エメリがアーセナルの新監督に就任しましたね!
私は大満足です。
Bestではないでしょうが、Betterな監督だと思います。
一時は、アルテタの新監督就任が濃厚、みたいなマスコミ報道が多くハラハラしていたので、エメリになってホッとしました。

アーセナルの新監督候補について、個人的には以下のように採点していました。
100点満点です。

シメオネ、またはレーヴ:100点
アッレグリ       : 95点
エンリケ       : 85点

で、エメリはスコープ外だったんですよね。
エメリはPSGから事実上、更迭されると予想されていたのに、なぜか、私の中ではアーセナルの新監督候補として考えたことがありませんでした。
考えが浅いな~。
反省。

で、エメリは何点かと言うと、85点です。
エンリケと同じですね。
ですから、『すげー良い監督に来てもらえたな、やるじゃんガジディスCEO!』という気持ちでいっぱいです。

ちなみに、アルテタは0点です笑。
22年もいたベンゲルの後の監督なんて誰がなっても難しいのに、監督経験ゼロのアルテタを据えるなんて論外だと思います。

エメリを一言で表するなら、『人当たりの良い戦術マニア』。
彼は、堅い組織的守備と縦に速いサイド攻撃を持ち味としたゴリゴリの戦術家です。
攻守バランス型の監督で、ペップのように攻撃的でもなく、モウリーニョのように守備的でもありません。
現時点(2018/5/26現在)のプレミアのビッグ6のどの監督とも似ていないので、イメージが沸きにくいかもしれませんね。
基本的には前から追い込む守備が好きですが、引くべき時は引きますし、相手や試合の状況に合わせて戦術を変える監督です。

また、人当たりが良く、優しい感じの監督で、人間関係を大切にします。
高圧的ではないので、チームが空中分解しにくいです。
そのぶん、カリスマ性は少し弱いので、ネイマールみたいな強烈な個性を持つ選手を扱うのは苦手かもしれません。
ただ、アーセナルには、そんな選手はいないので、エメリはやりやすいでしょう。
・・・いや、オーバメヤンがいたか笑

さらに若手の育成にも定評があり、その点も好感触ですね。

エメリは戦術家ではありますが、ペップのように新しい戦術を編み出す、みたいなタイプではないので、マスコミでの露出度は低いです。
人当たりは良いので、マスコミに嫌われることはあまりないですが(PSGのようにフロントが選手側に付いた場合は別)、個性に乏しく、発言も優等生的なので、記事にしづらい監督です。
ですので、プレミア中心でサッカーを見てる人は、あまりエメリのことを知らない人が多いようです。
CLでのバルサとの対戦等を見て、ネガティブなイメージを持っている人が多いのが残念。
本当は、とても良い監督だと思いますよ。

そして、EL3連覇やリーグアン優勝などの経験を積んでいるのに、46歳という若さ。
監督として、きっと、これからどんどん成長していくのではないでしょうか。

私的には、3年間はエメリに時間を上げたいですね。
ですから、来季のノルマは、結果系で言うとEL出場権を得ることくらいです。
手段はリーグ順位でもいいですし、カップ戦に優勝して手に入れても良いです。
ベンゲルを継いだ直後にCL出場権までは望みません。

プロセス系で言うと、組織的な守備ができるチームにして頂きたいです。
アーセナルに来てからのエメリは、リップサービスで、
「1-0で勝つより5-4で勝つ方が好きだ」
と言ったそうですが、個人的には1-0でも勝てるチームを作って欲しいです。

私は、守備こそがサッカーのロマンだと思っているので、2010-11以降のアーセナルの組織的守備にはずっと不満が溜まっていました。
ですので、来季は、まずきっちりと守備組織を作って欲しいです。
その結果、得点力が落ちて、6~7位になっても文句は言いません。
来季は、EL出場権さえ確保できれば良いと思っています。

