル・ポーランドは、第4ポッドで”弱いはず”の日本よりも、その他の対戦相手を優先して対策の練習をする可能性が高いでしょう。
つまり、日本はその分だけ有利になる可能性があるのです。

ハリルは、もしかすると、3月の強化試合でも手の内を見せない可能性まであります。
香川・岡崎・本田を短時間しか起用しないか、本大会とは異なるポジションで起用する等。

過去を思い出してみれば、ジーコジャパンは練習を全てマスコミに公開する等、情報戦とは対極にいるチームでした。
その結果、稀代の戦術家であるヒディンク監督(オーストラリア代表)に対策を立てられて負けました。
ザックジャパンも、W杯に近づくに連れ戦術や選手が固定化され、対戦相手に長所・短所が非常に読まれやすいチームになっていました。

情報戦で負けたことだけがグループステージを敗退した理由だとは思いませんが、それも間違いなく一因になっていたのでしょう。

逆に言えば、トルシエジャパンは、情報戦で勝利しました。
W杯グループステージの肝となるロシア戦で、大きなトリックを使ったのです。
それは、中田英寿を囮にするというトリックでした。
中田がトップ下からボランチの位置に下がるような動きをすることで、相手の3列目のマーカーを自陣に誘い込み、バイタルエリアにスペースを作る。
そして、そのスペースにボランチの稲本が飛び込む、という作戦でしたね。
その結果、狙い通り稲本が1点を挙げて勝ちました。
ロシアは、まさか日本代表のエース中のエースである中田を囮に使うとは、夢にも思っていなかったでしょう。
トルシエの作戦勝ちでした。

そして、南アW杯の第2次岡田ジャパンは、上記記事にもありますが、W杯直前に完全に戦い方を変更しました。
もちろん、情報戦を意識したものではなかったでしょうが、対戦相手は、それまでの日本対策を全て放棄する羽目になったはずです。
それも、グループステージを突破する1つの要因になったと思います。

ハリル監督は、W杯での情報戦が重要なことは、良く認識しています。
覚えている方も多いでしょうが、ハリル監督は、2014ブラジルW杯でアルジェリアを率いて、複数のフォメーションを使い分けてベスト16にまで勝ち上がり、決勝トーナメント1回戦ではドイツ代表を延長戦にまで引きずり込みました。
これは、戦術的な対応という意味もありますが、情報戦の意味合いでも非常に大きな効果がありました。
各国が事前に想定していたアルジェリア対策が、ほとんど役に立たない訳ですから。

おそらく、ハリルホジッチ監督は、意図して日本国内を惑わそうとしていると思います。
それは、JFAを含めてです。
このネット社会、日本国内を惑わせば、それはすぐに世界に伝わり、結局はW杯対戦相手を惑わすことになるからです。

E-1で韓国に負けたことを本当にくやしいとも思っているでしょうが、一方で、選手選考を優先して、手の内をさらけ出すようなことをしなかったのも本当でしょう。

そして、負けてもタダでは起きず、W杯の対戦相手たちを油断させるため、負けたことを利用しようとしたのだと思います。
だからこそ、


「このチーム(韓国)が日本より強いのは、試合前から分かっていた。韓国とのレベルに差があったと思う。
 (中略)
 韓国が格上だと思った」

(日刊スポーツの記事より引用)



と発言したのでしょう。
この発言を知ったら、コロンビアやセネガル・ポーランドは、きっと日本を甘く見ますよね。

日本のマスコミやファンたち、そして、その向こうにいるコロンビア・セネガル・ポーランドは、ハリル監督の手のひらの上で踊っているのかもしれません。

2017年夏、チェンバレン(24歳)はアーセナルからリヴァプールに移籍しました。
当初は、右WBの層を厚くしたいチェルシーへの移籍が濃厚と言われていましたが、チェンバレンがチェルシー移籍を拒否。
中盤センターでの起用の可能性があるリヴァプールへと移籍しました。
英国マスコミによれば、チェンバレン本人の年棒や移籍金といった条件はチェルシーの方が良かったようですが、チェンバレンは中盤センターでの起用に自分自身のサッカー人生を賭けて、リヴァプールに移籍したようです。