さて、今回のエメリのアーセナルの監督就任ですが、フロントの監督の選び方もとても良かったと思います。

フロントのトップ3であるガジディスCEOとサンレヒ(サンジェイ)とミスリンタートの3人が8人の監督候補と面談をし、そこから候補を3人に絞った上で、その3人について徹底的に議論。
そして、最後にガジディスCEOとサンレヒ(サンジェイ)とミスリンタートが各々上から順に採用したい監督の名前を書いて見せ合う、という手法でした。
とてもオープンにお互いの意見を交換をし、より良い監督を選ぼう、という感じが見えて、本当にいい感じの監督選びだったと思います。
ファーガソンがマンUを退任した時、モイーズを後任に指名しましたが、あれはフロントに入るファーガソン主導で決めた人事で、結果的には失敗でした。
やはり、前任監督が次の監督選びに関わることは良くないと思うし、さらに誰か一人が主導して監督を決めるのはあまり良いとは思いません。

なぜなら、ものの見方が多面的になりにくいからです。

私は、今回のエメリ監督の決め方が、民主的だから良いと思っているわけではありません。
複数人で話し合えば話し合うほど、「船頭多くして 船 山に登る」じゃないですが、混迷を極めて妙な結論になることもあります。
また、合議制だと責任があいまいになることも多い。

ですが、ある程度の人数でオープンに話し合えば、物事を多面的に見ることができて良い結論が出ることも多いです。
今回、話し合うことでエメリという良い結論に達することができました。
今後のアーセナルに関する判断の基本形ができたのではないかと思います。
これまでは、実質、ベンゲル監督がほとんどの事を決めてきましたから。

このように、エメリ監督の指揮・指導もとても楽しみにしていますし、アーセナルの新生フロントの動きにも、本当に満足しています。
いまから、来季が楽しみです。
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西野監督が、W杯前の国内最後の強化試合のガーナ戦に臨む選手たち27名を発表しました。
ぶっちゃけ、超保守的です。
ハリルが呼んだことのあるメンバーに、ビッグ3(香川・本田・岡崎)を加えただけ。
意外なのは、青山くらいでしょうか。

GK 川島 永嗣         (メス)
   東口 順昭        (G大阪)
   中村 航輔          (柏)
DF 長友 佑都     (ガラタサライ)
   槙野 智章         (浦和)
   吉田 麻也    (サウサンプトン)
   酒井 宏樹      (マルセイユ)
   酒井 高徳   (ハンブルガーSV)
   昌子 源          (鹿島)
   遠藤 航          (浦和)
   植田 直通         (鹿島)
MF 長谷部 誠    (フランクフルト)
   青山 敏弘         (広島)
   本田 圭佑      (パチューカ)
   乾 貴士        (エイバル)
   香川 真司     (ドルトムント)
   山口 蛍         (C大阪)
   原口 元気   (デュッセルドルフ)
   宇佐美 貴史  (デュッセルドルフ)
   柴崎 岳        (ヘタフェ)
   大島 僚太         (川崎)
   三竿 健斗         (鹿島)
   井手口 陽介      (レオネサ)
FW 岡崎 慎司       (レスター)
   大迫 勇也      (ブレーメン)
   武藤 嘉紀       (マインツ)
   浅野 拓磨   (シュツットガルト)

にも関わらず、「自分たちのサッカー」の匂いがぷんぷんします。
いちばんの理由は、青山の選出。
ハリル監督に呼ばれたことのない青山を選出する以上、まちがいなく青山はW杯に行く23名に入るでしょう。
そして、ボランチに大島と青山というパサータイプ2人を選ぶということは、西野監督は、間違いなくポスト遠藤保仁を求めているのだと思います。
もしハリルであれば、大島を23名に選ぶことはあっても、同じパサータイプのボランチをもう1人、23名に入れることはなかったと思います。
なぜなら、ハリルにとっての大島は、負けているときの流れを変える選手と言う位置づけだったからです。
しかし、西野監督の場合、大島か青山のどちらかがレギュラーで、もう片方がバックアップになるでしょうね。

また、香川・本田・柴崎を選んだわけですから、おそらくトップ下を置くフォーメーションを使うでしょう。
今回、西野監督は”超保守的”なスタンスでの選手選考を行いましたので、フォーメーションも保守的に行くと想像できます。
まぁ、あと1か月でフォーメーションを変更するのは、非常に難しいですからね。
ですから、基本フォーメーションは、4-2-3-1になると予想します。
ハリルは、4-1-2-3と4-2-3-1を併用していましたから。