当時、私はリヴァプールに移籍できて本当に良かったな、と思っていました。

おそらく、タイトルを取るということだけであれば、リヴァプールよりもチェルシーの方が近かったでしょう。
チェルシーは昨季にリーグ優勝したということに加え、WBの層を厚くさえすれば、リーグとCLの両方で好成績が狙えると見られていたからです。
ですが、チェンバレンは、自分がやりたいポジションにこだわった。
年棒を下げてでも、です。
素晴らしい決断でした。

チェンバレンは、18歳のときに、サウサンプトンからアーセナルに移籍して来ました。
2011年のことです。
当時からスピードとパワーに優れ、右サイドをドリブルで駆け上がる姿は、獣のように美しかったです。
まだ、18歳なのにね。
近い将来、アーセナルでブレイクしてくれると、とても期待していました。

その頃のベンゲル監督は、速いサイドアタッカーを重用・獲得することがマイブームになっていました。
アルシャビン、ジェルビーニョ、チェンバレン、ウォルコット、宮市などなど。
しかし、ベンゲル監督は、ことごとくサイドアタッカーを潰していきます。
アルシャビンは移籍してきたシーズンこそ凄まじいプレーを見せましたが、その後はフェードアウト。
ジェルビーニョは、アーセナルでは鳴かず飛ばず。活躍したのは、その後、ASローマへ移籍してからです。
チェンバレン、ウォルコットもパッとしません。
宮市は、まだ身体ができてないのにボルトンにレンタルし、フィジカルで当たられまくって、ケガがちな体質にしてしまいました。

結局、ベンゲル監督は、サイドアタッカーをアーセナルで活かすことはできませんでした。
チェンバレンは、その犠牲になったと思います。
チェンバレンがアーセナルに移籍して来て3年目の半ば、私は、某ブログでこんなことを書いていました。
※私は、ここの他にもブログをやっています。スポーツ専門ではありません。


いま、チェンバレンは20歳です。
まだまだ若手ではありますが、そろそろ自分の主戦場(ポジション)を決め始めなければいけない時期です。
ボランチなのかサイドMFなのか、別のポジションなのか。
彼は基本技術はしっかりしているし、身体も、20歳にしてはできていると思います。
ですが、これといった特徴がない。

ロシツキのようなファンタジー、ウォルコットのようなスピード、ウィルシャーのようなドリブルとパス、ラムジーのような運動量と
タックル能力、アルテタのような長短のパスを散らすスキル、ジルーのような身体の大きさとポストプレー。
そういった特徴がが、いまは見当たらないのです。
チェンバレンは大きな才能の塊であるにも関わらず、万能型であるゆえに突出した能力が見つからない。


この記事にあるように、この頃の私は、既にチェンバレンをサイドアタッカーのスペシャリストだとは認識していませんでした。
なぜなら、ベンゲル監督が、チェンバレンをサイドアタッカーとして育てず、中途半端にパスを教えたからだろうと思います。
本来なら、もっとドリブルとクロスを磨くべき年齢だったのに。
チェンバレンは、サッカー選手として成長のさなかで不必要な育成をされてしまい、サイドアタッカーとしての長所を失っていました。
特に、ドリブルスピードが落ちていたのが致命傷でした。

そして、もう1つ問題だったのは、チェンバレンは、戦術眼がほとんど成長しませんでした。
アーセナルに10代からいる選手に共通する問題なのですが、戦術眼が非常に伸びにくい。
ウォルコットやラムジー、ベジェリンを見れば分かると思いますが、大人になってアーセナルに加入したカソルラやロシツキ、エジルのように試合の流れを読んでプレーを変える力がほとんど養われませんでした。

その後のチェンバレンは、ご存じの通りです。
アーセナルでサイドアタッカー的な役割を担いますが、スピードもテクニックも、どこか突き抜けるものがない。
CMFをやると、中~長距離パスはそれなりに上手いけど、足元の柔らかさが無いので、トラップやショートパスに難があり、パサーにはなり切れない。視野も狭くはないけど、広くもない。
だから、カソルラはもちろん、ラムジーやウィルシャーにも及ばない。

彼は、とても中途半端な選手のまま、24歳になってしまいました。
結局、巨大な才能は、いつまで経っても才能のままで、実力に昇華することはありませんでした。

私は、2年前くらいから、そろそろチェンバレンは限界かな、と思うようになっていました。
チェンバレンは、これ以上、アーセナルにいても伸びない。
少なくとも、ベンゲル監督の下では。

チェンバレンは、アーセナルにとって、それなりに重要な選手でした。
ただ、あくまで「それなり」であって、「とても」重要な選手、とは言えない。

そういうチームにおける位置づけや、自分がこれ以上アーセナルにいても伸びないだろうことは、チェンバレンは薄々気づいているようでした。

私は、チェンバレンのことが好きでした。
18歳で巨大な才能を抱えてアーセナルにやって来たとき、その才能に惚れ込みました。
ですから、その才能を育てられないアーセナルに悔しくて情けない思いをしました。

ごめんよ、チェンバレン。本当なら、君はもっと成長していいはずだ。

何度、そう思ったことか。

そして、チェンバレンは移籍する決断をします。
24歳という年齢は、才能をくすぶらせている選手が成長を狙うには、サッカー人生最後のギリギリの時期です。
あと2~3年で大きく成長しなければ、そこそこ良い選手で終わってしまう。
その焦燥感が、チェンバレンを移籍に駆り立てたのでしょう。

今季序盤、チェンバレンは身体のキレがありませんでした。
その頃、チェンバレンはまだアーセナルに所属していたのですが、プレシーズンでの調整が上手くいかなかったようです。
個人的に、PSMもいくつか見たところ、調子が悪そうでした。
それが、一部のアーセナルファンには、癪に障ったようです。
「アーセナルからの移籍目前で、チェンバレンはやる気がない・試合に集中できてない」と解釈している方が多かった。
私に言わせれば、移籍先候補のクラブに悪いプレーを見せてしまったら移籍の障害になるでしょうから、一生懸命がんばると思うんですが・・・。

その結果、アーセナルでも、移籍先のリヴァプールでも、今季序盤のチェンバレンは、なかなか良いプレーができませんでした。
移籍後、アーセナルのファンの中には、
「おまえに中盤なんかできねーよ」
「チェンバレンがリヴァプールに行ってから、リヴァプールは勝てないじゃんか。
 いい疫病神だ」
「中盤センターが無理で、WBで起用されているじゃん。
 何のためにアーセナルを出て行ったんだか」
みたいな、心無いことをおっしゃる方々も結構いました。

アーセナルでは、チェンバレンに助けられた試合だっていくつもあったのに・・・。
ひどい。

ですが、移籍して数か月、やっとチェンバレンは調子が上向いてきたそうです。
第18節(12/17)のAFCボーンマウス戦では、中盤センターでプレーし、サラーと並んでMOM級の活躍をしたとか。
ダイジェストを見たところ、確かになかなか良さそうでした。

このまま頑張って欲しい。
成長して、才能を実力に変えるところを見せて欲しい。

アーセナルで、才能が才能のまま停滞しているところを見続けるのは、相当しんどかったです。
いつも、ジリジリとするような気持ちで見ていました。
アーセナルファンとして、彼の才能を開花させられなかったことに、常に責任のようなものを感じていました。
別に、私は監督でもコーチでもないのにね。

チェンバレンは、ようやく成長する機会を得ました。
願わくば、このまま上手く成長することを祈ります。

リヴァプールが強くなるのは、ちょっと困るんですけどね笑