もちろん、W杯の全試合で4-2-3-1かと言うと、そんなことはないでしょう。
特に、初戦のコロンビア戦は、負けないサッカー(引き分け狙いのサッカー)をやると思います。
ですから、5-2-3を使う可能性も結構ありそうです。
なぜなら、5-2-3は4-2-3-1の派生であり、比較的移行しやすいからです。

ということで、こんなフォーメーションになるんじゃないでしょうか。

■基本フォーメーション(4-2-3-1)
4-2-3-1

■守備重視フォーメーション(5-2-3)
5-2-3

もし、このフォメが正しいなら、ぶっちゃけ、ザックジャパンの劣化版だな、というようにしか思えません。
ガーナ戦は負けることはないでしょうが(マリよりも弱いです)、W杯本戦でグループステージを突破するのは、宝くじで1等を当てるのと同じくらい難しい、という気がします。
らしいっちゃ、らしかったです。

EL準決勝の2nd leg、アーセナルはワンダ・メトロポリターノ(アトレティコのホーム)で1-0で負けました。
合計スコア2-1で、EL決勝へはアトレティコ・マドリードが進出。
ベンゲル最後のタイトルへの挑戦は、これで幕引きとなりました。

この試合の前、私の中では2つの気持ちが大きく攻めぎ合っていました。

・いくらWengerOut派だったとは言え、もう退任が決まったのだから、最後はELに優勝してベンゲルに有終の美を飾って欲しい。
 22年もアーセナルを率いた監督なわけで、最後に少しはいいこともあっても良いと思う。
 来季のCL出場権も獲得できるわけだし。

・ここで、もしELに優勝すると、ファンやマスコミやフロントの一部もベンゲル監督に心残りができてしまう。
 来季以降、チーム状態が悪くなったとき、「やはり、ベンゲル監督を退任させるべきではなかった」というような意見が噴出するのは必至。
 それは、アーセナルのためにならない。
 だったら、ここできちんと負けておいた方がいい。

どちらも偽らずの本心で、とても複雑でした。

が、結果はご承知の通り。
前半終了間際、アーセナルが苦手としているジエゴ・コスタにカウンターからゴールを決められ、その後はアトレティコがゴールにガッチリ鍵を掛けたため、負けました。
これで、アトレティコはホームで12試合連続無失点だそうです。
さすがはシメオネ、と褒めるしかありません。

この試合を見ていて思ったのは、シメオネ・アトレティコは、第二次モウリーニョ・チェルシーと酷似している、ということでした。
アーセナルの枠内シュートは、わずかに1。
どれだけアトレティコの守備が堅いか、よく分かる数字だと思います。

シメオネは、DFとMFの間のスペースを極限まで消すような守備をしており(DFとMFの間の距離は1m程度)、サイドからのグラウンダーのクロス(平行クロス、マイナスクロスを含めて)は、中に届くまでにクリアされてしまいます。
モンレアルとベジェリン、エジルが何度となくグラウンダーのクロスを上げますが、全くゴールの匂いがしません。
ならばハイクロス、と思いたいところですが、アーセナルには背の高い前線の選手が少なく、唯一背が高いウェルベックは徹底的にマークされています。

サイドからのクロスをあれだけ入れても、ここまで得点の匂いがしない試合って、何年ぶりだろう?

DFとMFの間を極限までに圧縮するような守備をすると、通常はMFの前が空くので、そこからミドルシュートを打つのが攻撃の定石です。
が、アトレティコは、そのスペースのケアがむちゃくちゃ速い。
4-4-1-1なので、MF4人のうちの1人とFWの1人がMFの前のスペースをあっと言う間にケアします。
ここが守備のウィークポイントなのは分かっていて、そこにボールが行きそうであれば、スペースを潰すことが徹底されていました。
その速さには、感嘆せざるを得ませんでした。

まったくもって、アーセナルと相性の悪い対戦相手。
本当に、第二次モウリーニョ・チェルシーのようです。

失点シーンにしても、カウンターからジエゴ・コスタに決められました。
ベジェリンがコスタを止めることができず、ベジェリンへの批判が大きいようです。

もちろん、ベジェリンの力不足もあるとは思うのですが、それ以上に、守備戦術がマズかったと思います。
ベジェリンのコスタへのマークが甘くなったのは、ヴィクトル・マチン・ペレスとコスタの両方を見ざるを得ない状況に追い込まれていたからです。
ベジェリンは、ゴールキックが飛んで行ったサイドの逆側におり、そのとき、どちらかと言うとヴィクトル・マチン・ペレスに付いていました。
1対2で両方マークすることは難しいため、コスタをオフサイドにするポジションを置いておこうと思っていたのでしょう。

が、ジャカがゴールキックを跳ね返した先は、アトレティコの選手。
そこからワンタッチでグリーズマンに繋がれると、CBチェンバースは下がってしまい、コスタはオフサイドでは無くなります。
それが誤算。
ベジェリンも、それに気づくのが一瞬遅れました。
その結果、コスタに裏抜けをされ、グリーズマンから完璧なパス。
コスタは、ベジェリンを腕でいなして、先制点をもぎ取りました。
あのパワーは凄かったです。

ですが、結局は、ボールがないサイドの守備の仕方だと思うんですよね。
コスタをオフサイドポジションに置く、という守備の仕方は悪くないと思います。
ですが、それがどこまでチームとして徹底されていたか?
チェンバースがすぐにラインを下げると分かっていたら、ベジェリンは最初からヴィクトル・マチン・ペレスを捨ててジエゴ・コスタをマークしていたでしょう。
ですが、ベジェリンのフィジカルを考えると、ジエゴ・コスタと1対1になった上にヴィクトル・マチン・ペレスをフリーにするのが得策かどうか?
たぶん、ボールと逆サイド側の細かい守備時の動きが練り込まれていなかったのだと思います。
それが、アーセナルが先制点(にして決勝点)を献上した理由でしょう。

アーセナルの守備は、世界最先端から置いて行かれているのがまざまざと分かるシーンだったと思います。
やはり、ベンゲル監督のサッカーでは、ビッグタイトルを取ることは難しい。

その後、アーセナルはウィルシャーをあきらめてムヒタリアンを投入。
ムヒは少しリズムを変えるとともに、惜しいミドルシュートを打ったりもしましたが、決定的なシーンは作れず。
とは言え、ムヒは思った以上に良い選手で、来季以降に期待が持てるパフォーマンスでした。
アレクシス・サンチェスとムヒとどっちが好きか、と言われれば、間違いなくサンチェスですが、ムヒも悪くないな、と思えた試合でした。

この試合、ジエゴ・コスタのゴールが目立ちましたが、仮に0-0で終わってもアウェイゴール差でアトレティコが勝ち上がっていたわけで、EL準決勝で散った理由の本質は点を取れなかったに尽きます。
ですが、ワンダ・メトロポリターノでは、無敗のままリーグ優勝したバルサも、CL決勝に3季連続で進出したレアルも点を取るのに苦労しているわけで、いまのアーセナルではやむを得ないのかもしれません。

来季以降のアーセナルには、ベンゲル監督のサッカーを引き継いで発展、などと言った甘っちょろい考え方ではなく、欠点を徹底的に追及して改善するシビアな抜本的改革(BPR:ビジネスプロセスリエンジニアリング)を期待したいと思います。


■追記
この試合、前半8分に、コシールニーがアキレス腱断裂(おそらく)で退場しました。
このため、年齢的に最後になるであろうロシアW杯への出場は絶望的だと言われています。
本当に哀しい。ツライです。
私は、アーセナルの選手の中でも、特にコシールニーが大好きなので。

コシールニーは、数年前からアキレス腱のケガが持病のようになっていて、それをだましだまし治療しながらプレーをしてきました。
ぶっちゃけ、1st legでグリーズマンに振り切られて失点したシーンは、アキレス腱がまともであれば、あんなことにはならなかったと思います。
ベンゲル監督は、おそらくコシールニーのアキレス腱のマズさは分かっていながらも、2nd legに先発させたのでしょう。
彼は、メディカルスタッフのアドバイスは聞かないので。
でなければ、接触もないのに、まだ前半8分なのに、突然アキレス腱が断裂するはずがありません。
サッカー人生の最後を賭けたアトレティコとのEL準決勝ですから、ベンゲル監督の気持ちも分からなくはないのですが。

私がときどき通う整体師 兼 鍼師さんは、2020東京五輪に出る某スポーツのメディカルスタッフをやっています(そのため、休業がやたらと多い笑)。
とても腕のいい整体師 兼 鍼師さんです。
その方によると、腱や筋肉が異常をきたす前の予兆というのは、ほぼ間違いなく分かるそうです。
時間を掛けて触診と整体を行うことで、身体がどの程度悲鳴を上げているのかが判断できるので、ケガをきっちり予防&治療して大会で実力を発揮してもらうのが私たちの仕事だ、と言っていました。
いまは、欧州のスポーツ界では、アジア式の整体や鍼は広く使われています。
アーセナルのメディカルスタッフにも、きっとそういったスキルを持つ人がいると思うんですよね。
ですが、今回は、コシの身体よりも2nd legでの勝利を優先したということなのでしょう。
分からなくはないのですが、本当に本当に哀しいです。
少し今さら感のある話題ですが、アーセナルのベンゲル監督が、今季限りでアーセナルの監督を辞任することになりました。
そのニュースを見て、私は心の底からホッとしました。

「これで、ようやくラクになれる。」

それが、第一感でしたね。
やっと肩の荷が下りた感じ。

なぜなら、私は、2011年の途中からずっと『ベンゲル監督退任させろ派』だったからです。
いままで、7年弱。
本当に長い年月でした。
ロンドン好きが高じてアーセナルのファンになった私は、監督が誰であろうとこだわりがありません。
個人的には、ベンゲル監督はアーセナルをリーグ優勝にもCL優勝にも導くことができないと確信していましたから、「早く退任してくれ」と思っていたのです。

ですが、ベンゲル監督は、辞めません。
辞任もしないし、フロントも解任しない。
ベンゲル監督は、自分の立場が危うくなると、オーナーを味方につけて監督の地位を保ちます。
ベンゲル監督は、一般的な監督とは異なり、正式な経営陣の1人だからオーナーへの影響力が強いのです。

アーセナルのことは好きですが、勝てないと分かっていてるチームを見続けるのは、本当に辛かったです。
アーセナルの試合があるたび、アーセナルの選手たちが躍動しているのを見るのはとても楽しく嬉しいのですが、でもリーグもCLも取れないと思うと、ものすごく苦痛でもありました。
どんなに快勝しても、心の奥底が苦痛にもがき苦しんでいる感じでしたね。

そして、昨季、CL出場圏内さえも逃してリーグ5位に終わったにも関わらず、ベンゲル監督は辞任もせず、オーナーを味方につけて解任を避けたのを見て、心底、絶望しました。
2004年以降はリーグ優勝もしておらず、CL優勝もしたことがないのに、よく契約を更新できるな、と。

結果だけでなく内容を見ても、

・ローテーションが下手
・ケガ人を多発させる(選手が疲労していても起用し続ける、メディカルスタッフの言うことを聞かない)
・足元の技術ばかり重視して、フィジカルの強い選手の獲得をしない
・守備の得意なDMF等、守備の選手の獲得に投資をしない(値段の高い一流選手を取らない)
・守備戦術が、ほぼ無い
・守備力を軽視しているため、攻撃のトレーニングばかりやる
・戦い方がワンパターン。強豪に対策されたら、ほぼ勝てない(特にファーガソンとモウリーニョとペップ)

という感じです。
昨日、ベンゲル vs モウリーニョの最終戦がオールドトラフォードでありましたが、2-1で負け。
アーセナルはEL準決勝2nd legを控えていて、メンバーを落としての試合でしたが、それでも負けは負けです。
引き分けに持ち込むこともできませんでした。
モウリーニョは、アーセナルがメンバーを落とした見るや、超珍しいことにポゼッションを取りに来ます。
最終的なボール保持率は、アーセナル:40%・マンU:60%。
その結果、アーセナルは攻められまくり。
さらに、1-1と同点で膠着状態に入ったと見ると、モウリーニョは好調のリンガードとエレーラを外し、フェライニとマルシャルを投入。
試合終盤、右サイドのイウォビが足を痛めたと見ると(既に3人交代していたので、イウォビは下げられない)、アーセナルのイウォビがいる右サイドをマルシャルとヤングで何度も崩し、ハイクロスを上げます。
中央には、途中交代で入ったフェライニ。
一度、ハイボールからフェライニ→ラッシュフォードの形で決められかけましたが、何とかオフサイド。
ぎりぎり助かった、と思ったら、後半ロスタイム(91分)に、ヤングのクロスからフェライニがヘッドでゴール。
モウリーニョが狙った通りの形でゴールを許し、負けました。
DMFのジャカが競りにいきましたが、フェライニに競り負けました。

ベンゲルは、相手が高さで勝負してきたのに、そこで何の対策も打ちませんでした。
モウリーニョが、フェライニで高さ勝負に来ることは目に見えていたのに。

ベンゲルは、相手が戦い方を変えて来た時やアーセナルの欠点を突かれる戦い方をされた場合、対処ができない監督なんですよね。
ひたすら自チームの長所を出し、チームを信じるというのがベンゲル監督。
聞こえは良いですが、臨機応変さが足りません。
そもそも、臨機応変に戦うチーム練習をしていないように見えます。

これで、モウリーニョ(チェルシー&マンU)に対してのベンゲル・アーセナルの成績は、

2勝10敗7分

です。
しかも、2勝のうち、1勝はコミュニティシールドで、もう1勝はEL決勝重視のために、マンUのモチベが極端に低かった試合です。
昨日のアーセナルも同じではあるので、実質は、

1勝9敗7分

と言った方がいいかもしれません。
いずれにしても、負け過ぎです。
特に、モウの第2次チェルシー時代に5回対戦しましたが、アーセナルは1点も取れませんでした。
5試合でノーゴール。
本当に屈辱でしたね。

私は、いつの頃からか、アーセナルがモウリーニョと対戦する少し前になると、夢を見るようになりました。
夢では、アーセナルは必ず負けていました。
そして、その数日後、やはり現実でも負けてしまうのです。
とても辛かったです。

さらに、CLでも7季連続でベスト16。
いつも決勝トーナメント1回戦で、バイエルンやバルサに為す術もなく惨敗してきました。
中でも、2015-16の決勝トーナメント1回戦の2nd legから、バイエルンに3試合連続で1-5で負けたのには、絶望を味わいました。
サンチェスが怒り狂うのも、無理はありません。
私も、怒りがしばらく収まりませんでした。

ですから、ベンゲル監督が今季で辞めることとなり、やっと心が晴れ晴れとしました。
この7年近くのストレスが、一気に開放された気分です。
本当に晴れやかな気持ち。
これで、やっとアーセナルはビッグタイトル(CL優勝やリーグ優勝)を目指せます。
もちろん、数年間の低迷期はあるでしょう。
以前の記事に書いたように、アッレグリだろうがレーヴだろうがエンリケだろうが、今のアーセナルを率いたら苦労すると思います。
しかし、今季のリバプールがCL準決勝に進み、さらには決勝に進む可能性が高いように、どんなに低迷期を経ようとも、アーセナルは必ずその試練を乗り越えることができると思います。
私は、これからもアーセナルを応援し続けます。

■追記
この記事を読んで不快になる方も多いでしょう。
ベンゲル監督は退任するんだから、これまで色々あったとしても、それは封印してキレイに送り出せよ、と思う方が大半だと思います。
ですが、ここは私にとって日記であり、自分の心を吐露する場です。
現実の知り合いにアーセナルファンがいないので、長年、心の底に溜まった苦しさを吐き出す場所はここだけなのです。
ご理解いただけなくともしょうがないと思いますが、こういう変わった人もいるんだな、くらいなレベルで許容して頂けると嬉しいです。
表題は、ジャンプの某漫画をモジりました笑
私が見たところ、ハリル戦術については日本人の多くが理解していないように思います。
ハリル戦術は、理解しがたい異文化。
そのように感じている日本人が非常に多く、それはサッカーファンだけでなく、元Jリーガーの解説者やドーハ以前に選手だった解説者のほとんどは、そのように感じているように見えます。
おそらく、代表選手たちの多くもそうなのだと思います。
欧州でプレーしている選手も含めて。

ハリルサッカーが従来の日本サッカー(と言うかJリーグ)と文化が異なる点として、すぐに「縦に速い」とか「デュエル」等をキーワードに持ち出す方が多いですが、そこが異文化だと感じる源ではないと思います。
異文化を感じる源は、日本サッカーが純粋なゾーンプレスを"超"苦手にしていることです。

Jリーグでは、マンマークとゾーンの折衷案のような守備戦術をよく見ますが、それは純粋なゾーンプレスをやれるだけの戦術理解力・実践力がないからです。
いみじくも、むかし、トルシエ監督が言ったように「日本には守備の文化が無い」
それは、守備戦術の理解力が低いからです。
スペインでは、小学生の年代から守備戦術を学びますが、日本では小学生に守備戦術を教えるクラブは、ほとんどありません。
個の力を伸ばすのが優先だと考えられています。

そのような育ち方をした結果、代表選手と言えども、日本人選手はゾーンプレスが"超"不得意になってしまいました。
私の見るところ、純粋なゾーンプレスを世界に通用するレベルで体現できている日本人選手は、CBを除けば、乾と長谷部だけでしょう。

ハリルホジッチ監督は、来日した直後、まずは純粋なゾーンプレスをやろうとしていました。
そのことは、以下の記事で分かります。

『永木亮太「ハリル監督の哲学」ロープ練習すごい』
https://www.nikkansports.com/soccer/japan/news/1614234.html

なつかしのロープ練習!
ゾーンプレスを好むトルシエ監督も、よくやっていましたよね。
おそらく、欧州ではスタンダードな練習方法の1つなのでしょう。

ですが、ここ10年、Jリーグでロープ練習をやっているチームは聞いたことがありません。

そして、いつしか、ハリルホジッチ監督は、ゾーンプレスの練習を止めてしまいます。
それは、以下の記事にも書かれています。

『個の発掘か?戦術の熟成か? 戦略家ハリルホジッチが最終予選で見せた“一流の妥協”』
http://www.soccerdigestweb.com/news/detail/id=30694

これは、何を示すのでしょうか?
一言で言えば、ハリル監督は、日本人選手はゾーンプレスがあまりにも下手すぎて、代表で少し練習したくらいでは上手くならない、と判断したということです。
つまり、ゾーンプレスをあきらめたのです。
トルシエ時代と違って、いまは代表選手の多くが海外組なので、練習する時間が足りないからです。

そうなると、マンマーク中心で守るしかありません。
フォーメーションが4-1-2-3の場合、2枚のCBと1枚のアンカーにだけゾーンで守らせ、他の7人はマンマークで守らせるようになりました。
ハリル監督も、それは本意ではなかったでしょう。
でも、日本人選手はそれしかできないから、しょうがない。

しかし、マンマークは、守備戦術の理解度が低くても実践できるという長所がある反面、大きな欠点があります。

・1対1で勝てないと守り切るのが難しいし、ボールを奪えない。
・流動性の高いチーム相手だと、マークがズレて、やはり守り切るのが難しい。

そして、これが日本人たち(ファンも選手も大半の評論家も)が、ハリル戦術を理解できない、異文化だと感じることにつながっていきます。
上記の前者については、もともとハリルが「デュエル」という耳新しい言葉を使ったために、「デュエルをハリルが求めている」と必要以上に解釈しているスポーツマスコミやファンが多いです。
ですが、実際にはそうではありません。
日本人選手がゾーンプレスをやれるだけの守備戦術の理解力や実践力が足りないために、マンマークをやらざるを得ず、その結果、「デュエル」に勝たなければ守れない・ボールを奪えない、という事態に陥っているのです。

しかし、日本人選手の多くは、その事情を理解しなかったのだと思います。
もちろん、形だけゾーンプレスを真似ることは、きっとどの代表選手にもできます。
ですが、世界で通用するレベルでゾーンプレスをやり切ることができるかどうかは、まったく別の問題です。
彼らは、自分たちがゾーンプレスをできないとは思っていないのでしょう。
だからこそ、デュエルで守ることに異文化を感じているのだと思います。

そして、それはファンも同じです。

『もっと組織的(≒ゾーンで)に守ればいいじゃないか。
 なぜ、日本人の不得意な「デュエル」で守ろうとするんだ?』


おそらく、「ゾーン」という単語を知らないファンでも、体格に勝る諸外国との強化試合で、日本人選手が1対1で守ろうとしているのは、奇異に映っているはずです。

しかし、ハリル監督は、ゾーンプレスをやるのとマンマークをやるのとでは、まだマンマークの方がマシ、という判断をしました。
なぜなら、ほとんどの日本代表選手がゾーンプレスをきちんと理解していないからです。
両方とも実践が難しいなら、まだ頭で理解しているマンマークを優先するのは、監督としてとても自然な判断だと思います。

ですが、日本人選手の一部(あくまで一部)は、その監督の意図を理解しませんでした。
自分たちはゾーンができると思っているからです。
おそらく、そこからハリル監督と選手の意識の行き違いが始まっていったのでしょう。

小澤一郎さんというサッカージャーナリストが代表選手に取材し、こういうことを言っています。

「代表には欧州のトップレベルでもプレーしている選手がいるので、
 その選手が
『自分のクラブでは、こういう風にマンマークとゾーンを使い分けて、
 こういう風にプレスを掛けてるんだけど、代表ではどうするのか?』とハリルに
 尋ねたんだけど、明確な回答をもらえなかったと聞いています」

これ、たぶん香川のことだと思います笑。長谷部は、戦術理解度は高いですから。
おそらく、ハリルはちゃんと説明したのでしょうが、きっと香川は理解できなかったのでしょう。
香川は、ドルトムントでも守備戦術の理解度が低いところを度々見せていますから。

これをハリル監督の立場に立つと、こう見えると思います。

「あんなに時間を掛けて丁寧に説明したのに、この選手(たぶん香川)は、守備戦術を理解しない・・・」

そうすると、練習時間の少ない代表ですから、この選手の優先度はどうしても下がります。
日本はW杯では強豪国ではありませんから、攻撃力よりも守備力の方がどうしても重要になります。
そして、ハリルは守備を大事にする監督です。
少々攻撃力があっても、守備戦術理解力の低い選手の優先度が下がってしまうのは致し方ないことです。
もちろん、この選手がレヴァンドフスキ級の攻撃力があるのならば別ですが、そんな選手は日本にはいません。

その結果、ハリル監督は、徐々に守備戦術の理解力・実践力の低い選手を外していきます。
その代わり、比較的(あくまで比較的)、守備戦術の理解力が高い井手口や原口が重用されていくようになります。
監督として、当然の流れです。

ですが、山口螢・酒井高徳・香川・本田等は、明らかに守備戦術の理解度が低い。
山口螢は、日本人の守備的ボランチとして唯一身体も大きくデュエルが強いので起用していますが、守備戦術の理解度・実践力という点では、ハリルは満足していないと思います。
ですが、日本には、山口螢以上の選手がいません。
日本が、パスの巧いボランチばかり生み出して、守備の得意なDMFを重要視してこなかったツケが来ています。
世界には、ブスケツ・カゼミーロ・カンテ・フェルナンジーニョ・マティッチ・エンゾンジ等の守備の得意なDMFが数多くいます。
特に、ブスケツやカンテ、フェルナンジーニョは、守備戦術の理解度・実践力が非常に高いです。

結局、無いものねだりはできないので、山口螢を代表に呼んでいるのでしょう。

守備戦術の理解力の低い選手たちは、いくらハリルとコミュニケーションを取っても、ハリルの言うことが理解できないわけです。
小学6年生に微分・積分を教えるようなもの。
いくら先生が丁寧に教えようとも、教え切れるものではありません。

人は自分に理解できないことをする相手を、異文化として切り離すことが多いです。
特に、それが上司(監督)であれば、なおさら。

ですが、一般のスポーツ紙のような荒いニュースソースではなく、丁寧に代表選手たちを取材した清水英斗さんというジャーナリストによると、

「ハリルに反感を持っている代表選手は、ごく少数だった。
 異論を持っている、というレベルの選手はある程度いたが、それはどのチームにでもあるレベル」


と言っています。

一般スポーツ紙だと、大半の選手がハリル監督に反感を持っていたような書き方をしていますが、おそらくそれは記事を盛っているのか、取材が浅いのでしょう。
少なくとも、川島や槙野や原口はハリルに好感を持っていました。
彼らはハリルに重用されていたわけで、重用した選手はハリルに好感を持ち、そうでない選手は反感を持つ。
そういうことだったように思います。

そして、重用されなかった選手は、自分が守備戦術の理解度が低いことに気づいていないか、プライドのためにそれを認められなかった選手たちなのだと思います。
それが、いわゆる”中心選手(苦笑)”だったのでしょう。
私から見れば、ハリル戦術における中心選手は川島や槙野や原口や酒井宏樹であって、MFではないんですけどね。